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僕らはゾンビ対策官  作者: ソーダ
第四章 復帰
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#191 作業

今から二時間前、関東ゾンビ殺所場地下研究室……



「ここが忘れられていた地下研究室ですか……」


そう言ったのは墳本だった


墳本の所属する笛中班は蒔村の実験を手伝うために関東ゾンビ殺所場に来ていた。すると蒔村は笛中班の前に立つとこう言った


「それじゃあ解剖するから、もし拘束器具が外れたら殺してね」


蒔村はそう言うと地下研究室の電気をつけた。すると暗かった研究室は奥まではっきりと見えた


「は?まさかあれでやるのか?」


笛中は研究室の真ん中に置いてある台を見るとそう言った


「当然、あれじゃないと拘束器具はつけられないからね」


蒔村はそう言うと台に近寄った。その台には手錠や鎖などを使い、ゾンビをくくりつけていた。しかし問題はそこではなかった


「さすがに脆くないですかね?」


墳本はゾンビがくくりつけられている台を見るとそう言った。その台は木製で、いかにもこの研究室に長い間置いてありましたと言わんばかりのものだった


「蒔村、さすがに危険だ。せめて地上の研究室でやれば……」


「それじゃあやろうか」


蒔村は笛中の言うことを無視して、壁に立て掛けてある刀を手に取った。そしてゾンビの頭の地殻で刀を振り上げた


「いや、危な……」


バンッ!



笛中が注意する前に蒔村は刀を振り下ろした。するとゾンビの頭は二つに割れてしまった


「さて、作業開始」


蒔村はそう言うと使い捨て手袋をつけ、少し離れた位置にあった机から手術用のメスを持ってきた


「まさかそれで調べる気か?」


ゾンビの頭の中を調べようとしている蒔村に笛中はそう聞いた。すると蒔村は、斬ったときにこぼれたゾンビの脳味噌を調べながらこう言った


「当然。一応ゾンビは殺さないようにしてるから何かあっとら頼むよ」


蒔村はそう言うとメスとライトを上手く使いながら、ゾンビの頭を調べ始めた


笛中は別にこれが一体だけなら問題なかった。しかし蒔村はこの作業を見つかるまでやると言っていた。なので笛中は早く目的の物を見つけてくれと、神頼みしたい気分だった


「笛中班長、この作業は一体何の意味があるんでしょうね」


墳本は笛中にそう聞いた。しかしその意味を研究員でない笛中が知るわけがなかった


「さぁな。とりあえず俺達は蒔村の作業が終わるまでここにいればいい」


笛中はそう言うと、ゾンビが暴れたときように持っていたナイフをしまった。そして壁に寄りかかった


「誰かコイツ殺してくれる?」


蒔村は笛中班を見てそう言った。どうやらこのゾンビの調査は終わったようだ。なので邪魔なので殺して処分してほしいらしい


「殺ってくる」


風戸はそう言うと剣を抜いた。そしてゾンビの縛られている台にゆっくりと近付いた


グチャッ!


風戸はゾンビの喉に剣を刺して殺した。その様子を笛中は少し離れた場所から見ていたが、蒔村の作業していた台は血こそないものの、肉片があちらこちらに転がって、何ともいえない場所になっていた


「笛中、新しいゾンビを連れてきてくれない?」


蒔村に突然そう頼まれると笛中は一瞬固まってしまった。しかし蒔村の言っていることを理解すると、すぐにこう言った


「資料取って来て感覚でいうなよ。連れてくるけどさ」


「まぁ良いじゃん。私から見ればゾンビは資料みたいな物なんだし」


蒔村がそう言うと笛中は、風戸を残して地上にある監獄棟へと向かった。果たしてこの作業を何回しなくてはならないのだろうか


このとき笛中はそう思っていたが、この作業は比較的早く終わった。何故なら結果が出たからだ……



実験開始から五十分後……


蒔村は開始から五十分で三体のゾンビの頭を調べ終えていた。しかし三体目のゾンビは前に切った二体のゾンビとは違い、頭から「制御装置」が出てきた


「制御装置発見!今日はこれで終わりで!」


『今日はってことは、他の日にまだやるのか?』


笛中はそんな事を思っていたが、蒔村は気にせずに見つけた制御装置をビニール袋に入れていた


そのときだった。突然蒔村と笛中班のいる地下研究室の扉が開いた。笛中は誰が来たのか確認するために入り口を見ると、そこには白衣を着た女性がいた


「実験用に用意していたゾンビが暴れてます!」


「分かった。場所は監獄棟一階で良いんだよな?」


笛中はその女性にそう聞いた。すると女性は頷き、こう言った


「はい。監獄棟内にいる予備対策官が対処しようとしてますが、ちょっと……」


女性がそう言うと笛中はナイフを取り出した。そして後ろにいる部下達にこう言った


「全員行くよ」


笛中はそう言うと扉を開け、階段を駆け上がっていった。この階段は長い間使われていなかっただけあり、誇りが溜まっていたり、欠けていたりしていた……


「佐倉、上で何があったの?」


蒔村は白衣を来ている女性にそう聞いた


「先程突然ゾンビが暴れ始め、用意していたゾンビが逃げ出しまして…… ただ監獄棟内を逃げ回っているようなので、外は大丈夫です」


「ふ~ん。コイツのせいかな?」


蒔村はボソッとそう言った。そのとき蒔村は先程解剖したゾンビから出てきた制御装置を見ていた……



佐倉渚月さくらなつき


医官(関東ゾンビ殺所場勤務)


武器……拳銃

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