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僕らはゾンビ対策官  作者: ソーダ
第四章 復帰
231/347

#210 関係

「及川、返すよ」


榎本はそう言うと及川に資料を差し出した。なので及川は資料を受け取ると「どうでしたか?」と聞いた。するも榎本は自分の椅子に座るとこう言った


「動きなし。それを見る限り怪しい動きはしてないらしい」


榎本はそう言うと椅子の背もたれに腕を乗せ、及川を見た


「そういえば、あちらの方も言ってました。今回はやけに静かだ……と」


元町は顎に手を当てながらそう言った

潜入捜査官のサポートはほとんど元町がやっていた。なので元町は潜入捜査官から色々な話を聞いていた


「確かにここ最近トランプの名前聞きませんしね」


「まぁここ最近は愛護団体が暴れてますから仕方ないですね。一応裏では色々とあるみたいですが」


突然榎本の後ろからそんな声が聞こえた。なので榎本は後ろを向くと、そこには川瀬がいた


「あ、川瀬いたの」


榎本は川瀬を見るとそう言った


「えぇ。いまテロ対策1との話を終えて戻ってきたところです」


川瀬はそう言うとテロ対策1との話し合いで使った資料を榎本に見せた


「そう言えばテロ対策1と合同捜査してるのか。すっかり忘れてたわ」


榎本はそう言いながら頭をかいた。するとそんな榎本に川瀬は「忘れないで下さいよ。こっちも色々とヤバいことしてるので」と言うと、川瀬は自分の椅子に座った


現在、情報管理課はテロ対策1と合同捜査をしていた。そしてその捜査先というのは『ゾンビ愛護団体総本部』だった。厳密に言うとゾンビ愛護団体総本部は先の強制捜査により解散したことになっているので、正しくは『ゾンビ愛護団体総本部の財布探し』であるがその合同捜査に関わっている対策官は皆『ゾンビ愛護団体総本部』の調査だと言っていた



「それで、そちらはどうなっていますか?」


そう聞いたのは及川だった。なので川瀬はこう言った


「順調ですね。何しろ既に分かっている資金源は全て強制捜査の予定が入りましたから」


川瀬はそう言うとテロ対策1との会話で使った資料を机の上に出し始めた


「ねぇ、誰かその強制捜査の担当覚えている?」


榎本は及川、元町、川瀬にそう聞いた。すると元町は手帳を取り出すとこう言った


「マル食品を捜査1、西野原電機を対策2、鷹野原不動産を対策1、そして七手観光を特殊部と六王子基地が担当です」


現在、ゾンビ愛護団体の資金源であると判明している会社は四つ。その全てが十二月十三日に行われることになっていた


「ありがとう」


榎本はそう言うと立ち上がった。そして部屋を出ようとした。するとそんな榎本に川瀬はこう言った


「榎本さんどちらへ?」


川瀬がそう聞くと榎本は足を止め、川瀬を見るとこう言った


「本部長の所に。色々と話してくる」


榎本はそう言うと部屋を出ていってしまった……


「それじゃあそろそろ仕事に戻りましょうか」


及川がそう言うと川瀬と元町は「はい」と言い、作業をし始めた


対策4、情報管理課はゾンビ愛護団体によるテロ予告があった日以降、仕事が山のように入っていた。なので及川達は少しでもその仕事を終わらせようと、その後は話すことなく作業に没頭していた……



東京本部、対策2専用室……


「んで、榎本は何て?」


そう言ったのは冨沢だった。冨沢は林に、榎本と何の話をしていたのか聞き出そうとしていた。しかし林は「機密情報だから」としか言わず、それ以上のことは教えてくれなかった


「ほんとケチだな。どうせ榎本の事なんだから大したことじゃないでしょ」


冨沢は林にそう言うと、今度は小牧に向かって「ね!」と同意を求めた。しかし小牧は榎本と会話をしたことはあるものの、どういう人なのか詳しく知らなかった。なので小牧は適当に笑って誤魔化した


「ほら、小牧も知りたいって言ってるじゃん」


冨沢は林にそう言った。もちろんそれに関しては小牧も『そんなこと言った覚えはないんだけどなぁ』と思っていた。しかしそれに関しては林も分かっているため、小牧は特に突っ込んだりしなかった


「さっきから何度も言ってるけど、機密情報だから……」


林がそう言ったときだった。突然冨沢のスマートフォンから着信音がした。なので冨沢はスマートフォンを手に持つと席を離れた


「はぁ、機密情報だから教えられないって何回言えばいいのやら……」


林は溜め息をつくとそう言った。するとそんな林に中鈴は「林二佐は優しすぎるんですよ」と言った。しかし林にはどこが優しいのか分からなかったため「え?」と言った。すると中鈴はそれについてこう言った


「そのままですよ。もっとズバッと切ればいいんですよ。でないと林二佐、いつか病みますよ」


「いや、それだと何か嫌なんだよね。ほら、切るのは簡単だけど戻るのは難しいって言うじゃん」


林は作業を中断し、手を組みながらそう言った。すると今度は小牧がこう言った


「大いに分かります。今の関係が壊れるのが怖いってやつですね」


小牧も林と同じように手を組みながらそう言った。するとそんな小牧の肩に突然誰かが手を置いた


『冨沢さんかな?』


小牧はそう思ったものの、確認のため後ろを向いた。しかしそこには冨沢ではなく、小橋班の星水がいた……



園部千紘そのべちひろ


中等管理官(作戦立案官)


常備武器……拳銃

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