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僕らはゾンビ対策官  作者: ソーダ
第三章 日々
187/347

#170 略語

次の日、東京本部対策2専用室……


「昨日警察の協力も得ながら探したんだけど、結局捕まらなかったよ。多分今頃東京から出てると思う」


そう言ったのは小橋だった。それを聞いている林の顔は真っ青だった。脱走した男を調べていたのは林班だ。なので今回の脱走事件で何か言われるのではないかと考えたのだった



ガチャッ!


「林、仲野さんが呼んでるから来て」


そう言ったのは宇土だった。宇土も林と同じように絶望に浸っていた。しかし宇土はあくまで脱走した男の捜索を指揮していただけなので、特に何も言われないだろう。それより問題なのは林の方だった


「悪い、本部長室に行ってくる」


林は部下達にそう言うと部屋から出ていってしまった。そんな元気のない林を見た冨沢はこう言った


「何で絶望って感じの顔になってんだ?」


冨沢は他人事のようにそう言った。いくら班長が責任を取るとしてもその班長の部下、つまり小牧達の今後にも影響するだろう。それなのに冨沢は呑気なものだ


「因みに今回の脱走事件、責任については全て林二佐にいくわけじゃないですよ。未然に防げなかった我々にも影響しますので」


中鈴は平然と言ったものの、話した内容はかなりインパクトのあるものだった


「ようするに支部送りにされてもおかしくないということですか?」


「まぁおかしくないだろう。むしろ支部送りにならないほうが凄いまである」


それを聞くと皆の頭の中には一つの単語が出てきた。その単語は『絶望』だった。せっかく馴染めてきた場所なのに…… せっかく正式に対策官になれたのに…… 緩い職場がなくなってしまう……

それぞれ考えていることは違えど、絶望ということには変わりなかった


「みんな絶望に浸ってないで仕事をしてください。色々と残ってるんで」


中鈴はそう言うと机の上に大量の資料を広げた。そしてその資料に目を通しながら、一部の文章に赤ペンを使い何かを書き始めた


『どうしてこの状況なのに中鈴さんはいつも通り仕事ができるんだろう……』


小牧はふとそう考えた。もしかしたら冨沢の変わりに自分が班をまとめなくてはいけないと思っているのかもしれない。しかしそれが本当かは分からない。なので小牧はそんな事を考えるのをやめ、仕事をやり始めた……



東京本部、本部長室……


「連れてきました」


宇土は本部長室に入ると仲野にそう言った。すると仲野は作業をやめ、立ち上がった。そして二人にこう言った


「次回の大規模作戦についてだけど、六王子市にある六王子山井病院で行う。詳しい理由などはこの資料を読んでくれ」


仲野はそう言うと二人に紙を渡した。その紙には小さな字で色々と書いてあった


「あの、呼び出したのってこれを伝えるためなのですか?」


林は仲野にそう聞いた。林はてっきり脱走事件の話だと思っていたのに、その話ではなくどのような反応をすればいいか困っていたのだ。すると仲野が林にこう言った


「そうだよ。二人には昨日この事を伝え忘れてしまったからね」


仲野はそう言うと席についた。どうやら仲野の用はこれで終わりのようだった。しかしこのまま部屋に戻るのもおかしな感じがしたので、林は仲野にこう質問した


「脱走事件の事については良いのですか?」


林がそう言うと仲野は少し間を空けてからこう言った


「良いって訳じゃないけど、人なんだから失敗はある。失敗を責めても結果は変わらない。だから次は失敗しないでねってだけの話」


仲野がそう言ったときだった。突然仲野の机の上に置いてあったスマートフォンが鳴った。なので仲野はすぐに電話に出た。しかし電話に出たものの、相手は何も話さなかった


「あれ?」


仲野は違和感に気付き画面を見た。画面を見ると電話はすでに切れていた。そして変わりに一通のメールが着ていた


「誰からだ?」


仲野はそう思いメールを開いた。そのメールは倉科からでこう書いてあった


『we'll arr in TYO on Dec 2. ofc I prep a gift.TT4N!.』


「ん?」


仲野はそれを見るとついそう言ってしまった。すると仲野のスマートフォンの画面を宇土が覗き込んできた。宇土はそのメールを見るとこう言った


「打ち間違えですか?」


宇土はそう言ったものの、そんな事は仲野にも分からなかった。しいて分かることといえば、これは自分では読むことができないということくらいだ。すると今度は林が覗き込んできた


「何か難しそうですね。少ししか理解できません」


「少し理解できたの?何て書いてあるの?」


宇土はすぐに林にそう言った。すると林は二人にこう言った


「私達は十二月二日に東京…… 私は…… ギフト…… 俺が分かるのはここまでです。どうやら略語のようですね」


「略語?倉科らしいな」


倉科はずいぶん前から新しいものを知るとすぐに使いたがる癖がある。どうせアメリカで働いている間に覚えたのだろう。とりあえずこのメールの内容は倉科と宗が帰ってきたら聞くとしよう……


仲野はそう考えるとスマートフォンをしまった……



第三章 日々 完結


第四章 復帰 へ続く


(詳しくは170.5にて)

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