表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕らはゾンビ対策官  作者: ソーダ
第三章 日々
183/347

#166 収容

次の日、午前九時

関東ゾンビ殺所場……


「ここが殺所?」


冨沢は車から降りるとそう言ってしまった


「酷いもんだな。第一監獄棟及び、地下危険生物独房が爆破されたとは聞いたがこんなに酷いとは……」


林は前を見るとそう言った。林達の前には少し前まで第一監獄棟があった。しかし今は建物の形など一切残っておらず、瓦礫だけが辺りに散らばっていた。そんな瓦礫を作業員の人が片付けていた……


「逆にこれだけで被害がすんで良かった方ですよ。第一監獄棟が爆破されたときは、他の建物も爆破するんじゃないかと皆ビクビクしてましたし」


そう言ったのは佐伯だった。この第一監獄棟が爆破されたとき、殺所にいた佐伯はそのときの様子をよく覚えていた


当時佐伯のいた第二監獄棟と爆破された第一監獄棟は中庭を挟んでいたため、第二監獄棟は倒壊しなかったものの、爆風により窓ガラスなどは割れてしまっていた。しかし今はもう元通りになっており、爆破事件があったということはこの第一監獄棟の残骸だけが語っていた



「林さん。なんでここに来たのですか?」


そう聞いたのは中鈴だった


「あれ?冨沢から聞いてない?」


林は中鈴にそう言うと冨沢を見た。冨沢は林と目が合うとすぐに後ろを向いてしまった


「アイツ言ってなさそうだから俺から言おう。この班は本部を襲撃してきた人の調査を行うことになった」


「その調査は第一部隊がしてませんでしたか?」


「本当はそうだったらしい。けど第一部隊は強いだけあって仕事が山ほどあるみたいだから、結局その調査はこの班に回ってきたってわけ」


林はそう言うと中鈴に一枚の紙を渡した。その紙には、本部を襲撃した人達に関する情報が書いてあった。どうやら少しは第一部隊が調査したらしく、本当に少しだけ書かれてあった


「ようするに、襲撃してきた人の調査をする。そういうわけですね」


「そう言うことだ。とりあえず事務室に行こう」


林はそう言うと事務室のある本館へと向かって歩きだした。本館は林達のいた駐車場から一番近い建物だった。なので事務室にはすぐについた……


林は事務室で襲撃してきた人達が入れられている牢獄の場所を聞くと、鍵を受け取り階段を上がり始めた



「林!第二監獄棟に行くんじゃないの?」


そう言ったのは冨沢だった。すると冨沢の後ろにいた佐伯がこう言った


「監獄棟はあくまでゾンビを入れておくためのものです。人に関しては本館四階に檻があるんですよ」


この本館にはゾンビ関係で捕まった人を調べるために、収容しておくスペースがあった。といってもあるのは鉄格子の檻ではなく、刑務所などにあるようなそこそこプライバシー面に配慮されているものだった


それでもその牢は狭かった……



「でもそれだと何で僕は噛まれたときゾンビとかが入れられる監獄棟で監視されてたんだろう……」


小牧はボソッとそう言った。小牧は過去にゾンビに噛まれ、この殺所に強制的に連れてこられたときがあった。そのとき小牧が入れられていた檻というのは、第一監獄棟にある檻だった


「確かに不思議だな。何でなんだ?」


冨沢は階段を上がりながら佐伯にそう質問した。すると佐伯はやれやれといった感じで説明し始めた


「ゾンビに噛まれたらほとんどはゾンビになるのは知ってますよね?なのでゾンビに噛まれた人間はゾンビ扱いになるのですよ」


「因みに佐伯は噛まれた人間がゾンビ化するところ見たことある?」


冨沢は恐ろしいことを平然と聞いた。さすがにその質問は不味いだろうと中鈴と小牧は思ったものの、佐伯は困ることなくこう言った


「いえ、人がゾンビになるところは見たことないです」


「だよね。そもそもゾンビに噛まれる人自体そうそういないもんね」


冨沢は残念そうにそう言った。ゾンビに噛まれた人間のほとんどは殺所に送られる前にゾンビ化してしまうため、殺所に送られてくるほとんどは対策官だった


しかし、対策官はあくまでゾンビを倒すプロ。なので噛まれることなどそうそうなく、佐伯が見たことがないというのも仕方のないことだった


「人がゾンビ化する所は見たことないですが、噛まれた人がゾンビ化しなかった所なら見たことありますよ」


佐伯はやや落ち込んでいた冨沢にそう言った。すると冨沢は小牧を見てこう言った


「それは小牧のときか?」


冨沢がそう聞くと佐伯は首を横に振った。そしてこう言った


「いえ、この話はつい最近ですよ。確かその人は対策官じゃなくて、警察官だったはず……」


「警察官?」


「はい。羽町作戦で噛まれたと一緒にいた対策官が言っていました」


冨沢達はそれを聞くと、ゾンビに噛まれた人に付き添っていた人がだいたい分かったような気がした


マル食品羽町工場作戦中にゾンビに噛まれた人がでたことは本部で話題になっていたので、冨沢達も知っている


そのうえ、その噛まれた人の管理をしている人物も林班のメンバーは知っていた


「その人、今は情報管理課にいるんですかね?」


そう言ったのは中鈴だった。すると小牧も中鈴に続いてこう言った


「榎本さんに以前噛まれた人についての情報を聞きましたが、確か名前は青池穂色、元警察官って言ってました。色々な事情のため警察官を辞めてもらったと言っていました」


佐伯は二人の発言を聞くと驚いた。本来佐伯の話した情報は秘密にしないといけない情報だった。なのに小牧と中鈴は佐伯の知っていた情報以上のことを知っていた。なのでここまで来ると佐伯は驚くしかなかった


「アイツ本当に口軽いな。ちゃんと注意しておかないとな……」


そう言ったのは先頭を歩いている林だった。すると突然林は立ち止まった。なので小牧は何だろうと思い前を見ると、そこには鉄の扉があった


「ここから先は収容しているスペースだ。真面目に行けよ!特に冨沢!」


「はいはい。業務のときはいつも真面目よ」


冨沢は軽く笑いながらそう言った。林は少し心配だったが、ここで長々と注意している時間はない。なので収容スペースへと繋がる鉄の扉をゆっくりと開いた……




榎本伊織えのもといおり


准高製作官


武器……拳銃

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ