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僕らはゾンビ対策官  作者: ソーダ
第二章 弱体化
172/347

#156 盗聴

マル食品羽町工場B館二階……


バンッ!


伊中は扉を開けた。その部屋はかなり広くテレビや新聞、雑誌が置かれていた


「ここは?」


そう聞いたのは青池だった。伊中は二人よりも長くこの工場にいるため、建物の造りを把握していた。なので二人を守りつつ案内していた


「ここは従業員の休憩室だ。食堂はC館にあるからここはあくまで短い休憩に使ってたんだと思う」


伊中はそう言うと机に置いてあったトランプを二人に見せた。すると青池は頷くと部屋の中に何かないか漁り始めた。伊中は二人が捜査しているすきにスマートフォンを取り出した。そして


「エイトをB館一階で殺害した」


と文字を打つとメールを送信した。するとそんな伊中に青池はこう言った


「この部屋には何もなかったから次の部屋の案内頼める?」


伊中はそう言われるとスマートフォンをしまった。そして二人にこう言った


「ここの捜査は終わりか。次の部屋に案内するよ」



伊中はそう言うと休憩室から出ようとした。が、どこからか謎の音がした。なので伊中は体のどこかに何かないか探ってみると、ポケットから小さな無線機が出てきた。伊中はそれを見ると急いでコップに水を入れた。そしてその無線機を水の入ったコップに入れた


「いつ仕掛けられたんだ……」


ボソッとそう言った。すると後ろにいた戸田が心配そうにこう言った


「何してるのですか?」


伊中はそう聞かれると少しオーバー気味にこう言った


「エイトがこの組織でも偉いエースに報告しやがった」


と、いってもこの無線機がエース達の仕掛けたものとは限らないが、元町や他の潜入捜査官がわざわざ伊中に盗聴目的で無線機を仕込ませる理由がなかった。しかも伊中がこの作戦の為に行ってきた行為は一部エースに見られてしまっていた。なのでこの無線機もエースが仕込んだものの可能性が高かった


「つまりどういうこと?」


青池がそう質問すると伊中は二人を見てこう言った


「俺がスパイだということが組織にバレた。俺達は見つかったら間違いなく口封じのために殺される」


伊中はそう言った。このときの伊中を見て戸田と青池は伊中が本物のスパイだと思った。しかしゾンビ殲滅局に潜入捜査官がいるという事実は信じられなかった


「あなた本当にゾンビ殲滅局の潜入捜査官なの?」


青池は伊中にそう聞いた。すると伊中は同じことばかり聞かれ、呆れたようにこう言った


「もちろんだ。嘘をついても意味がない。現にエイトを殺したんだ」


「だけどゾンビ殲滅局に潜入捜査官がいるなんて、公表されてないわよ」


青池は過去の捜査を思い出しながらそう言った。青池は子供のころの夢がゾンビ対策官だった。なのでゾンビ殲滅局に関するありとあらゆる資料を読み漁っていた。なので情報だけならばゾンビ対策官よりも知っているかもしれなかった



「警察が知らないのは当然。というか対策官でもほんの少しの人間しか潜入捜査官がいることは知らないよ。何しろゾンビ殲滅局の極秘情報として扱われてるんでね」


伊中は青池にそう説明した。その理由は本当のように感じられたが、確証がなかったので青池は伊中にこう言った


「あなたスマホ持ってたら貸してくれない?」


「別に良いけど何に使うんだ?」


「あんたが本物の潜入捜査官か仲間に調べてもらう」




青池にそう言われると伊中はスマートフォンをしぶしぶ渡した。そしてこう言った


「ロックは解除してある。使っていいのは電話だけだ。そのスマホにも多くの秘密がある」


「分かった。助かるわ」


青池はそう言うと伊中のスマートフォンを使って仲間に電話をし始めた。すると伊中は青池が電話しているとき、ボソッとこう言った


「電話しても意味ないんだよな~」


伊中はボソッとそう言った。この工場はすでにゾンビ対策官によって囲まれている。しかもこの対策官達は伊中が合図を送ることで、すぐに敷地内に入る。なので青池が仲間に連絡しようと無駄になるのは目に見えていた




それから少しすると青池は電話を切った。そして伊中に手元が見えないように背を向けながらポケットからUSBフラッシュメモリを取り出した。そしてそれを伊中のスマホに取り付けた。そして数秒してから取り外し再びポケットにいれた



「伊中、ありがとう。私は貴方を信じるわ」


「そりゃどうもね」


伊中はそう言うとスマートフォンを受け取った。そしてスマートフォンの画面を見ると突然顔つきが変わった。伊中の見ている画面にはいくつかの通知がきていた。伊中はそれらを見ながら部屋から出た


「やっぱり信用してなかったか……」


伊中はボソッとそう言った。するとポケットからUSBフラッシュメモリを取り出し、それを取り付けた。そしてしばらくすると取り外した


『この盗聴するためのウイルスは作戦後に調べてもらおう。まぁこんなのどうせ公安部が作ったやつだろうけど……』


伊中はUSBフラッシュメモリを持ちながらそんなことを思った


伊中のスマートフォンには沢山の情報が入っている。そのなかには機密情報も含まれているため、何らかの要因でウイルスが侵入したとき通知が送られてくるシステムがあった


「殲滅局をナメるなよ」


伊中は後ろにいる戸田に聞こえるくらいの大きさでそう言った。それを聞いた戸田は恐怖に襲われてしまい、足が止まってしまった……



藤井七彩ふじいななせ


警視庁ゾンビ対策課一班、巡査


武器……短剣

拳銃

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