#013 寝坊
それから一時間後、敷地内にゾンビが居なくなったと判断され隊員は本部へと戻ることになった。そして本部に戻る途中東京駅に近付けば近付くほどゾンビが多く倒れていることに気が付いた。
そして本部につくとそこでは東京駅防衛についていた班、隊がゾンビの死体を片付けていた……
次の日、小牧は本部に着き対策2の扉を開くとそこは普段とは違う空気が流れていた。いつもならこの時間は会話が飛びあっていた… はず… 小牧はそう思った。そしてふと横を向いた。するとG班の四席に花束が置かれていた。
『確かあそこは九条班だったかな?』
そう小牧が考えていると林がこう言ってきた
「東京駅内にゾンビがでたとの通報があった。多分昨日の作戦の取りこぼしだろう。はやく行くぞ!」
林はそう言うと火炎剣を持って行ってしまった。小牧も慌てて自分の槍を班の武器庫から取り出した。そして小牧も林と同じように走って部屋から出ていった
東京駅八重洲中央口……
そこにはゾンビが5体いた。そのゾンビは一般の人に噛みつこうとしていた。…が一般人は武器など持っていない為ゾンビを倒すことが出来なかった。
「離れて離れて!」
そう言いながらそこに最初に着いたのは冨沢だった。冨沢はゾンビを目の前にすると刀を取り出した。そして…
ジョッ!
そんな音と共にゾンビからは血が飛び散った。そしてゾンビの頭は民間人の足下まで転がっていった。
「キャーーーーーーーーー!」
それと同時に辺りにとても響く悲鳴がした。運が悪かったのかもしれない。悲鳴の原因はゾンビの首が一般の女性の足下に転がってしまったことだ。
「冨沢准官、なにかしたのですか?」
そんな風に言われると冨沢は後ろを向いた。するとそこには中鈴と塚西がいた。二人は突然走り出すと冨沢と同じようにゾンビの首を大胆に飛ばした。
すると今度は
「キャー!!」
「逃げろ!」
等の声が聞こえてきた。そしてその人達が逃げようと走っているところを林は逆走してゾンビの目の前まで来た。そして持ち手の先に付いているレバーを引いた。すると剣にあるひび割れのような所から炎が漏れた。そして林はその火炎剣をゾンビの腹に突き刺した。するとその炎はゾンビに燃え移り、暫くゾンビは暴れているとコロンっと倒れてしまった…
ビチャッ!
林のすぐ横から大量の血が飛び散った。林はすぐに横を見ると小牧が槍でゾンビの胸あたりを突いていた。すると小牧は槍を素早く抜くとゾンビの頭に突き刺した…
「これで全部倒し終わりましたね」
小牧はそう言うとゾンビの頭に突き刺さっている槍を抜いた。するとゾンビからは真っ赤な血液が地面に垂れた。
「取り合えずこれで任務は終了した。回収班を呼ぼう」
林はそう言うと無線機を取り出して連絡をとり始めた…
ゾンビ殲滅局 本部長室…
「やっと皆集まったね。では始めよう」
ゾンビ殲滅局東京本部、本部長である仲野昂祐がそう言った。そしてこの部屋には上層会議のメンバーである九人が席に着いていた。仲野の右側から順に宮島、倉科、宗、川中、有川、布田、神尾、宇土、そして副本部長の郡山だ。
「そういえばあの中二病が居ないような気がするんだが…」
そう言ったのは布田だった。本来、仲野が集めるメンバーは十人。だが今回は一人足りなかった。
「なんで水瀬いないんだ?」
「何ででしょうか?倉科知ってる?」
宗が倉科に聞いた。するととても予想できないような答えが返ってきた。
「水瀬の部下の話によると寝坊みたいです」
倉科がそう言うとそこにいた一部の人は頭を押さえたりアイツは馬鹿かといい始めた。するとその時!
ガンっ!
突然扉が開いた。そしてそこには一人の男性が立っていた。
「遅いぞ!」
「遅刻だそ!」
とか皆が騒ぎ始めた。すると水瀬はある一言で皆を黙らせた。
「貴方達には俺のことが見えるのか?」
……と水瀬が言うと本部長室は氷ついてしまったかのように静かになってしまった
仲野昂祐
ゾンビ殲滅局東京本部長
郡山佐本
ゾンビ殲滅局東京副本部長




