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僕らはゾンビ対策官  作者: ソーダ
第二章 弱体化
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#103 決行

それから数日後、午前十時……


ついに第六回東京地下処理作戦決行の日がやって来た。作戦に参加する対策官達は東京駅近くの民間人立ち入り禁止エリアの中にいた。


「みんな用意はいいか?」


有川はそう言うと皆のいる後ろを見た。そこには武器を持ち、皆みんないつになく真面目な顔をしていた。


「行くよ!第六回東京地下処理作戦開始!」


有川はそう言うとマンホールの蓋を開けた。すると最初にその穴に入ったのは宮島だった。宮島は中に取り付けてある梯子を使わず、そのまま飛び降りた。宮島は旧下水管の中に入ると辺りを確認した。そして上にいる有川にこう言った。


「下にはまだ居ない。下りてきていいよ」


「了解。下りるぞ」


有川はそう言うと梯子を使って下りていった。旧下水管にはまず何回もこの作戦に参加しているベテラン対策官から下りることになっている。特に一番最初に下りるのは危険が伴う。なので一番最初に下りる人は宮島みたいに梯子を使わずに飛び下り、下にゾンビがいたらすぐに倒さないといけないのだ。


「小牧、ライト忘れてるぞ」


「あっ……」


林に注意されると小牧は急いで懐中電灯をつけた。旧下水管の中に入ると周りを見ないといけないので、電気などつけている暇はない。それを知っているのは作戦に参加したことのある対策官だけだった。


「俺は先に下りる。小牧は桜庭の後に下りてこい」


「了解です」


小牧がそう答えると林は旧下水管へと下りていった。そして林の次に桜庭が下りていった。そして小牧に順番が回ってきた。小牧は梯子に足をかけた。梯子は錆びていて今にも壊れそうだった。そのうえ、濡れていたので滑らないように慎重に下りていった……




東京駅近く、旧下水管(エリアA-1)


「今回はどのルートでE-6まで行きますか?」


そう言ったのは宮島だった。梯子を下りた先は少し広い空間になっていていくつもの下水管が繋がっていた。


「B-3ルートの方がいいんじゃない?Dには死神がいるし」


「了解、B周りで行きますね」


宮島はそう言うと歩き始めた。そして一つの下水管に入っていった。旧下水管はレンガでできていて、遠くから懐中電灯で照らすと綺麗に見えたが、近くで見るといつ崩れ落ちてもおかしくないようなほどボロボロだった。


「林二佐、死神って何ですか?」


小牧は横を歩いていた林にそう聞いた。しかし、そう聞かれたが林も何だか分からなかった。すると後ろを歩いていた笛中が小牧にこう言った。


「林は知らないと思うから自分が説明するよ。死神は第二回で遭遇した亜種のこと。そこらにいる奇種なら簡単に倒せるけどコイツは奇種とは少し違う特徴を持ってるから亜種…… 死神と名付けたのさ」


笛中はそう言うと懐中電灯で足下を照らした。この旧下水管は今は使われていないものの、雨水などが入ってきているせいか水が張っていた。


「具体的に違う特徴って何ですか?」


「う~ん。例えば武器を持っていることかな?」


「はい?」


笛中がそう言うとついそう言ってしまった。ゾンビは武器を持たないのが当たり前なのに、その死神と呼ばれるゾンビは武器を持っている。どうやらその武器で攻撃してくるようだ。


「あと強いていうなら胃液を吐きまくってくることかな?別に胃液くらいならこの服で防げるけど、汚いから嫌なんだよね」


笛中はそう言うと少し震えていた。笛中は本部にいるときから汚れているものを嫌っていた。なので笛中班の席は他の班よりも綺麗だった。


「それも胃液対策ですか?」


林は笛中がつけている対策5がつけてそうな保護メガネを指差してそう聞いた。すると笛中はこう言った。


「そうだよ。もし下水管の水が目に入ったら嫌じゃん」


笛中がそう言うと小牧はこう思った。そんなものつけていて旧下水管にいる亜種と戦えるのかと…… しかし笛中は過去の作戦全てに参加して生き残っている。多分大丈夫だろうと思いたい小牧だった……



それから二十分後……


ただひたすら旧下水管を歩き続けてようやくB-3にたどり着いた。このB-3につくと宮島は今歩いていた下水管より少し細い下水管に足を踏み入れた。ここまで来るのに途中ゾンビとは一体も会っていなかった。どうやら笛中の話によると旧下水管ではそこまでゾンビを見ないらしい。と、いってもそれは過去の作戦で踏み込んだA、B、Dの全てとEの一部の話だ。まだ入った事のないエリアは何があるのかすら分かっていなかった。



「止まれ」


突然先頭を歩いていた宮島はそう言うと立ち止まった。


「誰か一緒に来てくれる人はいないか?」


宮島がそう言うと一番後ろにいた布田が前に来た。


「俺が一緒に行こう」


「分かりました。二十メートル位先に数体。誰か照らしてくれ」


宮島はそう言うと懐中電灯をしまった。そして剣を両手で持つと、布田と一緒に走って行ってしまった。



ボチャンッ!


小牧達の近くに何かが水に落ちた落ちた音がした。林は何かと思い、音のした方を見るとそこにはゾンビの首があった。


「ここまで飛んできたのか……」


林はボソッと言うと宮島と布田の戦っている前を見た。二人の戦っている所は桜庭一人が懐中電灯で照らしているだけだったので暗かったが、ゾンビを倒しているのは分かった……






布田景ふだけい


特別ゾンビ対策官


武器……レイピア

緊急防御箱

特注の短刀

拳銃

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