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僕らはゾンビ対策官  作者: ソーダ
第四章 復帰
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#172 役場

東京都日の入町、日の入町役場……


「有川、林班は役場入口付近に車を停めたらすぐに中に入れ!その他の班も二班に続け!」


車両に取り付けられている無線機からそう指示があった。小牧は今、冨沢の運転する車の中にいた。今回の作戦は「日の入町役場強制捜査」というものだった


「それにしても役場が奴等に絡んでいたとはね」


冨沢は運転しながら助手席に座っている小牧にそう言った


「金目当てで協力した…… 理由はこんなところですかね」


「多分な。ちょっと揺れるからどこかに掴まって」


冨沢はそう言うとハンドルを思いっきり切った。すると車は滑りながら役場の入口前で止まった。タイヤからは摩擦熱で白い煙っぽいものが出ていたが、冨沢は気にせず拳銃を取り出した


「行くよ!小牧は念のために槍を!」


「了解です」


小牧はそう答えると後ろの座席に置いてあった槍を取り、車から降りた。そして冨沢と共に役場の中に入った


「全員動くな!只今よりゾンビ殲滅局による捜査を行う。この建物にいる者は全員持ち物検査を受けてもらう!」


冨沢は役場に入るとそう言った。只今の時刻は午前十一時、一般市民も多くいるなか冨沢は躊躇するなく任務を実行していた


「どういうことだ?」


受付からそんな声が聞こえた。多分この役場の職員だろう。しかしわざわざその質問に答える必要はない。なので冨沢は拳銃を片手に持ちながらこう言った


「動くな!こちらの指示にしたがってもらう」


冨沢がそう言ったときだった。役場に有川班と林達が来た


「冨沢ありがとな。ここは任せて林班は例の場所へ」


「了解です。小牧、行くよ」


冨沢はそう言うと林達と合流した



この日の入役場には秘密があった。それはゾンビを守ろうとしているエース達と関わっているというものだ。潜入捜査官の話によるとこの日の入り役場の三階にある資料庫が奴等のアジトらしい。しかし何故日の入役場はわざわざ人類の敵である組織に協力したのか。それは財政難にあった


日の入役場は東京都とはいえ、ほとんどが山のため金が集まらなかった。しかも本来は貰えるはずの、国からの資金も大半がどこかに消えていて使える金がほとんどなかった。なのでエース達はそんな困り果てた日の入役場に大金と引き換えに協力を求めたらしい……



「ドーン!」


冨沢は資料庫の扉を蹴り破った。部屋の中は資料庫のはずなのに棚がほとんどなく、どちらかというと研究室と呼ぶのが相応しい部屋だった


「部屋に人が居ないか確認を急げ!」


林は班員にそう指示をすると隣の部屋に入っていった。それから林班はこの資料庫に人がいないか探し回った。しかしどんなに探しても誰もいなかった


「こりゃ逃げられたか?」


「多分な。だけど荷物を持ってくことは出来なかったみたいだし、これを調べれば何か分かるかも」


林はそう言うと机の上に置いてある薬品を見た。するとその薬品の近くに数枚の紙があるのに気がついた


「これは?」


林はそう言うと紙を手に取った。そしてその紙を見た。しかしその紙にはいわゆる専門用語がズラっと並んでおり、何て書いてあるのか分からなかった


「何じゃこれ。この意味分かるの?」


「いや、全然。本部に戻ったら榎本に調べてもらうしかないね」


林はそう言うとビニール袋を取り出した。そしてその紙をビニール袋にしまった


「林二佐、このダンボールに入れれば良いのですか?」


そう言ったのは佐伯だった。佐伯は折り畳まれているダンボールを床に置いた


「そうだよ。このダンボールの中に証拠になりそうな物を入れて」


林はそう言うと先ほどビニール袋にしまった謎の紙をダンボールの中に入れた


「机の上にあるものは全て入れて良いですか?」


「良いよ良いよ。後で取りに戻るよりそっちの方が楽だし」


冨沢はそう言うと机の上にあった紙やら実験器具をダンボールに詰めていった


パンッ!


林班がそんな平和な作業をしているときだった。突然どこからか一発の銃声が聞こえた。銃声がすると全員が作業をやめた


「今のは一体……」


「冨沢と佐伯、中鈴はここに残っていて!小牧は俺の後ろについてきて」


林はそう言うと手に持っていた物を机に置くと拳銃を持った


「冨沢、俺がいない間指揮を任せるよ」


林はそう言うと資料庫から飛び出した。そして廊下に出ると誰かいないか見た。しかしこの階には林班しか来ていないらしく、誰も見えなかった


「小牧、下に行くよ!」


「了解」


小牧の返事を聞くと林は階段を慎重に下りていった。すると二階に小橋と川中がいるのが見えた


「小橋、何があったんだ?」


林はすぐに小橋にそう聞いた。すると小橋は一番奥の部屋を指差しながらこう言った


「町長が拳銃自殺した」


「え?」


「銃口を口に加えて引き金引いたからさすがに無理。現場はかなり酷いことになってるけど見る?」


小橋はそう言った。拳銃で自殺する場合どのような手段を用いれば確実に死ねるのか。答えは口に咥えて発砲することだった


拳銃はアサルトライフル等と違い、直接こめかみに撃っても弾が貫通せず死なないことがある。なので口に加えて撃ったほうがほぼ確実に死ねるのだ。しかしそれゆえに自殺現場は酷いことになる


「いや、遠慮しておく。その自殺については警察が行うんだよね?」


「もちろん。俺達は死人の相手をするといっても腐ったやつ専門だからね」


小橋はそう言った。どうせ町長は責任追及から逃げるために自殺したのだろう。生きていても死ぬより辛い刑罰が待っているだけだろうし……


林はそんな事を考えながら冨沢達のいる三階へと戻り始めた。それから数時間後、対策官は全員無事でこの作戦は終了した……




林秀介はやししゅうすけ


二等ゾンビ対策佐官


武器……火炎剣

短剣

拳銃

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