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僕らはゾンビ対策官  作者: ソーダ
第五章 調査
302/347

#274 拷問

二十分後、東京本部本部長室……


「失礼するよ」


三ツ木は扉を開けるとそう言った。すると仲野が「もう調べ終わったの?」と聞いてきた。なので三ツ木は「あぁ、いつものより簡単だったよ」と答えた


するとそれを聞いていた藍卯が「何の調査だ?」と聞いてきた


「話してないのか?」


三ツ木がそう聞くと仲野は「調査部案件だからね。ただ調査自体は元々対策5がやってたから知ってると思うけど、」と言った。すると藍卯は「お前、六年以上私といるくせにまだ信用してないのか」と圧をかけた


「念のためだよ。確かに藍卯とは長いけど、出会いがアレだからね」


仲野がそう言うと藍卯は「まぁそれもそうだな。それで調査結果は?」と三ツ木に聞いた


「槍の件だが、集合液をつけたのは対策部対策4の下原製作官。彼は新平地作戦の一年前、つまり今から六年前に山田太郎より集合液をコーティングするよう指示を受けていたとのこと。しかし当人の話によると、液体が何かまでは言われてない……だとよ」


三ツ木はそう報告した。すると藍卯は「そうか……それで何でこの調査をお前がしたんだ?調査部がやるレベルの事じゃないだろ」と聞いた


「その事なんだけど、先に調べてた調査5が液体の調査の方で忙しくなって、此方にまで手が回らなくなったんだよ」


「そういうことだ。ただ、対策5でも答えにたどり着けたがな」


三ツ木がそう言うと藍卯は「何故だ?」と聞いた。なので三ツ木は「下原製作官の話によると、コーティングした件は槍の持ち主の小牧対策官、埼玉支部への応援で不審なものを見つけた鵜飼対策官。そして城山研究官にはこの事を話したんだとよ」と説明した


すると藍卯が「つまり城山は答えを知っていたが、教えなかったと?」と言った


『ただ液体の調査が忙しくて忘れてただけだと思うけどな。城山は対策5のリーダーだし……』


藍卯の話を聞くと仲野はそう思った。けれど三ツ木も「俺もそう思って調査1に捜査依頼を出した。それと後で対策5にいる元潜入捜査官に話を聞こうと思ってる」と言った


「まぁ念には念をって言うしね……」


仲野はとりあえずそう言っておいた。すると三ツ木は「それじゃあもう失礼するよ。まだトレイの件もあるし」と言い、部屋から出ようとした。なので仲野は「分かったら報告頼むよ」と言った


「もちろん。誰か送るよ」


三ツ木はそう言うと部屋から出ていった……



午後五時、関東ゾンビ殺所場

四階、取調室前……


そこには村島と瀬戸がおり、部屋の中でのやり取りを見ていた。けれどトレイは何の質問にも答えず、ただ黙っていた


「もう始めてから一時間半も経ってますよ。それに三ツ木さんからもまだかとの連絡が……」


そう言ったのは瀬戸だった


「確かに時間がかかりすぎてるな。それに情報も性別以外何も分かってない……」


村島がそう言ったときだった。突然取調室の扉が開き、木暮が出てきた。木暮は村島に「ダメなら。やるしかないね」と言った。すると村島も「そうか。ならやるか」と言った


「やる?何をですか?」


いまいち状況を理解できていない瀬戸はそう聞いた。すると木暮が単刀直入に「拷問だけど?」と言った


「え?本当にやるんですか?」


瀬戸がそう聞くと村島は「勿論。てかちょっと前にもやったばかりだしな」と言った。なので瀬戸は「誰をですか?」と聞いた


「誰って瀬戸が連れてきたやつだよ。名前は確か……」


「間勝和昌、ゾンビ愛護団体最後のリーダーですよ」


木暮がそう言うと、瀬戸は『まじか……』と思った


瀬戸は少し前までゾンビ愛護団体に研究員、柴本鈴杏として潜入捜査を行い、テロを防ぐことに成功した。けれどその後、間勝がどうなったのか知らなかったため、驚きや調査部に対する恐怖など色々な思いが出てきた



「とりあえず簡単なのから行きます?」


木暮がそう聞くと村島が「そうだな。二人は押さえつけててくれ」と言うと取調室に入ろうとした


「あの、簡単なのというのは……」


「爪剥がすだけよ」


木暮はサラッと言った。すると村島が「まぁこれくらいなら度々やるから大丈夫」と続けて言った


「今のに大丈夫な要素ありました?簡単というので水をかけるくらいだと思いましたよ……」


瀬戸がそう言うと木暮が「さすがにそんな事はしないよ。部屋を濡らしたら殺所の人に怒られるからね」と言った


『一応そこは考えてるのか……』


瀬戸がそう思ったときだった。村島は取調室の扉を開け二人に「やるよ」と言った



「ですがさすがにそれはちょっと……」


「調査官なんだから覚悟を決めな」


木暮はそう言うと瀬戸の肩を叩いた。けれど瀬戸は拷問はもちろん、潜入捜査時も過激な事は極力避けていたため、今回な件は不安しかなかった。すると村島が瀬戸に「じゃあ十分でどうだ?」と聞いてきた


「十分?何がですか?」


「十分後にやろう。だからそれまでの間に情報を吐かせられたらやらないよってことだ」


村島がそう言うと木暮が「でももう一時間半もやったのよ。無理よ」と言った。すると村島は「まぁ良いじゃないか。十分休憩できると思えば」と言い、木暮を説得させた


「この話、乗るか?乗らないなら今すぐ行けるかやるけど」


村島は瀬戸にそう聞いた。すると瀬戸はすぐに「乗ります。何とか吐かせてみます」と答えた。なので村島は「じゃあ俺達はそこら辺にいるから何かあったら呼んでくれ」と言うと、木暮と共に牢獄スペースから出ていった……


瀬戸愛佳せとあいか


潜入捜査官


常備武器……拳銃

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