#139 昔話
東京本部、第二会議室……
「と、いうわけで今日の午後三時から布地飛行場の強制捜査に入る」
そう言ったのは宇土だった。そしてこの会議室には川中、林、小橋、伊東、柚木がいた。宇土の説明によるとこの五班で強制捜査を行うということだった
「今回の強制捜査は事前に強制捜査することを伝えているので、正面から中に入ります。建物内は川中、林班が担当してください。外は小橋、伊東、柚木班でお願いします」
そう言ったのは米田だった。すると川中がこう言った
「飛行機はとめるんだよな?」
川中がそう言うと宇土が自信満々にこう言った
「もちろんです。強制捜査の場所が飛行場ということで、事前に連絡いれたのですから!」
布地飛行場…… この飛行場は昔からよくゾンビの目撃情報が多く、最低一年に一回のペースで強制捜査に入っていた。そんな布地飛行場は新島や大島などを結んでいる飛行場だった。なので三年前には、この島からゾンビに関するものが運ばれてきているのではないかと考えられていたのだ。しかしそれは今から二年前に違ったことが分かり、今なお何故この飛行場にてゾンビの目撃情報が寄せられるのか分かっていなかった……
「ここにいる人はみんな布地飛行場の強制捜査に一回は参加したことあるよね。じゃあ各自飛行場へ行くように」
宇土はそう言うと米田と共に会議室から出ていってしまった。すると林の隣にいた小橋がこう言った
「布地飛行場懐かしいね。新人だった頃を思い出さない?」
「成河班のときか……」
林と小橋は五年前同じ班だった。そして二人に初めて参加した大規模作戦が布地飛行場で行われたのだ。幸いその作戦で死者は出なかったものの、ゾンビの死骸が滑走路に広がっており片付けが大変だったのを今でも覚えていた
「そういえば当時の成河班のメンバー今はどうしてるかな?」
「聞いた話だと葉木田さんが神奈川支部で活躍してるってよ。神奈川支部に勤めてる友人からそう聞いたよ」
「そうなんだ…… またあのメンバーで戦ってみたいね」
小橋と林は雑談しながら対策2専用室へと向かって歩いた。しかし今になって二人の言う、当時の成河班と同じ構成になることはないだろう。けれど二人にとってはそのメンバーで「上野公園新平地作戦」を生き延びたので特別な思いがあった……
対策2専用室……
「さてと、どうするべきか……」
そう言ったのは冨沢だった。冨沢は二枚の書類を見て悩んでいた
「冨沢准官、何かあったのですか?」
そう聞いたのは小牧だった。するも冨沢は小牧に二枚の紙を見せるとこう言った
「今度新しく武器を作ってもらおうかと思ってね。どっちが良いと思う?」
冨沢がそう説明すると小牧はその紙を見た。一枚目の紙には裏刃のついた槍が書いてあった。そして二枚目には斧槍が書かれていた
「う~ん。二つとも対して差がないと思いますが……」
小牧がそう言うと冨沢は席から立ち上がってこう言った
「何言ってるの!斧が付いてるか付いてないかで格好が全然違うんだぞ!」
冨沢は小牧にそう言った。しかし武器の見た目にこだわりのない小牧にはどちらも同じように見えた
「騒ぐな。そんな事より今すぐ用意しろ。三時から布地飛行場の強制捜査に参加する」
そう言ったのは林だった。林は席につくと机の上にあった紙を見た。そこには先程冨沢が小牧に見せていた新武器の絵が書かれていた
「なんだこれ?ゴミなら捨てとくよ」
林はそう言うとその紙を丸めようとした。しかしその紙が捨てられる前に冨沢はこう言った
「捨てるな。俺の新しい武器の絵なんだから。因みに林はどっちが良いと思う?」
と、聞かれたものの林は冨沢の武器のことなど興味がなかった。なのでこう言った
「どっちでも良いんじゃない?使うのは冨沢だし。そんな事より早く用意しな」
「林までそういうのかよ。林と小牧は本当に似てるよね」
「確かに。班長と小牧って見た目がというより、雰囲気が似てますね」
冨沢に便乗して中鈴もそう言った。すると林は三人にこう言った
「そんな事はどうでもいい。それより用意をしな」
「分かったよ」
林にそう言われると冨沢はロッカーから刀を取り出した
「そうそう。言い忘れてたけど十二月から一人この班に加わるから」
林がそう言うと冨沢はこう質問した
「小牧と同じ新人?」
「そうだ。女性対策官っで名前は何だっけなー?」
林はそう言うと名前を思い出そうとした。しかしどんなに考えても思い出せなかった
「その人ってどうせ小牧の知ってる人でしょ?」
「そうだと思うよ。まぁその話は捜査が終わってからしよう。冨沢は車を出してきて」
「了解」
冨沢はそう言うと車の鍵を持って部屋から出ていった。新しく林班に加わる人は誰だろうか?そう考えると同時に「東京駅攻防戦」で殉職した塚西のことを思い出す小牧だった……
葉木田詩土
二等ゾンビ対策佐官
武器……高力銃
短剣
拳銃




