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僕らはゾンビ対策官  作者: ソーダ
第三章 日々
182/347

#165 無謀

完全武装した宮島率いる第一部隊は、悲劇の場となった本部の一階に下りた。一階に下りると宮島の部下達は侵入者に気づかれないように左右に分かれた


「五人。ガスを使わなくても人数でおせそうですね」


そう言ったのは土井だった。すると宮島はこう言った


「念には念を入れよ。そういうわけだ」


宮島はそう言ったまま立ち止まっていた。宮島と土井のいる階段付近は、侵入者のいる場所からは遠いうえに死角になっていた。なのでこの場所でなら普通に会話をすることができた


「宮島、宮島!」


突然上からそんな声がした。なので宮島がその声のする階段の上を見ると、そこには小橋がいた


「これが例のガスだ。俺達は軽装だから退かせてもらうよ。使い方はこれを読めば分かるから」


小橋はそう言うと階段を下り、宮島に一枚の紙を渡した。その紙にはガスを出す機械の使い方が書かれていた


「土井、機械をセットしてくれ」


「了解です」


宮島から指示されると土井は小橋班から機械の入っている段ボールを受け取った。その段ボールを床に置いて開けると、中には四角いいかにも怪しそうな機械と共にホースが入っていた。どうやらこのホースを機械に取り付けてガスを出すらしい


「隊長、説明書を……」


土井は宮島を見てそう言った。さすがに土井もこの機械を使うのは初めてのため、使い方を知らなかった


「悪い悪い」


宮島は申し訳なさそうに小橋からもらった紙を渡した。宮島は紙を渡すと小橋にこう言った


「もう大丈夫です。ここにいるのは危険なので戻ってください」


「確かに軽装だし、弾が当たったら死ぬな。みんな戻るよ!」


小橋は部下達にそう言うと階段を上り始めた。しかし階段の途中で足を止めると宮島の方を向いてこう言った


「頑張れよ」


小橋は宮島にそう言うと階段を登っていってしまった。そんな時だった。突然後ろから「シュー」っという怪しい音が聞こえてきた。なのでその音のする方向を見ると、そこではホースから白い煙のようなものが出ていた……


「あ、用意できたのでもう作動させてます。ダメでしたか?」


「いや、問題ない。それよりガスがやや白く見えるが大丈夫か?」


宮島はその限りなく透明に近い白色のガスを見てそう言った。多分このガスが白く見えるのはわざとだろう。もしガスがないと思って、ガスマスクなしで入った人が寝てしまっては困る。そういう意味で白くなっているのだろう……


「まぁそんな事はどうでもいい。みんなに無線機でガスを流したことを伝えろ。伝え次第ついてこい」


宮島はそう言うと注意しながら前へ進んだ。そして侵入者のいる正面口へと向かった……




宮島が部下たちの待機きている死角についたときだった。突然正面口から人が倒れる音がした。なので宮島が顔を出すと、そこでは先程の侵入者達が倒れていた


「全員突撃!土井と真中は換気のために窓を開けてくれ。藁谷は武器の回収を!」


宮島がそう指示すると部下達は一斉に正面口へと走り出した。そして倒れている侵入者が他に何か持っていないか確認した。すると確認を終えた菱田川がこう言った


「宮島さん。コイツら何処に連れていきますか?」


「侵入者は拘束した状態で殺所の第二監獄棟に入れろと言われている。誰か車の用意を頼むよ」


「了解」


菱田川はそう言うと侵入者の拘束を他の人に任せると、車を取りに地下駐車場へと向かった



「コイツら不思議だよな。たったこれだけの装備で勝てると思ったのかね」


突然宮島の後ろからそんな声がした。なので後ろを向くとそこには宇土がいた


「まだ換気中ですよ」


「大丈夫。こうして来れてるんだし」


宮島が注意すると宇土はそう返した。この正面口付近にガスを流してからまだ十分ほどしか立っていない。そんな空間にわざわざ来る宇土は凄いと思っていた。もちろん悪い意味でだが……


「それより何でコイツら襲撃してきたんだろうね。圧倒的差があることなんて誰でも分かるのに」


「確かにそうですよね。無謀にもほどがあります」


宮島がそう言うと宇土は武器を回収していた藁谷を呼んだ。そして藁谷の持っている白色の銃を取った


「コイツらの装備は酷い。これはゴーストガンって呼ばれてるやつだ。詳しくは知らんがアメリカじゃ問題になってるらしい」


宇土はそう言うとその銃を宮島に渡した。その銃をよく見てみると普通の拳銃とは違っていた。どうやら3Dプリンターで作られているらしく、変な感じがした


「それに他の銃はだいたい猟で使われているやつだな。そう考えると装備は良いとは言えないだろう」


宇土はそう言うと銃を藁谷に返した。藁谷はその銃を受け取ると地下にある武器庫へと行ってしまった……


「宮島、もしかしたらコイツら誰かに指示されて今回の事件を起こしたのかも知れない」


宇土は宮島にそう言った。しかし誰がこのゾンビ愛護団体の人間に指示し、東京本部を襲撃させたのかは分からなかった。なので今捕まえた人達が殺所で情報を吐くかどうかにかかっていた……



中鈴健也なかすずけんや


ゾンビ対策士長


武器…… 槍

拳銃

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