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僕らはゾンビ対策官  作者: ソーダ
第四章 復帰
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#233 進捗

午後七時、東京本部第二会議室……


「それじゃあ特殊部から報告を頼む」


そう言ったのは仲野だった。すると仲野の目の前に座っていた園部は「はい」と言うと立ち上がった……


東京本部ではテロ予告がされてから六時間後に『テロ事前対策作戦』という作戦が発表されていた。この作戦は普段のものとは違い、テロ予告されている日まで続けられるという長期作戦だった


なので今日はその作戦の進捗を確かめるための中間報告の日になっていた


「我々特殊部は作戦が開始されてから四人を逮捕、二十三人を射殺しました。もちろん全員、テロ予告に関わっていた元ゾンビ愛護団体のメンバーでした」


園部が手元にある資料を見ながらそう言うと、会議室はざわつき始めた。そして園部もこれを読み上げる前からこうなるであろうとは予想していた


「二十三人を射殺っていくら何でも殺りすぎでは……」


仲野の隣に座っている郡山がそう言った。すると園部は自分の隣に座っている本間を見た。すると園部から『SOS』を受け取った本間は「何を言う。激しい銃撃戦をしたのに四人も生きて捕まえられたんだぞ。そう思えば良いほうよ」と言った


「いや、でもそいつらを殺さずに捕まえるのが特殊部じゃないのか?」


郡山は特殊部による二十三人の射殺について追及し始めた。するとそんな会話を聞いていた藍卯は椅子に座ったままこう言った


「うるせぇ、どうでも良いことに突っ込んでねーで早く話を進めろ」


「どうでも良くないから言ってるんだが。裏ならともかく、表で何人も殺すのは困るんだが」


郡山は藍卯にそう言った。けれど藍卯はそんな郡山を無視して、布田にこう言った


「おい、お前がこの会議の進行役だろ。早く進めろ」


布田はそう言われると「あ、あぁ。特殊部の報告は以上ですか?」と園部に聞いた


「はい。今ので全てです」


「分かりました。では次は警備5、報告をお願いします」


布田がそう言うと後ろの席に座っている男性対策官が立ち上がった。そして手に持っている資料を見ながらこう言った


「警備5は元ゾンビ愛護団体のメンバー五人の逮捕と拳銃の押収をしました」


男性対策官はそう言うと席についた


「はい。では次に進みます。次はテロ対策1、お願いします」


布田がそう言うと突然「すみません」と言いながら男性対策官が立ち上がった。なので布田は「どうかしましたか?」と聞いた。するとその男性対策官はこう言った


「テロ対策1は現在、監視部と共同で捜査をしています。なのでテロ対策1の人は今ここにはいません」


「そうですか。因みに貴方は?」


「監視部の高坂と申します」


「そうですか。ではテロ対策1と監視部は捜査中ですね」


布田はそう言うと進行表に書かれている『テロ対策1』と『監視部』の横に「現在捜査中」と書いた


「はい。次!調査2!」


布田はペンにキャップをつけるとそう言った


「調査2は十四丁のアサルトライフルの押収に成功しました」


女性調査官がそう報告すると、仲野が「さすが調査部。なかなかの成果だ」と言った。けれど仲野の隣にいる藍卯は成果には興味がないらしく「それで死者は?」と質問した


すると女性調査官は資料を見ながら「抵抗してきた人間はみな射殺しました。そして此方は二人負傷しました」と言った


「そのみな射殺というのは何人?」


藍卯は足を組ながらそう聞いた。すると女性調査官はすぐに「二十六人です」と答えた


「なるほどねぇ、おたくの所も随分と殺してるみたいだな」


藍卯は郡山にそう言った。すると郡山は「調査部は何しようと表に情報が流れることはない。だから何の問題もない」と言った


「はいはい。喧嘩は後でお願いします。最後に捜査4、どうぞ」


布田は郡山と藍卯が争いをする前にそう言った。すると田宮は立ち上がるとこう言った


「捜査4は明日、強制捜査を行うため成果等はまだありません」


「そうですか。では……」


布田はそう言うと仲野を見た。すると仲野は立ち上がり、皆にこう言った


「それぞれの部署の現在の状況は分かりました。この調子で取り締まりをお願いします。それでは解散!」


仲野がそう言うと、会議室にいる対策官は一斉に部屋から出ようと扉に集まった。けれどこの会議室には扉が二つしかなく、しかも一つは鍵がかかったままのため、実質出口は一つしかなかった。なのでその一つしかない扉に対策官達が集まっているため、そこだけかなり混んでしまっていた……



「藍卯、今の報告を聞いてどう思う?」


仲野は藍卯にそう聞いた。すると藍卯は体を仲野に向けると「どう思うとは何だ?」と聞いた


「そのままだよ。この調子で取り締まればテロは起きないかな?っていう……」


仲野がそう言うと藍卯はすぐに「んなわけねーだろ」と言った。すると仲野は肩を落としながら「やっぱりか……さすがにこれでテロを起こさせないってのは……」と言った


「私の予想だと、今どんなに頑張ってもテロは間違いなく起きる。けど、いま取り締まりをすればテロ発生時の被害を軽くできるのは確かだ」


藍卯はそう言うと立ち上がった。そして仲野に「それじゃあ私は仕事に戻る」と言い、人混みの中に突っ込んでいった……


『被害を軽減か……そうできれば良いけど……』


仲野は藍卯に言われたことを思い出しながら、心の中でそう言った……



宗隼央そうはやお


准ゾンビ対策官


武器……槍

クロスボウ

拳銃

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