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僕らはゾンビ対策官  作者: ソーダ
第五章 調査
284/347

#258 通信

次の日、午前七時半

東京本部、本部長室……


ガチャッ!


仲野は扉を開けると部屋の中に入った。そして荷物を机の上に置くと、席についた


「さて、やるかな」


仲野はそう言うと机の中から資料を取り出し、仕事を開始しようとした。すると突然扉がノックされ開いた


「仲野さん。昨日はすみません」


そう言ったのは宇土だった。すると宇土を見た仲野は「大丈夫なのか?数日休みを取った方が良いんじゃないの?」と言った


「いえそういうわけには……それに今日は作戦が……」


「作戦ならもう終わってるよ。七時スタートだし」


仲野はそう言いながら宇土に近寄った。すると宇土が「けど何かあったり……」と言ってきた。なので仲野は「大丈夫。代わりの司令官は藍卯が推してた人だから」と言った



ガチャッ!


「失礼します」


突然ノック音がすると扉が開き、部屋の中に夏川が入ってきた


「本部長、通信司令部が慌ただしいことになってるんですが、何かあったんですか?」


そう言って部屋に入ってきたはのは夏川だった。けれど仲野は今来たばかりのため、現在の本部の状況が全くつかめていなかった。なので「え?そうなの?」と言った


「えぇ、いつもと違ってバタバタしてましたけど……」


「通信司令部がいつもと違うって珍しいな。ちょっと見てきてくれないか?」


仲野がそう言うと夏川は「了解です」と言い、部屋から出ていった



「通信司令部がバタつくって何かあったんですかね?」


二人の会話を横で聞いていた宇土はそう言った


「何もないと良いんだがな……」


仲野はそう言うと自分の席に座った



東京本部通信司令部、主な仕事はゾンビ関連の通報の処理、警備部への指示だった。けれどゾンビ関連の通報は数が少ないため、警察の通信司令室よりは慌ただしくなかった



バンッ!


「仲野!ヤバいことになってるぞ!」


そう言って部屋に飛び込んできたのは三ツ木だった


「どうした?そんなに慌てて……」


「慌てるも何もヤバいよ。マジで」


「それで内容は?」


慌てている三ツ木に仲野はそう聞いた。すると三ツ木は「来た方が早い。すぐに来て!」と言い、扉を開けた。なので仲野は「口頭じゃダメなの?」と聞いた


「見た方が早い」


三ツ木はそう言うと立ち上がった仲野の背中を押し、部屋から出た


「三ツ木さん。それって通信司令室ですか?」


宇土も部屋から出るとそう聞いた。すると三ツ木は歩きながら「あぁ、そうだが……宇土は大丈夫なのか?」と言った


「大丈夫です。それでどんなことが……」


宇土がそう聞くと三ツ木は「そりゃあもうヤバいとしか言えんことが起きてるよ」と言い、非常階段の扉を開けた


通信司令室は本部長室のある階の一つ下にあった。なのでエレベーターで向かうより階段を使う方が早かった。そんな事もあり三人は階段をかけ下りた



ガチャッ!


「先に!」


三ツ木は非常階段の扉を開いた。するとそんな三ツ木の前を夏川が通った。なので仲野は「夏川!」と呼んだ


「本部長!こっちです!」


夏川は仲野の腕を掴むと通信司令室へと向かって走り出した。そして少し進むと『通信司令室』と書かれている扉を開けた



「何があったんだ!」


仲野は部屋の中に入るとそう言った。すると主司令席に座っている司令官が前にあるモニターに映像を流し始めた


「これは?」


仲野は映像を見るとそう言った。その映像は上空から撮影されたもので、一台の車を撮していた


「笹川!これは何だ!」


仲野はそう言いながら主司令席へと移動した。すると笹川という女性司令官がこう説明した


「報告があまり無いので詳しくは分かりませんが、どうやら捜査対象が逃走したそうです」


仲野はそれを聞くともう一度モニターに流れている映像を見た。その映像をよく見ると対策官の車も映っていた


「それで地上の被害は?」


「今のところ民間人を含む七名が負傷、轢き逃げ等をしながら現在は一般道を時速八十キロで逃走中。こんな調子だと負傷者はまだまだ増えるかと……」


笹川はそう言った。すると仲野は後ろにいる宇土、三ツ木、夏川に「藍卯はまだ来てないのか?」と聞いた


「そうですね……」


夏川はそう言うと腕時計を見てから「藍卯さんはいつも八時に来るので今はいないかと……」と答えた。するとそれを聞いた仲野は「マジか。とりあえず第一会議室を緊急対策室にする。用意ができ次第、司令はこっちにする」と言った


「了解です。それまでは此方でやってみます」


笹川はそう答えた


「仲野さん。ですが司令は誰が……」


そう聞いたのは三ツ木だった。現在、東京本部にいる司令隊のうち、小池司令隊は現場へ、今井司令隊は夜担当のため居なかった。なので仲野は宇土に「宇土、すまないが藍卯が来るまで司令をしてくれないか?」と頼んだ


すると宇土は「了解です」と答えると笹川に「五分後に第一司令室に繋いで下さい」と言った


「了解」


笹川がそう答えると宇土は「それでは失礼します」と言いこの場を離れた


「それじゃあ第一司令室に行くよ」


仲野はそう言うと三ツ木、夏川と共に部屋を出ていった……



仲野昂祐なかのこうすけ


ゾンビ殲滅局東京本部、本部長


武器……拳銃

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