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僕らはゾンビ対策官  作者: ソーダ
第一章 新人
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#017 水中

代々木公園中央広場……


集合場所に一番最初についたのは有川班だった。……が、佐瀬は作戦前に持っていた武器、チェーンソーを持っていなかった。


「流石にここにはゾンビなんていないでしょ~」


佐瀬はそう言うと一番最初に中央広場にあるベンチに座ろうとした。するとその影に奴はいた。


「いた!」


佐瀬はそう言うとすぐに後ろにジャンプして短刀を握った。この点で言うと有川班というだけあって凄く見えるがこれでもさっきまで油断しまくっていたのだった……


「佐瀬!下がれ!お前の武器じゃ無理だ!」


有川はそう言った。すると佐瀬の両横を上丘と秋津が走り抜けた。そして上丘と秋津はそのゾンビの腹をえぐろうとした時だった!


そのゾンビは普通の奴とは違う動きをした。しかもその動きは人がやろうとしても常人には絶対出来そうにない動きだった。


「ちょっと待って!このゾンビ、普通に壁を蹴ったりバク転したり何なの?」


「元オリンピック選手だったりして」


有川班ではこんな時にも冗談が飛び交う。しかし、今となっては上丘の冗談が正しいのでは…… と思ってしまいそうになる。


そして有川が口を開いた。


「こいつは希種だ!一切油断するな!」


有川はそう言うと自分も武器を持って、そのゾンビのいる方へと走り始めた。


希種きしゅ…… それは通常のゾンビより強いゾンビのことで、対策官の死亡原因はほとんどが希種による攻撃と言われているほど強い……





「佐瀬二佐!あの池にいるのってゾンビですかね?」


酒田はそう言いながらその池を指差した。その先ではゾンビかは、分からないけれど何かがいるのが分かった。


「佐瀬二佐、上着あづかりましょうか?」


佐瀬は酒田にそう言われると上着を脱ぎそうになってしまった。何故なら、もしここで脱いでしまったら自分がこの池に入って戦わなくてはならないと思ったからだ。しかも今は春、しかも夜とかなり寒かった。夏ならまだしもこの時期に入るのはとても嫌だった。


「お前が行けよ。上官命令ということで……」


「何でです?私これでも女ですよ?」


「知らん」


……と佐瀬が言ったもののこんな事を自分より年下の女性にやらせることは出来なかった。なので佐瀬はしぶしぶと池の中に入って行った。



「酒田!ちゃんと照らしてくれ!何処にいるか分からない!」


「ちゃんと照らしてますよ」


……と酒田が言ったその時だった。突然佐瀬の足が引っ張られた感覚があった。そして水の色が少し赤っぽくなっていることに気が付いた。


「なんだ?」


佐瀬はそう思って顔を水の中につけた。すると水の中には大量のゾンビがいた。そして佐瀬の足には爪で引っ掛かれたらしく、血が出ていた…… それを見ると佐瀬はすぐに池から這い出た。



「どうしたのですか?」


池の中の事を知らない酒田はそう聞いた。


「ゾンビがいる」


「え?」


「池の中に大量のゾンビがいる!」


佐瀬は足を引きずりながらそう言った。佐瀬は地面に腰を降ろしながら、何でゾンビに攻撃された時、気付かなかったのか?…… と考え始めた。





バシャッ!


大量の血とともにゾンビは倒れた。どうやら有川が希種のとどめを刺したらしい…… 希種と戦っていた有川とその部下達が佐瀬と酒田の居るところへと戻ってきた。そして有川が佐瀬を見るとこう言った。


「佐瀬!何があった?」


「ゾンビです。あそこに大量にいます」


佐瀬はそう言いながらさっきまで浸かっていた池を指差した。


「そうか。そのゾンビについては後で宮島の電撃で倒してもらおう。それよりも足は大丈夫なのか?」


「多分…… ちょっとえぐられてしまっただけなので……」


「そうか。他の隊が集まったら佐瀬だけでも先に戻らせてもらおう」


有川はそう言って遠くの方を見た。……が、他の隊はまだ見えなかった……




酒田麻由花さかたまゆか


三等ゾンビ対策佐官


武器…槍

拳銃



予備武器…短剣



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