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僕らはゾンビ対策官  作者: ソーダ
第四章 復帰
222/347

#201 発見

「腕?どっちの?」


宇土は屋島にそう聞いた。けれど林班からは見つかった腕が人のものかゾンビのものか分からないと報告されていた


「そこは分からないそうです」


屋島がそう言うと、宇土は「そうか……」といい、モニターの操作をした。そして林班のボディーカメラの映像を映した


「報告によると、ビニール袋に入っていたそうです。頼んで中身映してもらいますか?」


屋島は宇土にそう言った。するとそれに対して真っ先に反応したのは米田だった


「やめろ。絶対に!」


米田は見るからに焦っていた。するとそんな米田に宇土はこう言った


「そこまではいらない。米田が無理だろうし」


「分かりました」


屋島はそう言うと他の作業をし始めた


「米田はそれくらいも見れないの?」


宇土は米田にそう言った。すると米田は顔をこわばらせながらこう言った


「そもそも何で死体なんて見れるわけよ。悪趣味だろ」


「いや、趣味じゃないっすね」


油井は米田にそう突っ込んだ。すると米田に宇土はこう言った


「まぁ米田は仕方ない。予備対策官の頃から司令官になるための仕事しかやってこなかったんだしね」


宇土司令部隊には五人の司令官がいる。しかしその五人中、米田を除く四人は元々司令官を目指していなかった


宇土は対策部、堤と油井は警備部、屋島は捜査部で働いていた。しかしこの四人はそれぞれの事情からその仕事をやめ、司令官になっていた


なので米田を除く四人はグロ耐性がしっかりとついていた。けれど米田はゾンビと戦ったことがないため、大量の血を見るという時点でアウトだった


「でも米田さん、東京駅攻防戦の映像見てませんでしたっけ?」


そう言ったのは油井だった。東京駅攻防戦は宇土司令部隊が指揮を取っていた。なので当然のことながら、東京駅に設置されている監視カメラの映像は作戦司令車で見ることができた


「確かに見てましたね」


そう言ったのは堤だった。堤は東京駅攻防戦のときに、米田が監視カメラの映像を見ながら実況ぽいことをしていたのを覚えていた


「別にゾンビなら良いんだよ。ゾンビは!けど人は無理。No!」


米田はそう言った


『ゾンビも元は人間なんだけどなぁ』


と油井は思った



ピーピー!


突然どこかの班が無線を繋げようとしてきた。すると堤は「自分が取ります」と言うと無線を繋げ、対応し始めた


「油井もそろそろ仕事に戻るよ。雑談は後だ」


「了解」


油井はそう言うと、ボディーカメラで撮られた映像を見始めた。これでいつも通り仕事ができる。宇土はそう思いながら監視カメラの映像を見た。しかし堤が宇土にこう言ってきた


「宇土司令、染井班がゾンビ菌だと思われる液体を見つけたそうです」


宇土はそれを聞くと「え?」と言ってしまった。宇土は潜入捜査官によって、証拠となる何かが残されているのは知っていた。しかし証拠となる物が三つも出てくるとは思っておらず、何が起きているのか分からなくなっていた


するとそんな宇土に屋島がこう言った


「沢本班が爆弾を見つけたとの報告がありまして……」


「はい?ボム?」


宇土は屋島にそう聞いた。すると屋島は「そうです」と言った


「とりあえず全対策官を避難させろ!」


宇土は部下達にそう指示を出した。すると部下達は「了解」といい、各班に作戦中止の連絡をし始めた


部下達が慌てて無線機を使っているなか宇土はどうしたらいいか悩んでいた。ゾンビ殲滅局は元々ゾンビと戦うために出来た組織だ。なので爆弾を解除できる人間などいなかった


「これはさすがに警察の出番かな」


宇土はそう言うと作戦司令車に取り付けてある固定電話を取った。そして爆弾のことを通報し始めた……



東京本部、副本部長室……


「三ツ木は居るか?」


そう言って副本部長室の扉を開けたのは、テロ対策課の秋好だった。そしてその秋好の後ろには仲野がいた。この二人は宇土からの連絡により爆弾のことを知っていた。なので二人は焦っていた


「どうしたの?」


三ツ木は二人を見ると呑気にそう言った。しかし秋好は慌ててこう聞いた


「三ツ木、お前ら羽町店に何をした?」


秋好は三ツ木の肩を掴みながらそう聞いた。すると三ツ木は「サブマシンガンと拳銃二丁置いた。それだけだけど何か?」と言った


「じゃああれって……」


秋好はそう言うと仲野の顔を見た。そのとき仲野は『ヤバい』と思った


「あれって何の話?」


三ツ木は意味が分からず二人にそう聞いた。そのときの三ツ木の顔を見るからに、どうやら本当に爆弾のことは知らないようだった。なので仲野は三ツ木に爆弾が見つかったことを話した


「爆弾ってどういうことだ?少なくとも我々じゃないが……」


爆弾についての話を知ると三ツ木はそう言った。はじめ爆弾について報告を受けたときは、これが潜入捜査官によるものでありますようにと祈ったほどだった。しかしこれで爆弾はゾンビ愛護団体の仕掛けたものだと分かった


「仲野、これどうするんだ?」


秋好がそう質問すると、仲野は悩みながらこう言った


「まずは警察に爆弾を何とかしてもらわないと……それまで対策官は避難かな」



三ツ木博信みつぎひろのぶ


潜入捜査官


武器……拳銃

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