#028 液体
永山製薬会社裏口、第三部隊……
「ここにもいたのか……」
黒いマントを羽織っている男性はそう言った。するとそこに第三部隊の隊長の宗が近付いてきた……
「宇土指令から聞いたが、かなり派手な事をしているようだな……」
宗はその男に言った。それから部下に向かってこう言った。
「こいつを捕まえる。各自散開!」
「了解!」
宗に言われると部下はバラバラになった。それを宗が見ると槍を構えた。
「八代と油川は援護を頼む!その他はその場で待機!」
宗が部下に言うとそのまま突っ込んで行った。そしてまずは裏刃で斬りつけようと槍を振った。すると相手は刀を取り出し、その攻撃を避けた。
「やっぱりこれくらいの強さか…… エース達も余裕だろうな」
男性はそう言うと刀を振って攻撃を始めた。それからは槍と刀がぶつかり合う音が何回もした。
「八代対士長、どのタイミングで撃てば良いのでしょうか?」
油川がそう聞いた…… が、それは八代にも分からなかった。何せ宗が相手からはなれない限りは援射出来ないのだ。
その時、宗が刀を持っている男性から離れた。なので八代はこう言った。
「今だ!撃て!」
「了解です!」
油川はそう言うと、八代と一緒に無数の弾丸をうち始めた。するとその中の一発が男性に命中したらしく、男性は腹から血を流している倒れた……
宗はその男性を見ると無線を取り出した。そして対策3の人に救護班の要請をした……
永山製薬会社二階、
「誰もいないな……」
冨沢がボソッとそう言った。確かに林班は作戦が始まってからずっとこの階にいるため、ゾンビはどころかこの会社の人にも出会っていなかった……
「林、まだここに居なくちゃダメなの?」
「当たり前だ。それが嫌なら副本部長に文句を言え」
……と林は言った。が、そんな事出来るはずがないない。なので冨沢は一番手前にある部屋に入っていった。すると、そこの部屋の棚に「ゾンビ」と書かれたビンを見つけた。
「何だこれ?」
冨沢はそう思ってそのビンを手に取ると、それが液体だと分かった。
「林!これ何かな?」
冨沢はそう言うとそのビンを林に投げた。しかし、それは林に聞いても分かるはずがない。なので、林はその液体が何かを調べるために、小牧に頼み宇土の所まで行ってもらうことにした。
小牧は林からそのビンを受け取ると走って、宇土のいる作戦指令車へと向かった……
作戦指令車……
突然作戦指令車のドアがノックされた。そして宇土が開くとそこには小牧がいた。
「どうした?」
宇土がそう聞くと小牧はこう言った。
「冨沢准官がこれを見つけたので、中身を調べてほしいと言われまして……」
「分かった。此方にこい!」
宇土はそう言うと作戦指令車から出ていき、もう一台の移動実験車に乗り込んだ。そして白衣を来ている女性にその液体の入ったビンを渡した。
すると女性はそのビンの中の液体を機械に入れ調べ始めた。
「少し時間かかるけどいい?」
その女性はそう言った。
多分検査にはかなりの時間がかかるだろう。小牧はそう思いながら、ただ立っていた……
宗隼央
准ゾンビ対策官
武器……槍
クロスボウ(ボーガン)
拳銃




