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僕らはゾンビ対策官  作者: ソーダ
第三章 日々
178/347

#161 写真

十一月…… 小牧も林班の特徴を理解し、冨沢や中鈴、林に質問しなくても仕事をこなせるようになっていた。そんな小牧達のいる林班に一人の女性が向かっていた……



「そこの席使っていいよ」


そう言ったのは林だった。すると小牧の隣の席に女性対策官がやってきた


「えっと……」


小牧はその女性を見るとついそう言ってしまった。しかしそれもそのはず。本来新しい人が来るのは十二月の予定だった。しかし「マル食品羽町工場作戦」が十月中に行われたため、補充も前倒しされたのだ


佐伯蓮さえきれん。二等ゾンビ対策官です」


彼女はそう自己紹介をした。すると小牧は過去にその名前を聞いたことがあるような気がした。が、その名前を聞いたのは少なくとも対策官になる前としか覚えていなかった


「佐伯は予備対策官のときどこに勤めてたの?」


そう質問したのは冨沢だった。冨沢は初めてあった佐伯にもフレンドリーに接していた。すると佐伯はこう言った


「私は関東ゾンビ殺所場に勤めていました」


四人は佐伯の口からそう聞いた瞬間固まってしまった。何しろ関東ゾンビ殺所場…… 通称殺所は「埼玉支部改革作戦」後にエース達の襲撃により建物が爆破させられていた。しかもその壊された場所は、希種などの危険なゾンビを入れている地下危険生物独房を含む第一監獄棟だった


なのでここで大変なことが起きていたことは、現場に行っていない林達の耳にも入っていた


「でも殺所って……」


「はい。確かに爆破事件があったとき私は殺所にいました。しかし私は予備対策官というだけあって、サブマシンガンを持って壊れている所がないか第二監獄棟を走り回ってるだけでした」


この爆破事件…… 北音寺の部下一人が殺害されるほかにも数名の予備対策官も殉職していた。その予備対策官の死因はみんな爆死だった

どうやら第一監獄にいたとき爆発させられ、そのまま亡くなってしまったらしい


「まぁ過去に何があったにせよよろしく。俺は林班副班長の冨沢だよ」


冨沢はそう言った。しかし冨沢は林班の副班長だったのか。そのことを今初めて知った小牧だった


「中鈴です」


「班長の林だよ。呼び方は何でもいいよ」


中鈴と林もそう言った。なので小牧も流れに乗って佐伯にこう言った


「小牧です。よろしく」


小牧がそう言ったときだった。佐伯は小牧を見てこう言った


「久しぶりね。小牧君」


佐伯はそう言った。しかし小牧には佐伯と会ったのは初めてだと思っていた。なので小牧は困っていた。するとそんな小牧を見た冨沢はこう言った


「さては佐伯と会っていたこと忘れたのかぁ!悪いやつめ!」


冨沢は小牧にそう言った。すると佐伯は対策手帳を取り出した。そしてその手帳に挟まっている一枚の写真を小牧に渡した


「覚えてない?」


小牧はその写真を受けとるとそれを見た。その写真には二人の子供が写っていた。よく見てみると右の子供は自分だということに気が付いた


「これ僕?だよね」


「そうよ」


「え?じゃあこれは……」


小牧は写真の左に写っているのが誰なのか聞いた


「それが私よ。覚えてないの?あのときは仲良しだったのに」


佐伯はそう言った。すると小牧は突然固まってしまった。そんな小牧を見た冨沢は小牧にこう言った


「どうしたの?ちょっとその写真見せてくれない?」


冨沢はそう言うと佐伯から写真を借りた。そしてその写真を見るとこう言った


「なるほどね。なんか小牧が間違えるのも分かるような気がする」


冨沢はそう言うと近くにいた林に写真を見せた。すると林はこう言った


「まぁ佐伯、小さい子供は案外男女分からないものだから…… ね」


林はそう小牧をフォローした。すると小牧は佐伯にこう言った


「ごめん。見た目的に男の子だと思ってた」


小牧は佐伯にそう謝罪した。佐伯は子供の頃はかなり髪が短かった。そのうえ名前も男女どちらでもあり得る名前のため、写真を見た林と冨沢も察していたのだ


「別にいいよ。そういう理由もあって髪伸ばしたわけだし」


佐伯はそう言うと自分の髪を触った。いまの佐伯の髪は子供の頃とは違い髪は長かった


「さて、雑談もそろそろ終わりにしようか。中鈴と小牧はこの資料をまとめて置いてくれ。冨沢は机の片付け。佐伯は俺についてきて」


「はい」


佐伯はそう言うと林と共に部屋を出ていってしまった。二人が部屋から出ていくと冨沢はこう言った


「何しに行ったんだろね」


冨沢は二人にそう言った。すると小牧は手を止めるとこう言った


「確かにどこへ行ったんでしょうね」


「まさか二人でデートだったりして」


冨沢がふざけてそう言ったときだった。中鈴が作業する手を止めないままこう言った


「多分佐伯の武器を決めるために対策4に行ったんだと思いますよ。それともし林二佐がデートしてたという根も葉もない噂が広がると、林家で家庭内戦争勃発になるので、変なことは言わないようにしてください」


「分かったよ」


冨沢はそう言うと何かをし始めた。しかし冨沢のやっていることが、少なくとも林の言っていた机の片付けでないことは小牧も分かっていた……





小牧英介こまきえいすけ


一等ゾンビ対策官


武器……槍

拳銃

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