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僕らはゾンビ対策官  作者: ソーダ
第四章 復帰
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#196 気合い

それから数十分後、対策2専用室……


ガチャッ!


突然扉が開くと中に宇土が入ってきた。宇土は扉の前にたむろっている大勢の対策官を見ると「何があったの?」と聞いた。すると宇土が来たことに気付いた米田がこう質問した


「宇土!何の話してたの?」


米田がそう言うと他の対策官も宇土を見た。しかし先程本部長室で話していたことは、秘密にしなければならなかった。なので宇土はこう言った


「悪いけど秘密。調査が終わるまでは話せない」


「そこを何とかならない?」


米田はそう頼んだ。しかし宇土は「無理」と断った


「まぁ仕方ない。調査が終わるまで待つしかないな」


佐瀬はそう言うとA班専用スペースに戻っていった


「今米田使ってます?」


宇土が神尾にそう聞いた。しかし神尾達はあくまで米田の話を聞いていただけであり、自分達の仕事とは何の関係もなかった


「いや、雑談してただけだ」


「そうですか。じゃあ米田行くよ」


宇土はそう言うと扉を再び開けた。そして「それでは……」というと部屋を出ていった


「それでは何かあったらまた来るんで」


米田はそう言うと宇土の後を追って部屋を出ていった



パンパンッ!


突然手を叩く音が聞こえた。するとその音がしてすぐに川中が皆にこう言った


「それじゃあ皆仕事に戻れ!休憩は終わりだ」


そう言うと扉の前でたむろっていた対策官達がそれぞれの専用スペースへと戻っていった……



「んで、何を話してきたの?」


米田は宇土の横を歩きながらそう質問した


「言わないよ。その時が来るまでは……」


「ふ~ん。結構ヤバいやつなんだね」


宇土の返事を聞くと米田はそう言った


米田は普段から、宇土が本部長室から戻ってきたときに何を話していたのか聞いていた。もちろんその時も何を話していたかについては教えてくれなかったが、「明日には言われるよ」や「後でな」とは言ってくれた


けれど今回はそのような言葉がなく、いつ内容を言うのかすら教えてくれなかった。なので米田はそれ以上この事について問わないことにした


「そういえば明日の用意できてる?」


「明日?」


米田が何のことだか分からずそう言うと、宇土は呆れたようにこう言った


「明日の強制捜査のやつだよ」


宇土がそう言うと米田は思い出したらしくこう言った


「あー!スーパーLIVのやつね。羽町の!」


米田はそう言うと階段を下り始めた


対策3専用室は対策2専用室の一つ下にあった。なので対策2に用事があるときは、いつもこの階段を使っていた


「それ。今回の捜査は人が足りなくてヤバそうなんだよなぁ……」


宇土は強制捜査に神尾班と林班が加わったことを知らないためそう言った。なので米田はその事を知らない宇土に、鏡谷が対策2専用室に来たことを伝えた


「なら大丈夫。明日の九時頃に作戦会議を行うから会議室の確保頼むよ」


「分かったよ」


米田はそう言うと何処かに行ってしまった……


『スーパーマーケットLIV 羽町店強制捜査』

この作戦は別に大きな作戦ではなく、せいぜい中規模のものだった。なのでこの作戦に参加する対策官、司令官はいつも通りやろうと思っていた


が、この作戦の主司令を務める宇土だけは違った。宇土は本部長室で羽町店での裏工作の話を聞いていた。なので羽町店で何かしらが出ることは知っており、いつもより気合いが入っていた……



東京本部、第二会議室……


「明日資金源を潰すんだろ?そしたらアイツらどうなるかね」


そう言ったのは藍卯だった


第二会議室には、少し前に本部長室にいた藍卯、榎本、柏木、園部、秋好、三ツ木がいた。ここにいる人達は本部長室で話していた話の続きをするために集まっていた


「何か行動を起こすんじゃないか?」


「もちろんその対策として、警備2、二鷹対策基地、六王子対策基地に見回りの強化を指示しておいたよ」


そう言ったのは柏木だった


対策基地……これは東京本部ではカバーしきれない地域の安全を守るために作られたものである。この基地には主に町の見回りをする警備課の人間が多く勤めており、見回りに使う車も沢山ある


東京都の安全は、東側が東京本部、中央が二鷹対策基地、西側が六王子対策基地によって守られていた……


「少なくともテロに関する情報は入ってませんので、あるとしたら小規模のものかな」


テロ対策部のトップである秋好がそう言った。すると三ツ木がこう言った


「潜入捜査官からは何も聞いてないけど、注意はしておいた方がいい。本部に銃を持ってきて発砲したやつだって突発的なものだったんだから」


三ツ木はそう言うと立ち上がった。なので藍卯はそんな三ツ木にこう質問した


「何処へ行く?」


そう聞くと三ツ木は「そろそろ仕事に戻るよ」と言うと部屋から出ていってしまった。確かに話始めてから数十分が経とうとしていた。藍卯は特にやることがないので良かったが、その他の人は仕事があった。なので榎本は皆にこう言った


「そろそろ解散にしませんか?」


すると柏木は時計を見るとこう言った


「そうだな。続きは話が進んでからで良いだろう」


柏木はそう言うと脱いでいた上着を着た


潜入捜査官の集めた情報によると、ゾンビ愛護団体は日本全国で同時にテロを起こそうと企んでいる。そして五つの都道府県に潜伏している団員は既に準備が完了している。今のところはここまでしか分からなかった……



秋好歴あきよしれき


一等ゾンビ対策佐官


常備武器……拳銃

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