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僕らはゾンビ対策官  作者: ソーダ
第三章 日々
179/347

#162 遅刻

対策4専用室……


「やぁ林、何しに来たの?」


そう言ったのは情報管理課の榎本だった。情報管理課は武器を作ったり修理したりする武器製作部と同じ部屋にあった。しかしほとんどの対策官は情報管理課には用がないため、対策4といったら武器製作課といった状態になっていた


「悪いね。榎本に用はないんだ」


「あ、そう。残念」


榎本は残念そうにそう言った。他と交わることがほとんどないといえ、情報管理課は「マル食品羽町工場作戦」に関わる資料をまとめていた。この情報管理課は対策官の作った報告書などを資料庫にしまう仕事もあるので、まだ忙しい時期だった


「今日は武器を貰いに来たんだよ。新しい子がきたから」


林がそう言うと、榎本は林の後ろにいる佐伯を見た


「あー君が新人か。俺は榎本。情報管理課の准高製作官だよ。よろしく」


榎本はそう言うと手を出した。佐伯は困惑しながらもとりあえず握手をした


「榎本は情報管理課で一番偉い人間なんだよ。多分情報管理課に行くことはないと思うけど、一応覚えておいてね」


「一応かよ!」


榎本は素早く突っ込みをいれた。榎本は情報管理課で一番偉い人間…… と言えど性格的に一番偉い人には見えなかった


「ここで油を売ってたんですか?」


突然そんな声が聞こえると榎本はブルッと震えた。そして榎本が後ろを向くとそこには及川がいた


「大規模作戦が終わったばかりで忙しいので、遊んでないで手伝ってください」


「分かったよ…… それじゃ俺は仕事に戻るわ」


榎本は林と佐伯にそう言うと部下の及川に連れていかれてしまった。林は榎本と分かれると、佐伯の武器を貰うために武器管理部へと向かった……



「下原さん。武器の受け取りに来ました」


林は武器管理課のスペースにつくとそう言った。すると下原が色々な武器を持って林と佐伯の前にやって来た。そしてそれらの武器を近くの机に奥とこう言った


「今日は色々と持ってきたよ。この中から好きなやつを選んでいいよ」


下原の持ってきた武器は、ロングソードや槍、大鎌といったよく見る武器から、レイピアやサーベル、フレイルといったマイナー武器も用意していた


「う~ん。林二佐ならどの武器を選びますか?」


佐伯は少し考えると林にそう聞いた。なので林はこう言った


「好きなのでいいと思うよ?俺だったら剣を選ぶけどな」


「分かりました。大鎌にします」


林はそれを聞くと、何で俺に聞いたのかと不思議に思った。しかし武器を使うのはあくまで佐伯。なので林は別に剣以外を選んでも別に良かった


「別に良いけど、大鎌は扱いに気を付けろよ。刃があるのは内側だけだからな」


「はーい」


林が注意すると佐伯は緩くそう言った


「じゃあ大鎌でいいね。手続きはしておくよ」


下原はそう言うと大鎌以外の武器を持って部屋の奥へと行ってしまった。これでこの大鎌は佐伯のものとなった。武器も受け取ったので林は小牧達の待つ対策2専用室へと戻ろうとした。しかし突然後ろから誰かに話しかけられた


「林、さっきからどこかで聞いたことのある言葉を言っているようだね」


林はそう言われると声のした横を見た。するとそこには有川と佐瀬がいた


「有川特官ですか……」


「それより林はまだ成河を目指して頑張ってるのか?」


有川は林にそう言った。成河という人物は、林が入局したときに配属された班の班長だった。この成河という対策官は林が配属される前に、ゾンビ対策官に密着するというテレビ企画に出ていた。その番組で大量のゾンビを倒したため世間で話題になっていた


と、いえど当時の東京本部で成河は強い分類には入るものの、成河より強い対策官はゴロゴロいた……


「はい、憧れみたいなものですから」


「そうか。じゃあ俺達は先を急いでるから」


有川はそう言うと佐瀬を連れて部屋の奥へと行ってしまった


「じゃあ戻ろうか。みんなも待ってるだろうし」


佐伯にそう言うと林は小牧達の待つ対策2専用室へと歩き始めた……



対策2専用室……


「小牧、中鈴。やらかしたわ」


「何をしたんですか?」


冨沢にそう聞いたのは中鈴だった。すると冨沢は中鈴と小牧に一枚の紙を見せた。その紙には上層会議の日時が書かれていた


「これって今日の…… もう始まってるじゃないですか!」


小牧は腕時計で時間を確認するとそう言った


「そうなんだよ。完全にやっちまったよ」


冨沢はそう言うと頭を押さえた。すると中鈴はこんな所にいても意味がないと判断し、立ち上がった


「呼んできます。早くしないと本当に手遅れに……」


中鈴がそう言ったときだった。扉が開き、林が戻ってきた。なので冨沢は申し訳なさそうに紙を林に見せた。すると林は急いで机の上にある資料をとった


「何やってるの!大遅刻だよ」


林はそう言うと慌てて部屋から出ていってしまった


「さすがにヤバいな。申し訳程度に何か用意しておかないとな……」


冨沢はそう言うと自分の机の中を漁り始めた。多分冨沢のことなので本当に申し訳程度のものを用意するのだろう…… そう思う小牧はだった……




佐伯蓮さえきれん


二等ゾンビ対策官


武器……大鎌

拳銃

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