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僕らはゾンビ対策官  作者: ソーダ
第一章 新人
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#012 質問

コントロールセンター、一階


「何これ?」


倉科は一階で血を流しながら倒れている男性を見つけた。なので倉科はすぐにその男性が生きているか確認した。するとあることに気が付いた。


「こいつ愛護団体のやつじゃん」


倉科はそう言うと顔を濁らせた。すると階段から誰かが降りてくる音がした。


「倉科か?」


……と階段の上からそんな声が聞こえた。しかし倉科のいる場所からでは、誰がそう言っているのか分からなかった。しかしその声の主が階段を降りてくると、その声の主が九条だと分かった



「九条さん。なにがあったのですか?」


……と倉科がそう聞くと九条は階段の上をさした。なので倉科は部下を二人残して階段を登り始めた。そして上につき少し歩くと九条が青い顔をして降りてきた理由が分かった。


「これはいったい?」


倉科はボソッと言った。そこには死体が転がっていたのだ。その中には腹がえぐられているものや首のない遺体など見ることが出来なくなるようなものばかりだった。


「隊長、どうしたんですか?」


倉科の部隊がそう言いながら近付いてきた。そしてその血の海にのまれている死体を見て少し引いた。倉科はその姿を見るとその部下にこう言った。


「多瑛、向こうで宇土司令に連絡を頼む…」


倉科は鳩浜の肩に手を置いてそう言った。そして倉科は近くにあったブルーシートをその遺体にそっとかけた…




「死者がでたことは分かった。それで鳩浜はその死体を見てどう思った?」


宇土は作戦指令車からそう聞いた。…が鳩浜もどう言って良いか分からなかった。すると宇土はこう言った。


「質問を変える。では彼らの死は無駄だったと思うか?」


鳩浜はそう聞かれるとすぐに答えた。


「無駄ではないと思います。その人達のお陰でゾンビを倒すことが出来たのですから…」


「確かに彼らは人を守るという点では立派だったかもしれない… けど彼らにも家族というものがある。その残された家族は無惨になった遺体を見てどう思う?」


宇土は鳩浜にそう聞いた。が、鳩浜は答えられなかった。


「まぁいい。倉科にはそこで待機と言っておいてくれ」


…と宇土は言うとマイクのスイッチを押して切った。すると隣に座っていた芝がこう言ってきた。


「お前かなりキツい質問するな…」


芝にそう言われると宇土はこう返した。


「やっぱり若い人達には言っておきたいですよ。自分みたいな経験をしてほしくないのですから…」


宇土はそう言うとふと自分がまだ対策2にいた頃を思い出した。その時の宇土はゾンビ対策士長でとある大規模作戦に参加していた。が、当時現れた強いゾンビに班は自分以外殺られてしまった。そしてその遺体を後にして逃げて走る自分… そして作戦終了後に遺族と会って無言の圧力をかけられたこと…


そんな事を思い出せばキリがない。宇土はそう思うと立ち上がって外に出た。




林班…


「もうゾンビいませんね」


小牧は林にそう言った。普通に考えて作戦後半に応援に来た隊のあとを確認という形で歩いているのだからゾンビなどいるはずがない。なので大体の人は油断している。


「小牧、確認だからって油断するなよ。こういうときに油断して殺されている人間を何人も見てきたんだからな…」


…と林は言った。林は普段は重い言葉を言ったりしてきていないため、死体を見たことがないと勝手に考えていたがそれは違った。



偉くなるということはその分だけ死体を見ることが多くなるということだ。ゾンビ殲滅局の上官はたとえ普段はチャラかったりしていてもそれなりの辛い過去があることが多いのであった…




倉科奏良くらしなそら


准ゾンビ対策官


武器…槍(裏刃あり)

捕獲機(ゾンビを拘束するためのもの)

拳銃


予備武器…短剣



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