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僕らはゾンビ対策官  作者: ソーダ
第四章 復帰
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#186 解散

東京本部、対策2専用室……


「お疲れ様、林」


林が対策2専用室の扉を開けると突然榎本にそう言われた。林は何故この部屋に榎本がいるのか、そして何の用で話しかけたのか聞きたかった。が、榎本と話すとなると長くなるため後ろにいた小牧と水瀬班の三人にこう言った


「小牧は片付けたら帰っていい。三人はありがとう。解散で」


林はそう言うとサブマシンガンを机の上に置いてあったアタッシュケースにしまった。そして榎本と一緒にどこかへ行ってしまった


「それじゃあ私達はこれから仕事あるから」


「あ、はい。お疲れ様です」


小牧がそう言うと水瀬班の三人は自分達のスペースへと行ってしまった。なので林班専用スペースには一人だけになってしまった


ガチャッ!


小牧はロッカーを開け、中からアタッシュケースを取り出した。そしてそのアタッシュケースの中にサブマシンガンと交換用のマガジンをしまった


『何やかんやで使わなかったな』


小牧はそう思いながら蓋を閉じた


東京本部の対策課にはサブマシンガンが配備されている。といってもこれらのサブマシンガンは通常の任務では使うことはない。通常の任務では所持している近接武器で対応できるし、今回のような対人戦では特殊部隊が前に出る。なのでよほどの事がない限り対策部の人間がサブマシンガンを発砲することはなかった


「今の時間は……」


小牧はそう言うと時計を見た。現在の時刻は0時。小牧の最寄り駅まで行く列車が無くなるまであと二十分だった


「急がないと」


小牧はボソッというとアタッシュケースをロッカーにしまい、鍵をかけた。そしてその鍵を自分の机の中にしまった。東京本部から駅までは走って五分ほどかかる。なのでまだ時間があるといえばあった……



対策4、情報管理部専用室……


榎本はこの部屋の中に林を入らせた。林は廊下で話すつもりでいたため、少し困りながらもその部屋に入った


「それじゃあ話そうか」


榎本はそう言うと近くにあった椅子を引っ張ってきて林に「座りな」といって渡した


「話って何だ?あまり長いと帰れなくなるから短めに頼むよ」


林はそう言いながら榎本の用意した椅子に座った。すると榎本は近くの机にあった電気ポットに水を入れ、スイッチを入れた


「話って気付いてなかったの?あの時おかしな事言ったのに」


榎本にそう言われたものの、林自身おかしな発言をしたかどうか心当たりがなかった。すると榎本はどこからかコップを取り出すとこう言った


「作戦前に会議室で会ったろ?そのとき俺、『事件とかじゃない』って言ったよね」


「榎本の発言か。てっきり自分の発言かと思ったわ」


「それでその事件じゃない方の話について……知りたい?」


榎本は何かをしながら林に聞いた。しかし榎本は秘密にされている情報も扱う情報管理部のリーダーだ。なので漏らしてはいけない情報も当然知っている。そして榎本の性格からして果たしてその情報を聞いても良いのか不安だった


「漏らしたらヤバイ系の情報じゃないなら知りたいかな」


林はそう言った。すると榎本は先ほど用意したコップにお湯を入れた。そしてそのコップを林に渡しながらこう言った


「大丈夫。近日中に隊長、班長のみに伝わる情報だから」


榎本はそう言うと持っていた自分用のコップを机に置いた。そして変わりにポケットから手帳を取り出した


「このページだけ見ていいよ」


榎本はそう言うと手帳を見せた。そこには十二個の数学記号が並んでいた。そしてその一部の数学記号の横には丸印とバツ印がつけられていた


「これは?」


「これは当局の潜入捜査官が命懸けで調べた敵のコードネームさ。偉さでいうとトランプの奴等より上だね」


榎本はそう言うと手帳を閉じた


「だけどこんなコードネーム聞いたことないけど……」


林は過去の資料を思い出しながらそう言った。林の見てきた資料には『エース、デュース』といったトランプから取られたコードネームは何回も見てきた。しかし手帳に書いてあったような『シータ、ナブラ』といった数学記号は一度も見たことがなかった


「そりゃあ当然だよ。コイツらは裏の人間だから……」


榎本はそう言うと黙ってしまった。どうしたのかと林が心配そうに見ていると榎本はこう言った


「ここから先は言えないわ。聞かなかったことにして」


榎本はそう言った。多分「コイツらは裏の人間だから」という部分だろう。といっても榎本が口を滑らせるのはいつものことだ。そして聞かなかったことにするという行為自体林はなれていた


「はいはい。何も聞いてないよ」


林はそう言うとコーヒーを飲んだ


「ヤバい。これは怒られる」


榎本がボソッ言ったときだった。突然林の後ろで足音がした。なので後ろを見ると、そこには情報管理課の二番手である及川がいた


「少し向こうでお話しませんか?」


及川はそう言うと榎本の答えを待たずに奥の部屋へと強引に連れていった


「林、あとは頼んだ」


榎本はそう言うと奥の部屋に入れられ、扉が閉められた。林は何を頼まれたのか分からなかったが、いつもの茶番だと思い帰ることにした


それにしても何故仲野は機密情報を扱う情報管理課の長を榎本にしたのだろうか?そこが未だに不思議だった




及川咲絢おいかわさあや


中等製作官


武器……拳銃

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