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僕らはゾンビ対策官  作者: ソーダ
第四章 復帰
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#243 裏作戦

午前二時、東京本部第二会議室……


午前一時頃までは現場からの連絡があり、余裕がなかったテロ対策室だが、午前二時にもなると終電も過ぎているため現場からの連絡は特にこなかった


なので仲野達はそれぞれで暇潰しをしていた。すると突然部屋の中に藍卯が入ってきた



「榎本、三ツ木、時間だ」


藍卯は作戦資料に目を通している二人にそう言った。すると三ツ木は腕時計で時間を確認すると「あぁ、じゃあやろうか」と言い、スマートフォンを取り出した


「藍卯、これから何かするのか?」


そう言ったのは仲野だった。すると藍卯は「勿論するとも」と答えた


「んで何を?俺は何も聞いてないんだけど……」


仲野は机の上で手を組むと藍卯にそう言った。すると藍卯は「そりゃあこの事は関係者にしか話してないからお前は知らないだろうな」と仲野に言った



「まて、今内容を言え、何をするつもりだ」


そう言ったのは郡山だった。郡山は立ち上がると藍卯に近寄った。すると藍卯は「うるせぇな。何故お前に話す必要がある?」と郡山を睨みながら言った


「当然。俺は東京本部の副本部長だ。裏の作戦も知る権利がある」


「だから何だ?私は仲野公認の作戦立案官だ。部外者に話すことはない」


郡山に対抗して藍卯はそう言った



「三ツ木さん。とめます?」


榎本は三ツ木に小声でそう聞いた。けれど三ツ木は「大丈夫だよ。いつものことだし」と言い、スマートフォンでメールを作成し始めた


「榎本に三ツ木、これから何やるか教えてくれないか?」


仲野は二人の座っている所まで来るとそう聞いてきた。なので三ツ木は藍卯が部屋に来るまで見ていた資料を仲野に渡した


「詳しくはこれを。俺はちょっとやることあるから」


三ツ木はそう言うとスマートフォンを再び操作し始めた


「えーとこれは……」


仲野はそう言うと資料に目を通そうとした。けれど仲野が資料を開く前に榎本がこう言った


「愛護団体の残党を捕まえる作戦ですよ」


「え?あ、そうなの?」


突然榎本に言われると仲野はそう返した。すると榎本は続けてこう説明した


「えぇ、残党の隠れ家に潜入捜査官がいるので敵が油断している所を一網打尽にしようという作戦ですね」


「なるほど……でも何で今日?今日ってむしろ活発何じゃないの?」


仲野は榎本にそう質問した。すると榎本は「それは自分も思ったのですが、藍卯さんが言うには残党を晒して雇われた連中をビビらせよう……らしくて……」と言った


「なるほど。つまり夜が明ける前にこの作戦を行い、テロ行為そのものを無くそうということか」


「完全に無くせるかは分かりませんが、少なくとも抑えられると思いますよ」


榎本はそう言った。すると仲野は突然昨日行ったテロ対策会議の事を思い出した


その思い出したというのは、宇土が藍卯に言った『長時間の作戦なのに最初から出せるだけの対策官を展開し、その後の交代なしは無理があるのでは?』というものだった。この件については仲野も大丈夫かと心配になっていたためはっきりと覚えていた


しかしこの裏作戦を知った今、仲野は藍卯を今回の主司令にして良かったと思った


「それで作戦の用意は出来てるのか?」


仲野は二人にそう聞いた。すると三ツ木が「あぁ、いま潜入捜査官に最終確認をしてるよ」と答えた


「さて、じゃあ自分も用意を……」


榎本はそう言うと現場にいる部下に電話をかけ始めた。なので仲野は二人の邪魔にならないよう、席に戻った


『しかし驚いたな、まさか裏でこんなことをやってたなんて……』


仲野は心の中でそう言うと藍卯を見た。藍卯はまだ郡山と言い争いをしていた。なので仲野は「二人ともそろそろ終わりにしてくれると助かるんだけど……」と言った


けれどその言葉は二人の耳には届いていないらしく、しばらくの間、言い争いをやめることはなかった……



都内の住宅街にて……


ここはごくごく普通の住宅街。けれどここには一台のトラックが止まっており、助手席には榎本の部下の元町が座っていた


「えぇ、それでは作戦が終わり次第連絡入れます。はい。それでは……」


元町はそう言うと電話を切り、スマートフォンをしまった。すると運転席に座っている女性が「榎本は何だって?」と聞いてきた


「許可が出ました。なのでいつでも開始して良いそうです」


「分かった」


女性対策官はそう言うとトラックから降りようとした。なので元町は女性対策官が降りて、ドアを閉める前にこう言った


「ただ、いま藍卯さんに連絡出来ないため、何かあったら榎本さんに連絡をして下さい」


「分かったよ。それじゃあね」


女性対策官はそう言うとトラックのドアを閉めた。そして素早くトラックの荷台の扉を開けた


トラックの荷台にはフル装備の対策官が十人ほどおり、その中の一人が女性対策官にこう聞いた


「もう開始ですか?」


「えぇ、各自予定通りの場所について。合図は私がする」


女性対策官は会話相手の男性から銃を受け取るとそう言った


「了解です。ですが、高梨二佐だけ軽装備で大丈夫ですか?」


男性対策官は荷台から降り、高梨の装備を見るとそう聞いた。すると高梨は「大丈夫。今回は皆がクリアリングしたところにしか入らないから。その代わり頼むよ」と言うと男性対策官の肩に手を置いた


「五十木君。今回は君の頑張り次第だからね」


高梨はそう言うと作戦場所の民家へと向かって歩き出した……


高梨花音たかなしかのん


二等ゾンビ対策佐官


常備武器……拳銃



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