表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕らはゾンビ対策官  作者: ソーダ
第五章 調査
289/347

#262 適当

東京本部、本部長室……


『やっと落ち着ける……』


仲野はそう思うと椅子の背もたれに寄っ掛かった。そして少しすると机の中から資料を取り出した


仲野は本部に来てすぐ『浜地信明確保作戦』のトラブルに巻き込まれたため、ゆっくりしている時間はもちろん。自分の仕事をする時間もなかった。なので仲野は少し休憩を取ると仕事をし始めた


『次に行われる作戦は……』


仲野はそう思いながら机に置いてある資料を見た。そのたまたま目に入った資料には『六王子山井病院強制捜査 一月十三日決行』と書かれていた


「十三日って……」


仲野はボソッと言うと卓上カレンダーを見た。そして「明日か。でも明日は宇土が休みだけど……」と言うとその資料を下まで見ていった


すると一番下の紙に「担当 捜査4」と書かれたものを見つけた


「なんだこれは捜査部のやつか。なら大丈夫」


仲野はそう言うとこの資料を元々入っていた茶封筒に戻した



トントンッ!


「失礼します」


そう言って部屋に入ってきたのは対策5の城山だった。仲野は城山が来たと分かるとすぐに「例の件は分かった?」と聞いた


「えぇ、あれは集合液でした」


城山がそう言うと仲野は「集合液?」と聞き返した


「えぇ、東京で見つかるのは始めてですが、すでに京都、大阪、福岡では見つかってるものです」


「それでどんな効果があるんだ?」


仲野がそう聞くと城山は「右京の話によると、ゾンビを集めさせる液体だそうです」と答えた。するとそれに対して仲野は「そんな液体が槍に?何でだ……」と言った


「そこまではちょっと……なので今知ってる人がいないか聞いてもらってるところです」


「分かった。じゃあそこら辺を含め、全て分かったらまた報告しに来てくれ」


「了解です。失礼しました」


城山はそう言うと本部長室から出ていった


『ゾンビを遠ざける薬品が塗ってあるとかなら分かるけど、何でゾンビを呼び寄せる液体を槍に……』


城山がいなくなると仲野はそんなことを思い始めた。けれど仲野はあくまで司令部出身のため、研究部がやるようなことは全く分からなかった。なので仲野はこの事について考えるのをやめ、城山から報告が来るのを待つことにした……



東京本部、対策5専用室……


「何で槍にこんなのが……」


そう言ったのは右京だった。右京は資料庫から山田太郎に関する資料を全て引っ張り出してきて、全てに目を通そうとしていた。そしてそんな右京の向かいで蒔村は寝ていた



バンッ!


突然扉が強く開かれると部屋の中に女性研究官が入ってきた。その女性研究官は息を切らしながら「すみません。遅れました」と言った


「遅れた……ってレベルじゃないくらい遅刻してるな」


右京は作業を中断するとそう言った。するとそんな右京を見た研究官は右京に「伊中さんめっちゃ眠そうですけど大丈夫ですか?」と言った


「眠気もそうだが、西俣の遅刻もだいぶヤバいぞ」


右京がそう言うと西俣は「次気を付けますね」と言い、自分の席についた


「全く、何度注意すればいいのやら……まぁ今回だけだぞ」


右京はそう言うと目を擦らせながら作業に戻った



『いやー、伊中さんはチョロいわ。何回やっても許してくれるし助かるわ』


西俣は椅子を適当に回転させながらそう思った。そして椅子に座ったまま近くの棚まで移動し、戸棚の扉を開けた



「わっ!」


戸棚を開けると中から資料が勝手に飛び出し、辺りに散らばった


「伊中さん。整理整頓って知ってます」


西俣は右京にそう言った。すると右京は作業をしながら「それはおそらく蒔村だ。俺はその棚を使ってないし城山さんならそんな汚くしない」と言った


「蒔村さん!資料はちゃんとしまってくださいね」


西俣はそう言いながら蒔村を見た。けれど蒔村は机に枕を置き、顔を伏せて寝ていた


「伊中さん。蒔村さんってお泊まりしてたんですか?」


西俣は右京にそう聞いた。すると右京は手を止め、西俣を見てこう言った


「あぁ、俺、蒔村、城山さんの三人で残って調べ事してたよ。それと右京ね」


「ふ~ん。大変ですね」


西俣はそう言うと床に散らばった資料を集め始めた。そして右京に「私も手伝った方がいいやつですか?」と聞いた。すると右京は「いや大丈夫。さすがにこれは内容がアレだし、時間もかなりかかる。西俣はこれ以外のことを頼む」と言った


「つまり私は通常業務を行えということですね」


「あぁそうだ。しばらくの間城山さんと蒔村はこれを調べるために通常業務できないからその分も頼むよ」


右京がそう言うと西俣は「いや、さすがに二人分を私にやらせるのはくそ野郎ですよ!人として最低です」と言った。するとそんな西俣に右京は「もちろん俺も手伝う。さすがにこの量を西俣だけにやらせるわけにもいかないからね」と言った



「だよね。ならよかった……」


西俣はそう思うと拾った資料を棚に押し込んだ。そして扉を無理矢理閉めた。するとそんな様子を見ていた右京が「整理整頓はどうした?」と言ってきた


なので西俣は「何ですか?それ?」と適当に誤魔化した。そして白衣を持って逃げるように研究室へと行ってしまった……



西俣咲にしまたさき


通常研究官


常備武器……拳銃

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ