#226 対策室
それから数分後
西野原電機、店内にて……
「天井裏に証拠となるものをつくりました。あとはいつも通り処理して下さい」
和倉は林達にそう説明した。すると宇土は「了解。残りは対策部に任せてください」と調査部の二人に言った。すると和倉は「分かりました。それでは何かあったら連絡してください」と言い、一礼してから店を出ていった
「それじゃあ処理は頼むよ。俺は本部に報告してくるから」
宇土は林達にそう言うとこの場を去っていった
「それじゃあ俺達もちゃっちゃとやって帰るか」
神尾はそう言うと近くにある台に登った。そして天井裏に顔を突っ込んだ
「神尾さん。大丈夫そうですか?」
小橋はそう聞いた。すると神尾は台から飛び降りると「問題ない。いつも通りやろう」と言い、荷物の中からカメラを取り出した……
東京本部、第二会議室……
バンッ!
扉が強く開かれると、部屋の中に藍卯が入ってきた。藍卯は部屋に入ると、部屋の隅っこにいる仲野にこう言った
「仲野、西野原電機はOKだ。あとは処理だけだ」
「分かった。これで全て終了だね」
仲野はそう言うと、部屋の前にあるホワイトボードに近寄った。そしてそのホワイトボードに書かれている『西野原電機』という文字にバッテンをつけた
「さて、これで今月のデカイ捜査は終わったな」
そう言ったのは三ツ木だった。すると仲野は「あぁ、だが来月にはもっとヤバいのがあるけどな」と言った
「確かに来月はテロがありますしね」
仲野に続くように男性対策官がそう言った
彼の名は保科怜央、監視部に所属する一等監視官だった。するとそんな保科に三ツ木はこう聞いた
「そう言えば保科、愛護団体の本部はどうなってんだ?」
ゾンビ愛護団体総本部は、対策部と特殊部による強制捜査によって建物を失っていた。そしてその誰もいなくなった建物は監視部が管理していた
「監視部が管理しています。と、いっても鍵をかけているだけで、建物内に誰かがいるという訳ではありませんが……」
「ふ~ん。因みに愛護団体前にある建物には誰か待機させてるの?」
三ツ木はそう質問した。するとその質問に対して保科は「えぇ、前と違って何人もではありませんが、二人待機させてます」と答えた
監視部の仕事は危険な団体、組織の監視である。なので監視部はゾンビ愛護団体総本部の目の前にある建物を借りており、前までそこで監視任務をしていた
けれど、強制捜査後は愛護団体のメンバーがいなくなったため、現在はこの建物にあまり人を振っていなかった
「保科、悪いんだけどその建物の鍵、貸してくれないか?」
三ツ木は保科にそう頼んだ。けれど、ゾンビ愛護団体総本部への立ち入りは制限されており、監視官以外は入れないことになっていた。それに保科は監視部のトップでないため、鍵を貸すかどうかの判断をするのとが出来なかった
「仲野さん。どうしましょう……」
なので保科は仲野にそう聞いた。すると仲野は「貸してあげてくれ。三ツ木は調査部だからな」と言った
「分かりました。本郷さんに話を通してきます」
保科はそう言うと立ち上がり、部屋から出ていった。すると今度は、保科と入れ替わりする形で対策1の倉科が入ってきた
「みなさんお久しぶりです!」
倉科は部屋に入るとそう言った。すると三ツ木は「関わりがあまりなかったとはいえ、久し振りに見たな」と言った。するとその発言に対して、仲野はこう言った
「まぁ、ちょっと前までアメリカ行ってたしねぇ……」
「アメリカ行ってたのか。それは初耳だな」
三ツ木はそう言った。すると仲野は「いや、いつか雑談として言ったと思うんだが」と言った。すると二人の会話を聞いていた郡山がこう言った
「そんな事よりこっちの対策してもらえますかね?」
二人はそう言われると郡山を見た。郡山は手に『一月三日のテロ予告について』と書かれている資料を此方に見せていた
「確かにそうだな。雑談はまたいつかにしよう」
三ツ木はそう言うと、机の上にある資料を持って部屋から出ていった
「あの、仲野さん。それで用件というのは……」
倉科は資料を眺めている仲野にそう言った。すると仲野は「ああ、すまない。そういえば呼んでたんだっけ」と言い、資料を机の上に置いた。そして倉科に一月三日のことについて話し始めた……
この東京本部、第二会議室は『一月三日 テロ予告対策室』となっていた。なのでこの会議室には色々な部署の人、及びそれに関する情報が集まっていた。なのでこの場所は一月三日のテロ予告について話すにはとても良い場所だった……
倉科奏良
准ゾンビ対策官
武器…槍
捕獲機
拳銃
短剣




