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僕らはゾンビ対策官  作者: ソーダ
第四章 復帰
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#213 邪魔

次の日、午前十時

東京本部第二会議室……


「みんな集まってる?」


そう言って部屋に入ってきたのは宇土だった。すると扉の近くにある席に座っていた神尾は、宇土に「皆いるぞ」と言った


この第二会議室には『西野原電機強制捜査』に参加する神尾、林、小橋班と司令をする宇土司令部隊が集まっていた


「あれ?藍卯は?」


宇土は部屋の中を見るとそう言った。すると神尾はこう言った


「今日、アイツも来るのか?」


「えぇ、対策部の担当する『鷹野原不動産強制捜査』と『西野原電機強制捜査』は藍卯が作戦を立てることになっていまして……」


宇土はそう言った


十二月十三日、この日は四つの強制捜査が同時に行われる日だった。そしてその強制捜査のうち、二つを対策部が担当していた


「じゃあもう一つの方に出てるんじゃないか?」


『鷹野原不動産強制捜査』は対策1と芝司令隊が担当していた。なので神尾は、そっちの作戦会議に藍卯は出ているのではないかと思った。するとそんな神尾に米田がこう言った


「いえ、それはないです。対策1との作戦会議は明日と、飯島が言っていたので」


「飯島?」


米田にそう言われると、神尾はそう聞いた。するとその質問に対して宇土は「芝司令の部下です」と答えた


「あ、そう。じゃあ何で藍卯は来ないんだ?」


神尾は宇土と米田にそう言った。しかし二人も何故藍卯が作戦会議に来ないのか分からなかった。なので米田は適当に笑って誤魔化し始めた。するとそんな様子を部屋の隅から見ていた小橋は、宇土にこう言った


「では、テロの件で時間がかかっているのでは?今日、テロ予告に関する会議がありましたし」


小橋がそう言うと宇土は手を一回叩くと「それか!」と言った。そしてドアに寄りかかるとこう言った


「そう言えばそんな会議あったね。確か、それぞれの部の代表が参加するやつでしょ?」


宇土がそう聞くと、小橋は「そうです」と答えた


「だから遅いのか」


宇土はそう言うと、時間を確認するために会議室にある時計を見た。しかしその時計は電池が切れているらしく、九時をさした状態で止まっていた


「米田、今の時間分か……」


バンッ!


宇土が全て言い切る前にそれは起きた。突然会議室の扉が開くと、宇土は扉に寄りかかっていたため後ろに倒れていった


「ちょっ!宇土!」


米田は宇土が倒れていくとを見ると、そう言いながら宇土を掴もうとした。が、あと一歩の所で間に合わず宇土はそのまま倒れてしまった……



「大丈夫か?」


米田は宇土に近付くとそう言った。すると宇土は体を起こすとこう言った


「大丈夫じゃないけど大丈夫だ」


宇土はそう言うと立ち上がった。すると宇土の横で誰かが「何やってんだお前」と言った。なので宇土は横を見るとそこには藍卯がいた


「いや、色々あって」


「色々ってお前が扉に寄っ掛かってただけだろ」


藍卯はそう言うと会議室の中に入っていった


『あー、藍卯が開けたのね』


宇土は藍卯を見るとそう思った。そして自分も会議室に入ると、皆の前に立った


「これで全員いるね?」


宇土はそう言うと会議室の中を見回した。そして全員がいるのを確認するとこう言った


「それじゃあ作戦会議を始めようか。米田!」


宇土はそう言った。すると米田は部屋にある照明の一部を消した。そして宇土の後ろにある画面をつけた。するとその画面には建物の見取り図が映し出された


「これは西野原電機の見取り図だ」


宇土はそう言うと藍卯をチラッと見た。すると藍卯は懐から指示棒を取り出した。そしてその指示棒を伸ばすと今回の作戦を林達に説明し始めた……



東京本部、本部長室……


「それでは失礼します」


テロ対策1の秋好はそう言うと他の対策官と共に部屋から出ていった


この本部長室では数秒前までゾンビ愛護団体による『テロ予告』について話し合われていた。しかし藍卯が別件でこの場を離れたことにより、この話は一回中断にしていた


「仲野、少し良いか?」


そう言ったのは三ツ木だった。三ツ木は潜入捜査官をまとめている人物だった。なのでそれ関係の話でもあるのだろうと仲野は思った


「構わないよ。何かあったの?」


仲野はそう聞いた。すると三ツ木はこう言った


「情報管理課から資料が無くなった事件、覚えてる?」


「愛護団体総本部から回収したものを入れていた段ボールが二つ、無くなってたやつだろ?」


仲野はそう言った。すると三ツ木は頷くと仲野にこう言った


「悪いけど、その件の調査そろそろ打ち切りにしてくれないか?いくら調査部が動いていないとはいえ、情報管理課の人間がこちらを探ってきていて正直邪魔なんだ」


「分かった。この調査はやめるよう伝えておくよ」


仲野はそう言うと机の上に置いてあったメモ帳に何かを書き始めた


「それじゃあ頼むわ」


三ツ木はそう言うと部屋を出ようとした。しかし扉を開けると、部屋を出る前に仲野を見た。そしてこう言った


「それと、テロの件だけど防ぐのは無理かも知れない。下手に動かせば潜入捜査官が危ないし」


ゾンビ愛護団体では東京本部の潜入捜査官が何人か諜報任務をしていた。なので今回のテロがどのくらいの規模になるか三ツ木は知っていた


「分かった。テロについてはこっちで対策する」


仲野がそう言うと三ツ木は「頼むよ」と言い、部屋から出ていった……


小見山壮人こみやままさと


一等ゾンビ対策官


常備武器……拳銃

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