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僕らはゾンビ対策官  作者: ソーダ
第二章 弱体化
132/347

#120 被験体

次の日、東京本部第五会議室……


この会議室には上層会議のメンバーと柚木がいた。埼玉支部に潜入した柚木の情報を元に作戦をつくろうとしていた。そんななかある問題が起きた。それはこの作戦の主司令を誰にするかだった。その主司令の候補は二人で、宇土にするか郡山にするかでもめていた



「対策3以外の人間が大勢の人をまとめるなんて無理だと思いますがね」


宇土は郡山にそう言った。宇土は現在郡山と些細なことで対立をしていた。なのでいつになく尖った口調だった


「残念だけど元最高司令官だったからこっちの方が上なんだよ」


すでに第五会議室ではいつもと違う空気が流れていた。そんななか仲野は二人にこう言った


「二人とも仲直りするまで、上層会議に参加しなくていいよ。他の人も困ってるみたいだし」


仲野は宇土と郡山にそう言った。それを聞くと二人はもちろん、その他の対策官も何を言えばいいか困ってしまった


「早く出ていきな」


仲野はいつになく笑顔でそう言った。しかし口は笑っていなかった。宇土にとって仲野のこんな一面を見たのは初めてだった。しかしキレかけていることはよく分かった。なので宇土は会議の資料を持ち会議室から出ていってしまった。郡山も宇土を見ると慌てて会議室から出ていってしまった


「さて、あの二人の代わりに藍卯と芝に参加してもらおうか。誰か呼んできてくれないか?」


仲野はそう言うと上層会議のメンバーを見た。すると水瀬は立ち上がるとこう言った


「俺が呼んできます。先に作戦を立てていてください」


水瀬はそう言うと会議室から出ていってしまった。しかし作戦立案官の藍卯がいないと作戦をつくることができないため、会議室に残っているメンバーは特にすることがなかった



東京本部資料庫……


「城山さん。ありましたよ」


そう言ったのは対策5の伊中だった。彼はいま同じく対策5の城山と共に東京本部の資料庫に来ていた。この東京本部の資料庫には過去のゾンビ殲滅作戦の資料や研究のレポートなど色々なものがしまわれていた。そんな資料庫に城山はあることを調べるために来ていたのだ


「山田太郎。五年前の大規模作戦で殉職した対策官の資料です」


伊中はそう言うと城山に何枚かの紙を渡した。その紙には殉職した山田太郎の生前使っていた武器の写真が貼り付けてあった


「間違いない。この槍はいま小牧が使っているものだ」


城山はそう言うと他の紙も見始めた。二枚目の紙にはその対策官の殉職した場所と死因が書かれていた。その紙を読むかぎり、小牧の槍の持ち主は水死したようだ。そしてこの槍は公園の近くの道路に落ちていたところを生き残った対策官が見つけたようだ


「あのすみません。そろそろ自分の仕事に戻っても良いですか?」


「すまんすまん。もう戻っていいよ。ありがとな」


城山がそう言うと伊中は資料庫から出ていった。城山は伊中がいなくなったあとも紙を読んでいた。その紙はきちんと書かれていて間違いなどないように思えた。しかし一つだけ気になることがあった。それは「山田太郎」の死因が水死だということだった


「水死ってどういうことだ?近くに水でもあったのか?」


城山はボソッと言うと五年前の「上野公園新平地作戦」の報告書の束を取り出した。といってもこの報告書は沢山ある。なぜなら報告書は作戦に参加した全ての班が作る。なのでそれだけ資料も多いのだ


「猫の手を借りたいとはまさにこの事だな」


城山は机の上いっぱいに置いてある紙を見るとそう言った……




東京都のとある地下……


「面白い話が入ったよ。東京本部が埼玉支部を潰しに行くんだって」


そう言ったのはサイスだった。そしてその部屋にはエースやシンクなど全員が集まっていた。この場所はエース達が拠点としている場所で東京の地下にある。そしてこの拠点は対策官にバレていない。なのでここで作戦を立てて地上に出るのだ


「仲間割れか?」


「どうやら埼玉支部の支部長を追い出すらしいよ。前からかなり汚い事をしていたみたいだし」


サイスがそう説明するとエースは突然机に東京都の地図を広げた。そしてこう言った


「あいつらが埼玉支部に行くということは東京の防衛力が落ちるということだ。だから、あいつらが埼玉支部に行く時に作戦を実行する」


エースはそう言うと赤色のペンで地図に丸を付けた


「トレイとケイトは東京駅で、シンクとサイスは関東ゾンビ殺所場を、残りは東京本部を攻める」


「だけど、前みたいに負けないかな?」


そう言ったのはシンクだった。するとエースは突然立ち上がると部屋の奥にある黒色の布がかかっている水槽を台車に乗せて持ってきた。そして皆の前に持ってくると、黒色の布を外してこう言った


「今回の作戦でこの被験体を使う。頑張ってくれよ。松永健吾君」


エースはそう言うと水槽を触った。その水槽の中には緑色の液体と共に一人の男性が入っていた……




松永健吾まつながけんご


元中等製作官


武器……不明

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