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僕らはゾンビ対策官  作者: ソーダ
第四章 復帰
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#188 暇

午前九時……


「さて、何をすべきか……」


小牧は立ち上がるとそう言った。しかし部屋の掃除もいつもより念入りにやったり、その他の事も全て済ませてしまったため特にやることがなかった


『さすがに一日中ボーっとしてるのも嫌だしなぁ』


小牧はそう思うと本棚に並んでいる本を見た。しかしそこにある本は全て何回も読んでいるため、内容をしっかりと覚えていた。さすがに同じ本を何回も読む気にもなれず、小牧は本棚から離れた


しかし本棚から離れたところで他にやることはなかった。さすがに布団の中で一日を過ごすのはどうかと思い、小牧は隣の部屋に移動した。その部屋にはパソコンが置いてあり、そこそこ性能の良いものを買ったため大体のことはできた


『てか何でゲームとかやらないのにこんなパソコン買ったんだ?』


小牧はそう思いながらもパソコンを立ち上げた



ピンポーンッ!


部屋の中にそんな音が聞こえた。なので小牧は玄関へと向かった。そして鍵を開け、扉を開けた。するといつも聞いている声が聞こえてきた


「ハロー小牧」


そう言ったのは冨沢だった。冨沢は休日になる度に小牧の家に来ていた。なので小牧も冨沢の追い返しかたは分かっていた


「お帰りください」


小牧はそう言うと扉を閉めようとした。が、扉は柔らかい何かに当たり閉まらなかった。なので小牧は扉に当たった柔らかい物を探そうと、扉の下を見た。するとそこには冨沢の足が出ており、扉が閉まるのを防がれていた


「受信料~、払え~」


冨沢は扉を無理やり手で開けながらそう言った


「そのネタはアウトです。お帰り下さい」


小牧も負けずと扉を閉めようとした。その時だった。突然誰かがこう言った


「何してるのですか?冨沢さん」


冨沢はそう言われると扉から手を離した。この隙に扉を閉めることはできたが、冨沢に誰が話しかけたのか気になったため小牧は扉を開けた


「小牧が中に入れてくれなくてさ。強行突破しようかと思って」


冨沢はそう言った。小牧は誰に行ってるのだろうと思い、扉がが見ている方向に顔を出した


「佐伯さん?」


そこには同じ班の佐伯と小牧の知らない女性がいた


「まぁ立ち話もあれだし中に入りな」


冨沢はそう言うと小牧の押さえていた扉を開けた。小牧は家の中に入れたくなかったものの、冨沢がそう言ってしまったからには断るのも申し訳ない。なので渋々「どうぞ」と言った


「失礼するぞ」


冨沢はそう言うと靴を脱ぎ、部屋の中に入った。部屋の中は暇潰しで掃除していただけあってとても綺麗だった


「相変わらず綺麗すぎる部屋だな。汚したくなるわ」


冨沢はそう言うと近くにあった椅子に座った。そして持ってきた荷物を漁り始めた


「小牧、ちょっといい?」


佐伯は手招きしながらそう言った。なので小牧は何だろうと思いながらも佐伯の後を追った。すると佐伯は玄関の扉を開けた


「初めまして!早坂と申します!宜しくお願いします!」


小牧は突然見知らぬ女性にそう言われた。相手が自分の知っている人なら対応できたが、その女性は勤務中の時を含め見たことがなかった


「えっと?」


小牧は困って佐伯を見た。すると佐伯はその早坂と名乗る女性の横に移動し、こう言った


「早坂沙奈って名前聞いたことない?」


佐伯にそう言われたので聞いたことがないか思い出そうとしてみたものの、無理だった。すると早坂は小牧にこう言った


「一応蓮より長かったはずなんだけどなぁ……」


早坂はそう言った。すると早坂の隣にいた佐伯はこう言った


「それじゃあこの辺で行くわ。答えは明日ということで」


「あ、うん」


小牧が困りつつもそう頷くと佐伯は早坂の肩を掴みどこかに行ってしまった。結局小牧は早坂とどこでであったのだろうか。その答えは明日になってしまった


「まぁいっか」


覚えていないということは多分そこまで大切なことではない。そう考えた小牧はとりあえずこの事を明日まで忘れることにした。そしてどうやって冨沢を家から追い出すか考えることにした



ガチャッ!


小牧は部屋の扉を開けた。すると和室で横になりながら漫画を読んでいる冨沢が目に入った


「ねぇ、これの五巻ない?」


冨沢は漫画本を小牧に見せながらそう言った。なので小牧は本棚に近寄った。しかし冨沢の読んでいる漫画の五巻は入ってなかった


「すみません。多分途中で買わなくなったのかと……」


「なら仕方ない。ちょっと買ってくるわ」


冨沢はそう言うと立ち上がった。そして部屋から出ていった


「荷物忘れてますよ」


部屋のすみに置いてあった冨沢の荷物を見るとそう言った。すると冨沢は靴を履きながらこう答えた


「大丈夫、財布は持ったから」


冨沢はそう言うと外に出ていってしまった


『あくまで戻ってくるのか……』


小牧はそう思いながら部屋の中に戻った。今日は休日のため小牧は特にやることがなかった。なので冨沢を追い返す理由もないかなぁと思い始めた


「まぁ時間になったら帰るか」


小牧はボソッと言うと畳に置かれた漫画を見た。畳の上には冨沢の出した漫画が数十冊置かれていた……




佐伯蓮さえきれん


二等ゾンビ対策官


武器……拳銃

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