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僕らはゾンビ対策官  作者: ソーダ
第二章 弱体化
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#150 工作員

午後五時、東京本部本部長室……


「大変です!」


そう言って本部長室の扉を開けたのは榎本だった


「どうした?何かあったのか?」


本部長室で作業をしていた仲野は、資料を机に置くとそう聞いた。すると榎本は仲野の前まで移動するとこう言った


「羽町作戦を二日後にしないといけなくなりました!」


榎本はそう言うと壁に手をつき、呼吸を整え始めた。榎本がそんなことをしてる間、仲野は榎本の言ったことがどういうことなのか理解しようとした。が、何があったのか全く分からなかった


「何があったんだ?全て話してくれ」


仲野がそう言うと榎本は落ち着きを取り戻し、こう言った


「伊中からの情報ですが、殺所襲撃が十月二一日に変更されたようです。つまり羽町作戦の下ごしらえも明日実行しなければならないことになりました」


「分かった。今すぐいつものメンバーを集めよう。宇土と今井と藍卯は呼びに行くからその他は頼むよ」


仲野はそう言うと三人のいる対策3専用室へと走り出した。普段なら本部長の仲野自ら会議のメンバーを呼びにいくことはない。だが、今回は誰も予想しなかった事態が発生したのだ。なので今はすぐに上層会議のメンバーを集め、新たな作戦を作るのが優先だった……




それから五分後、第一会議室……


急遽この会議室に上層会議のメンバーと笛中、今井、藍卯、榎本が集まった。今回の会議には一番最初の「マル食品羽町工場作戦」についての作戦会議に参加できなかった川中と新宮、そして途中参加した宇土もいた


「まずは川中と新宮に謝罪しなければならないが、今は時間がない。二人はこの資料を読んでくれ」


仲野はそう言うと川中と新宮に羽町作戦についての資料の束を渡した。そして立ち上がったまま皆にこう言った


「羽町作戦の序章を明日の午前八時に行う。伊中も作戦の用意は完了しており、地下施設への入り方もこっちに送られてきた」


仲野はそう言うとモニターにマル食品羽町工場の見取り図を映した。その見取り図を見る限り、地下施設に行くにはエレベーターで行くと書いてあった


「ここからは私が指示する。文句はないな?」


そう言ったのは藍卯だった。藍卯は長い棒を持ち、会議室にいる皆を見た。そして文句がないのを確認すると藍卯はこう言った


「まずは羽町の序章から話す。まずだが……」



それから藍卯は「マル食品羽町工場作戦」について長々と話続けた。結局この上層会議が終わったのは二時間後の午後七時だった……




午後七時、対策2専用室……


「あー疲れた」


林はそう言うと自分の席に座った。そして明日行われる羽町作戦について部下に話そうとした。が、冨沢がいないことに気づきこう言った


「冨沢はどこに行ったんだ?」


林がそう聞くと小牧は気まずそうにこう言った


「えっと、冨沢三佐は帰宅しまして……」


林はそれを聞くと頭を押さえた。よく考えてみれば今は午後七時だったのだ。普段から業務時間が終わるとすぐに帰る冨沢がこんな時間まで残っているはずがなかった


「この時間に冨沢さんがいる方が凄いですよ」


中鈴は呆れてそう言った。すると林は二人にこう言った


「冨沢には明日言うが、二人には先に行っておく。明日噂で聞いたと思うが、羽町工場に行く。詳しくはこれを読んでくれ」


林はそう言うと近くにいた小牧に上層会議で使った資料を渡した。小牧と中鈴がその資料を読むと、そこには「羽町工場でゾンビを倒す」と書かれていた


「林二佐!これはどういうことですか?まるで最初からゾンビが現れるような書き方をしていますが……」


林は小牧にそう言われると手に持っていたボールペンを回しながらこう言った


「小牧と中鈴は伊中がどっち側の人間か分かるか?」


林は二人に質問をした。すると小牧は考え始めた。そして伊中が今までやって来たことを思い出すとこう言った


「僕は伊中さんは敵だと思います。現に蒔村研究官を殺害してるので……」


「いや、そうとも限らないのでは?」


小牧の意見にそう言ったのは中鈴だった


「伊中は二重スパイだったんじゃないか…… 俺はそう思ってる」


中鈴はいつになく真剣な顔をしてそう言った。小牧はそれを聞くと、もう一度伊中のやってきた行動を思い出した。もし伊中が中鈴の言うとおり、二重スパイで味方だった場合、蒔村は生きていることになる。小牧はそう考えた


「伊中さんが味方?では蒔村研究官は生きてるというわけですか?」


「伊中が味方ならね。林さん。それで答えは何ですか?」


中鈴は林に答えを求めた。すると林は二人の前に一枚の紙を出した。小牧は何だろうと思い、その紙を読んでみるとそこには衝撃的な事が書かれていた……


「え?もう一度読みます」


「ゆっくり読んでみな。俺も理解するまでに時間かかったから」


林は小牧にそう言った。この東京本部のほとんどの対策官を驚かせた伊中の行動。その紙には伊中が殺したとされる蒔村について書かれており、その文章はこうだった……


「伊中俊、彼はゾンビ殲滅局東京本部のスパイでありながら、エース達の組織からスパイとして東京本部に潜入させられた人物である。なので伊中に殺害されたとされる蒔村花純研究官も生存しており、現在は情報管理課によって保護されている」




東京本部、対策4情報管理課……


「ついに始まるみたいよ。伊中が五年前から計画した作戦が……」


そう言ったのは元町だった


「そうですか…… 無事終わると良いですけど……」


そう言うとフードを被っている人物は、窓から外を見た。そしてフードを脱いだ


「蒔村さん。貴方は作戦が終わるまでここにいてもらいますよ」


「分かったわ。逃げたりしないわよ」


蒔村はそう言うと近くの椅子に座った。そして机の上にあった資料を手に取った


「成功すると良いわね……」


蒔村はそう言うと「マル食品羽町工場作戦」についての資料を読み始めた。元町はそんな蒔村を見ると、伊中と最後の確認をするためにスマートフォンを取り出した……



戸田裕晴(とだゆうせい)


警視庁ゾンビ対策課、巡査部長


武器……短剣

拳銃

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