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僕らはゾンビ対策官  作者: ソーダ
第四章 復帰
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#224 天井裏

それから数分後、

西野原電機、入り口付近にて……


「何で俺らだけ居残りなんだ?」


そう言ったのは冨沢だった。冨沢を含め、居残りになっている対策官達には多少の不満があった。けれども冨沢以外はそれが対策官の仕事だと思い、口にすることはなかった


「まぁまぁ、そんなに時間もかからないはずだよ」


林は腕時計で時間を確認するとそう言った


「何で分かるのさ?」


冨沢はそう聞いた。すると林は「あと残っているのは、調査官による仕事。俺らはその後始末をするだけだからね」と言った


この西野原電機は大通りに面していないとはいえ、それなりに交通量のある道路に面していた。なので林は一般人に聞かれても大丈夫なように「証拠偽造」と言った言葉は使わずに説明した


「林の言うとおり、そんなに時間はかからないはずだ。それに冨沢は本部に帰ったところで何もしないだろ?」


神尾が冨沢にそう言った。すると冨沢は慌てながら「まさかそんな!いつも真面目に仕事してますよ!」と弁解した。すると近くにいた小橋が「あれ?真面目に仕事してるときあったかな?」と言った


「やめろ!とにかくやめろ!」



冨沢がそう言ったときだった。一台の車が目の前に止まった


「ん?なんだ?」


冨沢は車を見るとそう言った。しかしすぐにその車がゾンビ殲滅局の物だと気が付くと、林に小声で「この人が監視官?」と聞いた


「実際に会ったことないけど、多分そうだと思うよ」


林はそう言った



対策部は基本、調査部と関わることがなかった。なので林はもちろん、この中で一番長く対策官をやっている神尾も調査部についてはほとんど知らなかった



「初めまして、調査3の和倉と申します」


「同じく調査3の才所です」


調査官の二人は車から降りると、林達にそう言った。すると神尾は「神尾です。事情については聞いていると思いますので、案内します」と言い、二人を店の中に入れようとした。しかし、和倉は神尾にこう言った


「あの、藍卯さんからは宇土に聞けとしか言われておらず、何をどうすればいいのか分からないのですが……」


『藍卯、説明してないのかよ』


神尾は和倉の話を聞くとそう思った。なので仕方なく、ここに宇土を呼ぶことにした


「綿貫、宇土を呼んでくれ」


神尾がそう頼むと、神尾の部下は無線を使い始めた……



それからしばらくして、宇土は神尾達のいる場所にやって来た。宇土はここに来るやいなや「何?何があったの?」と聞いてきた。なので神尾は「藍卯が調査官を送ったのは良いものの、どこに何をしろとまでは説明してないんだとよ」と言った


「そういうことですか。では、自分が案内するのでその通りにやって頂ければと……」


宇土はそう言うと調査官の二人を店内に案内し始めた。するとそんな宇土に神尾は「宇土!作業している間、俺らはどうするんだ?」と聞いた。するとその発言に対して、宇土はこう言った


「その辺で雑談してていいよ!」


宇土はそう言うと店の中に入っていった。神尾はその指示に『それでいいのか?』と思いつつも、調査官の仕事が終わるまでこの場に待機することにした



それから数分後

西野原電機、店内にて……


「なるほど、つまりこの店を潰したいから、潰せるくらいのネタを投下してくれ……ということで間違いないですね」


宇土から説明を聞くと、和倉は確認のためそう聞いた


「えぇ、つまりはそういうことです。なので宜しくお願いします」


宇土はそう言うと深々と頭を下げた。すると和倉は横にいる才所にこう聞いた


「どこにやるのが良いと思う?」


和倉がそう聞くと、才所は手を口に当てて考え始めた。そして手を当てたまま「天井裏とかどうですか?」と言った


「うん。それが良いね。逆にそこじゃないと違和感すら感じるからね」


和倉はそう言うと持ってきた荷物の中から懐中電灯を取り出した


この『西野原電機強制捜査』は行われてからかなりの時間が経っていた。なので証拠となるものが分かりやすいところにあると、色々と疑われる可能性があった


なので和倉と才所は、見つかりにくい場所に証拠となるものを置くことで、その物の発見が遅くても違和感がないようにしようとした……



「あそこから入れそうだね」


和倉は天井を見るとそう言った。和倉の指差す天井は配線などの工事で使われるもので、開けようと思えば誰でも開けられるものだった


「そこにある台に乗れば届きそうですし、行けそうですね」


才所はそう言うと荷物を床に置いた。そして証拠の捏造に使うための道具を取り出した



「さて、じゃあやろうか」


和倉はそう言うとレジが乗ってある台に足を乗せた。そして天井にある板を外し、天井裏に懐中電灯を突っ込んだ


「やはり埃が酷いな」


和倉は天井裏に顔を突っ込むとそう言った


和倉は仕事の都合上、天井裏に顔を何回か突っ込んだことがあった。なのでその時の経験をいかし、マスクをつけていた。けれども天井裏はそうそう人が手をいれないため、かなり汚れていた


「それじゃあどこにやろうか……」


和倉はボソッと言うと天井裏を見回した。すると手の届きそうな範囲に何かがあるのが見えた。なので和倉は才所に「何かあるな」と言った


すると才所は「取れるものですか?」と聞いた。なので和倉は「あぁ、取るから受け取って」と言った


「はい」


和倉は顔を天井裏に突っ込んだまま、天井裏にあった何かを才所に渡した。才所はそれを受け取ると、和倉にこう言った


「黒色のビニール袋ですね」


才所はそう言いながらビニール袋の中身を確認しようとした。けれど、そのビニール袋はガムテープでぐるぐる巻きにされており、ガムテープを外さないと中身が見れないようになっていた……



神尾輝昌かみおてるまさ


一等ゾンビ対策佐官


武器……ショートソード

短剣

拳銃

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