#119 修理
ゾンビ殲滅局埼玉支部十二階……
埼玉支部の支部長室はこの十二階にあった。この階には支部長室しかなく、その他のスペースは局に勤める人間の休憩スペースになっていた。その休憩スペースに三人はいた
「この埼玉支部には支部長を守る六人の対策官がいる。その対策官はダイスと呼ばれている」
「ダイス?サイコロの事ですか?」
「そう。この六人は実力のある六人から選ばれている。軽い気持ちでかかると殺られるわ」
宮崎はそう言うと先ほど買ったお茶を飲んだ。その話を聴いた柚木はこう質問した
「その六人は誰か分かる?」
そう聴くと宮崎は首を振ってこう言った
「誰か分からない。そのダイスの事については私が誘われたから知ってるけどメンバーまでは……」
宮崎がそう言うと柚木は立ち上がった。そして宮崎にこう言った
「良い情報をありがとう。私は少しよる所があるから乃木は先に外に止まってる車に戻ってて」
「了解」
乃木はそう言うとエレベーターホールへと行ってしまった
「私は業務に戻ります。何か知りたいことがあったらいつでもどうぞ」
宮崎はそう言うと階段を下りて行ってしまった。独りになった柚木は近くにあった埼玉支部の案内図を見た。そして「倉庫」と書いてある二階へと向かい始めた……
ゾンビ殲滅局埼玉支部前……
ガチャッ!
「任務終了!走らせて」
柚木は部下の待っていた車に乗るとそう言った。柚木達の用意した車は東京本部の文字はどこにも書かれていないので、多分埼玉支部の人にバレていないはずだ
「柚木准官一人で何をしてきたのですか?」
「あぁ、そのことか」
柚木はそう言うと上着の内側から一枚の紙を取り出した。その紙を広げるとこう言った
「埼玉支部の建物の見取り図を盗ってきたの」
「そんなことしてバレませんかね」
柚木の部下の柳田は車を運転しながらそう言った。すると柚木は自信満々にこう言った
「大丈夫。ちゃんとコピーしてきたし、何かあったら宮崎准官が誤魔化してくれるから」
柚木は見取り図を盗んだことがバレたとしても宮崎が誤魔化してくれると思っているが、果たしてちゃんと誤魔化してくれるのだろうか柳田は心配だった……
午前十時、東京本部……
そのとき、小牧は対策5専用室にいた。そして小牧の近くには同じ対策2の鵜飼と対策4の下原がいた。すると近くの実験室から城山が小牧の槍を持って出てきた……
「やっと小牧の槍は調べ終わったよ」
城山はそう言うと小牧に槍を返した。小牧はその返された槍を見たが、槍に何かされた形跡はなかった
「この槍に何かありました?」
小牧がそう聴くと城山は謎の液体の入った瓶を見せながらこう言った
「小牧の槍には、この液体がコーティングされていた。だけどこの液体が何かまでは調べても分からなかった」
「だけど、その液体がコーティングされている武器は亜種を倒せるのかも知れないという事は分かった」
城山と下原がそう言うと鵜飼は不思議に思っていたことを言った
「じゃあ何故小牧の槍はコーティングされていたのですか?」
そう聞かれたものの、城山にはなぜ小牧の槍がコーティングされているのか分からなかった。それは小牧も同じだった。この槍は小牧が対策官になったときに貰ったもので、どこで作られたのか知らなかった
「もしかしたらだけど、その槍の持ち主が関係してるかも」
そう言ったのは下原だった。下原は本部で長い間対策官の武器を修理してきている。なので何かを知っているのかも知れない
「この槍について知っている事があるなら話してもらえませんか?今後の東京都の為にも……」
小牧は下原にそう言った。すると下原は少し間を開けてからこう言った
「分かった。だが、この槍についてはかなり遡るぞ」
下原はそう言うと昔のことを話始めた……
今から六年前、ゾンビ殲滅局東京本部
対策4専用室……
この頃はまだ仲野が本部長ではなく、対策5もなかった。なので下原達製作官は研究官と同じ部屋で作業をしていた。当時から下原は局で一番の腕を持つ製作官と言われていた。なので毎日のように武器の修理、製作をしていた
そんなある日、一人の男性が下原の所にやってきた。その男は下原に槍を渡すとこう言った
「この瓶の中にある液体を槍に満遍なくつけてくれ」
と…… なので下原は依頼通りよく分からない液体を槍につけた……
現在、東京本部対策5専用室……
「というのが俺の知っていることだ」
「じゃあその男に話を聞けば、この液体が何か分かりますね」
鵜飼がそう言うと下原は残念そうにこう言った
「それは無理だ。その男は一年後に死んだ」
「それって……」
その男は、下原に槍の修理を頼んだ一年後に「上野公園新平地作戦」で殉職した。なので槍につけた謎の液体について聞くことが出来なかった……
下原泰士
准高製作官
武器……拳銃




