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僕らはゾンビ対策官  作者: ソーダ
第四章 復帰
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#185 押収

ゾンビ愛護団体本部一階……


「なかなか酷いことになってるな」


そう言ったのは宇土だった。宇土は特殊部隊から全ての階、及び部屋を制圧したとの連絡を受けたため、現場を見に作戦司令車から下りてきたのだ


「話によると三階がヤバいらしいよ。あまりのグロさに柚木が二階に戻ったみたいだし」


「あっそう。じゃあ三階に行ってみようかな……というより何でついてきた?」


宇土は後ろにいる米田にそう言った。すると米田は宇土にこう言った


「暇だったから」


「いや、本部への報告とか頼んだでしょ」


宇土はすぐにそう言い返した。しかし米田は慌てることなくこう言った


「三人に任せたから大丈夫。たいして量じゃないし」


米田はそう言いながら宇土の後を追って歩いた。宇土は呆れながらも、いつもの事だと思い気にせず三階を目指し階段を登り始めた。すると二階につくと宇土は思わず手で口と鼻を押さえてしまった


「なんだこの臭いは?ガソリンか?」


宇土はそう言うと辺りを見回した。すると床や階段に液体がこぼれていることに気がついた。その液体はよく見てみると粉々になったガラスが混ざっていた


「これが火炎瓶だと思うよ。そっちに消火器とか転がってたし」


米田はそう言うと二階の廊下を指差した。宇土がその方向を見るとそこには消火器が転がっており、一部の床に大量の消火剤がまかれていた


「多分それが引火したってやつだろ。特殊部隊の一人が火炎瓶で重症っていう連絡きたし」


宇土はそう言うと階段を登っていった。そして三階についた。しかし三階は報告されたものとは違い、床に血は垂れているのの死体は転がっていなかった


「宇土じゃねーか。どうしたんだ?」


そう言ったのは有川だった


「現場の状況を見に来ただけだよ。それより死体はどうしたんだ?報告では死体が転がってるって言ってたけど」


宇土は有川にそう聞いた。すると有川は横にあったドアノブを掴んだ。そして扉を開けながらこう言った


「ここだ」


その部屋の中は想像していたより酷いことになっていた。その部屋は外から見る限り特に物品は置いていないように見えたが、床には無惨にも死体が転がっていて足の踏み場がなかった


「これは酷いな」


米田はそう言うと部屋の中を覗きこんだ


「この死体、廊下に転がってて足の踏み場がないからここに移したよ」


有川はその死体についてそう説明した。どうやら有川達は廊下から死体を移動させたあと、床を掃除したようだ。でなければこんな血だらけの死体が転がっていた廊下がこんなに綺麗なわけなかった


「移動については把握した。それより何か出たか?」


「あぁ、二階の武器庫にゾンビの死骸があったらしいぞ。それと制御装置とかも」


「だいぶ美味しいもの取れたのね。それじゃあ後は宜しく」


宇土はそう言うと階段を下りていった。この後の作業は対策2と予備対策官の仕事のため、司令官である宇土達にはもうやる仕事はなかった。なので宇土達は本部へ戻ることになった


「有川特官、全ての部屋を確認したものの、関係ありそうな資料はありませんでした」


そう言ったのは柚木の部下の乃木だった


「分かった。一応全ての資料を押収するぞ」


「了解」


乃木はそう言うと新しい段ボール箱を取りに一階へ駆け出した



これにて「ゾンビ愛護団体本部強制捜査」終了となった。このあと対策2の対策官達は各班が持っている仕事が終わり次第本部に戻ることになっている……



ゾンビ愛護団体本部二階、武器庫……


「林班……じゃなかった。水瀬班と染井班は戻っていいよ。あとは俺達がやるから」


そう言ったのは笛中だった。笛中は武器庫にある棚を開けていき、しまってある銃を床に投げ捨てていた


「了解です」


林はそう言うと武器庫から出ていった。小牧も遅れをとらないよう慌てて部屋から出た


「しかしあのゾンビは何だったんでしょうね」


そう言ったのは小牧だった。ゾンビの死骸は武器庫の棚から発見された。風戸の簡単な調査によるとゾンビ化して間もないものだと分かった。しかし何故あの場所にゾンビの死骸があったのかまでの理由は分かっていなかった


「さあな。俺はどっちかと言うと制御装置を持っていることのほうが衝撃的だな」


「制御装置については確実に何か分かりそうですね。あれはパッと見ただけですけど、状態が良かったので」


小牧の横にいた七尾がそう言った。ゾンビ菌と違い制御装置は見つかってから数ヶ月しか経っておらず、仕組みがほとんど分かっていなかった。なので今回見つかった制御装置を調べることで何か新しいことが分かるのでらないかという期待が少なからずあった


「何か分かったらこちらまで情報がくるはずだ。その時まで待とう」


林はそう言うと階段を降り始めた


今回の作戦はゾンビと戦う作戦ではなく、人と戦う作戦だった。なのでそれゆえに対策官側が受けた被害も大きかった。しかしこの作戦ではその被害よりも大きい物を押収出来たと考える林だった……



笛中叶多ふえなかかなた


二等ゾンビ対策佐官


武器……フォールディングナイフ

ダガーナイフ

特注の短刀

拳銃

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