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僕らはゾンビ対策官  作者: ソーダ
第二章 弱体化
129/347

#117 記憶

次の日、都内のとある病院……


彼女は目を覚ました。そしてすぐに自分がいる場所が病院だと気がついた


「ここは病院で、私は……」


そう言ったときだった。突然彼女の寝ていたベッドの横から物音がした。なので横を向くと、そこには一人の女性が椅子に座っていた


「えっと、どなたですか?」


蒔村はその女性にそう聞いた。すると椅子に座っている女性は蒔村に対策手帳を見せた。

そこには「風戸水月 一等ゾンビ対策官」と書かれていた


「やっと起きたか。色々と聴きたいことがあるんだけど、いいか?蒔村」


笛中は蒔村の病室に入るとそう言った。笛中班は蒔村の護衛を任されていた。なので蒔村の手術が終わってから今まで五人で交代で守っていたのだ


「蒔村?だれ?」


蒔村は笛中の言っている意味が分からずそう言った……



それから数十分後……


「記憶喪失…… ですか?」


そう言ったのは宇土の部下の油井だった。宇土は笛中から蒔村が起きたと連絡を受けると、郡山より早く情報を知りたかったため部下を送らせたのだ。しかしその情報を持っている蒔村は記憶喪失になってしまった


「恐怖が原因とかいってたけど、記憶が戻る時は人それぞれらしいから、いつ戻るか分からないだとよ」


「蒔村が撃たれたときを再現すれば記憶って戻りますか?」


そう言ったのは油井だった。油井は手に拳銃を持っていた


「もしかしたら戻るかも知れないけど、まさかここで発砲する気じゃないよな?」


笛中がそう言うと油井は拳銃を蒔村に向けた。そして笛中に止められる前に引き金を引いた


「パァーン」


油井がそう言うと拳銃から紙テープが出てきた。笛中は何が起きたのか分からず、すぐに油井に拳銃のことを聞いた。すると油井は上着からトランプにコイン、ステッキを取り出した


「これは手品道具です。自分、手品に興味があるので」


油井はそう言うと今だした手品道具を上着にしまい始めた


「驚かせやがって……」


笛中はそう言うと蒔村を見た。そして一つ質問をした


「何か思い出したことはあるか?」


笛中がそう聞くと蒔村は首を横に振った。どうやら油井の手品では思い出せなかったようだ。油井は残念そうに病室から出ると宇土にメールを書き始めた


「しかしどうしようかね~」


笛中は頭を押さえながらそう言った。しかしどんなに考えようとも蒔村の記憶を戻す方法が浮かばなかった……



午後六時


東京都白梅市、株式会社ジャング食品白梅工場、第三棟……


「第一棟、第二棟の捜査は終わったな。あとは第三棟だけだ」


そう言ったのは宮島だった。宮島部隊は午後一時からこの食品工場に強制捜査に来ていた。このジャング食品はお菓子を作っている会社だった。そのお菓子を作っている工場の一つ、白梅工場の敷地にゾンビがいるとの通報が沢山あったため、本部は強制捜査に踏み切ったのだ。強制捜査じゃないと色々と許可を取ったりと時間が掛かる。なのでその意味では強制捜査は非常に便利だった……



この工場の第三棟はお菓子を作る機械などはなく、完成したお菓子をトラックに積み込む作業をする場所だった。なのでトラックが沢山停まっていた


「荷物の中にゾンビがいるなんて事ないよね?」


そう言ったのは菱田川だった。ここには沢山のお菓子がはいったダンボールが積み重なっていた。なので、もしかしたらこの中のどれかに入っているかもた考えたのだ。すると菱田川の後ろにいた真中がこう言った


「それは無いと思いますよ。こんな小さい箱にゾンビを入れるとなると、バラバラにしないといけない。そんなこと民間人がするわけがない」


真中がそう言うと、横にいる藁谷がこう言った


「そうとも限らないよ。中には物好きもいるからね」


「藁谷の言うとおり。攻防戦後にゾンビ愛護団体の支部に強制捜査した時、死んだゾンビがあったでしょ?もしかしたらいるかもね」


藁谷のあとに続くように土井がそう言った。実は宮島部隊は東京攻防戦のあった次の日に、ゾンビ愛護団体の支部に強制捜査に入っていた。この日は多くの対策官が休みだったため、この強制捜査を知っている人は少なかった。そのゾンビ愛護団体の支部にて宮島部隊はゾンビの死骸を見つけたのだ。その支部のリーダーは即逮捕となり現在警察に引き渡しているが、この件はまだ終わっていなかった


「一応箱の中も全て調べよう。土井、藁谷、真中以外は箱の調査。三人は他を調べるよ」


宮島はそう言うと行ってしまった。なのでいま呼ばれた三人は急いで宮島の後を追いかけた。そして第三棟の二階に移動した。この建物の二階は警備室があった。なので宮島達はこの工場の警備員から話を聴くために警備室に入った……


しかしここにいた警備員全員に話を聴いたものの、ゾンビを見たという警備員はいなかった。やはり食品工場というだけあってらゾンビがいたとなると衛生管理ができてないと思われるのが嫌なのだろう。宮島達はそう思いながら三階に上がった。三階は倉庫になっていた。と、いってもお菓子が入っているわけではなく、工場で使う機械などがしまってあった。その機械は長い間使われていないらしく埃が被っていた


「ざっと見いなさそうですね」


真中はそう言うと倉庫に入った。すると宮島は突然こう言った


「上だ」


と……





油井夢隼ゆいゆめと


司令官補佐


武器……拳銃

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