#230 別件
東京本部、警備4専用室……
「失礼するぞ」
榎本はそう言いながら扉を開け、部屋の中に入った。そして扉の近くにいる対策官に「名屋君名屋君、柏木さん知らない?」と聞いた。するとその名屋と呼ばれている対策官は「柏木上等は少し前に部屋を出ていきましたよ。織部さんと田宮一等と一緒に……」と答えた
「うん?何か会議でもあるの?」
柏木の所属する警備4、資料管理課と榎本の所属する対策4、情報管理課は仕事内容がほとんど同じだった。なので会議の際は必ずと言って良いほど一緒に行われていた。そんなこともあって榎本は『俺が呼ばれない情報交換会議何てあるか?』と思いつつもそう聞いた
けれど名屋も柏木が何のために部屋から出ていったのか把握していなかったため、榎本に「ちょっと確認してきます」と言って部屋の奥に行ってしまった。そしてしばらくすると駆け足で戻ってきた
「内容は分かりませんが、第六会議室に行くと言っていたそうです」
「第六?あの仲間外れの?」
榎本が確認のためにそう聞くと名屋は「はい。そう聞いている者がおりました」と答えた。なので榎本は「了解。ありがとね」と言い、部屋から出ていった……
それから少しして
東京本部、???
榎本は階を移動すると、扉の前で立ち止まった。そして扉の横にある部屋の名前を見ると『ここであってるよな?』と心の中で言った
東京本部には第六会議室という部屋は存在しなかった。けれど、昔会議室として使われていた部屋を一部の対策官達が『第六会議室』と呼び、勝手に使っていた……
「榎本さん。こんなところで何をしているんですか?」
榎本が扉の前に立っていると誰かがそう言ってきた。なので榎本は声のする方を見るとそこには元町がいた
「柏木さんにこれを渡しに行こうとした結果、ここにいるって言われてね。それより何で元町はここに?」
「私もここの部屋に用がありまして……と、いうより及川さんから話聞いてないのですか?」
元町はそう言うと榎本の前に入り、扉を開けた……
「取ってきましたよ。例の資料!」
元町はそう言うと扉の近くにいる対策官に資料を渡した。するとその対策官はお礼を言い、資料をパラパラっと見始めた
「あれ?榎本が何でここに?」
部屋の中にいた柏木が、榎本を見るとそう言った。すると榎本は部屋の中にはいると「それはこっちのセリフです。何で自分抜きで情報交換してるんですか?」と言いながら柏木に近寄った
「俺はちゃんと伝えたはずだそ。及川に……」
柏木がそう言うと、元町も続いてこう言った
「榎本さんはテロの件で忙しいからこの事は私が担当になったんですよ」
「ん?ちょっとまて、今の発言的にこの情報交換会議は一月のテロについてのことじゃないのか?」
榎本がそう言うと柏木は横にいる織部を見た。けれど織部は「何も知らないみたいですけど、どうします?」と聞いてきた。なので柏木は「まぁいいよ。榎本は仮にも情報管理課のトップだし、教えておいて損はない」と言った
「確かにそうだね。内容的にも今後響きそうだしね」
資料を読んでいた対策官はそう言うと資料を机の上に置いた。そして榎本に「これ読めば大体は分かると思うよ」と言った。なので榎本は「そうですか……」と言い、資料を手に取った
『この資料はいつかつくった過激派組織の……』
榎本はそんなことを思いながら表紙をめくった。そして中身をパラパラっと見ると「なるほど、この件ですか……」と言った
するとそんな榎本に織部は「読むの早いな」と言った。なので榎本は「そりゃそうよ。何しろこの資料はうちら何でね。つくったの」と言い、資料を閉じた
『対策4、情報管理課』では、出来上がったは全て榎本が確認することになっていた。なので榎本は東京本部に入ってくるほとんどの情報を頭の中に入れていた
「で、それはそうと何で田宮一等がここに?」
榎本は柏木にそう聞いた……
田宮栄、彼は捜査4所属の対策官で情報交換会議に姿を現すのはこれが始めてだった。すると柏木は榎本の持っている資料を指差しながらこう言った
「その資料を見たらわかるはずだよ。それと捜査4の仕事内容も……」
榎本はそう言われると、その二つの意味を考え始めた。けれど榎本が答えを出す前に、元町がこう言った
「捜査4は組織、団体の捜査をしているところ。なので今回の件では色々と知ってることがあるかと思い、参加をお願いしました」
東京本部、捜査4はゾンビに関わる組織、団体について調査をしていた。なので今回の『過激派組織』に関することもいくつか知っていると思われた
「なるほどね……ってより、柏木さんこれを……危うく渡しそびれるところでした」
榎本はそう言うと資料を渡した。すると柏木は「何の資料だ?これは?」と言い、受け取ると中身を見た
「あー、愛護団体の生存者リストか。あとでじっくりと見させてもらうよ。それより今は情報交換会議をしようか」
柏木はそう言うと隣の椅子に榎本からもらった資料を置いた。そして代わりに椅子の上においてある紙袋の中から冊子を取り出した……
田宮栄
一等ゾンビ対策佐官
常備武器……拳銃




