#097 通過
それから五分後……
染井達はゾンビ達によって駅の中まで追い込まれていた。列車が止まっているなら線路を走って逃げる所だが、列車は秋葉原を通過するだけで普通に運行している。なので逃げようにも逃げれない所まで来てしまったのだ……
「仕方ない。二発目だがもう一発撃ち込むしかないか……」
そう言ったのは染井だった。今、染井班は駅のホームにいた。が、ゾンビは階段をゆっくりと登っていた。そんなゾンビを倒して時間を稼いでいたのだ。
「班長!そんなことしたら駅が壊れます」
名畑はそう言った。確かにランチャーは拳銃と違って建物に大きな穴が開く。しかし、ここで使わないと染井班が全滅してしまうかも知れない。そんな事を考えながら染井は再びこう言った
「そんな事は言ってられない。あの列車が通過したら撃ち込んで!」
染井にそう言われると名畑はランチャーを持ち上げた。そして標準をゾンビに合わせた
「加宮!そろそろ撃ち込むからこっちに来て」
「分かりました」
加宮はそう言うと近くにいるゾンビに蹴りをいれて、階段をかけ上った
「今のうちに出来るだけ階段の下に追いやるよ」
染井はそう言うと拳銃を取り出した。そして階段を上ってくるゾンビに向けて発砲した。この対ゾンビランチャーには安全装置が存在し、グレネードが二十メートル飛ばないと爆発しないようになっていた。なので近くのゾンビに当たっても倒せないという欠点があった。
「班長!もう列車が通過します!」
そう言ったのは加宮だった。それを聞いた染井は拳銃をしまった。そして加宮に名畑より後ろに行くように指示をした。そして列車がホームに滑り込んだ。しかし今日はいつもと違ってスピードを落とさない。なので誰も降りてこないはずだったが……
バンッ!
突然通過する列車から人がホームに飛び出してきた。その人はホームの上を転がるとランチャーを構えている名畑の前にでた。
「それは使わなくていい。さすがにここで撃つのは危険だ」
その人は立ち上がると拳銃より一回り大きい銃を取り出した。
「やっと来たか…… 桜庭……」
染井はホームを見ると他の場所にも水瀬班のメンバーがいた。どうやら先程の列車から皆飛び降りてきたらしい。
「榛葉と七尾は向こうを頼む」
「了解」
二人はそう言うと、三間のいるもう一つの階段へと行ってしまった。そんな桜庭の後ろでは保見が剣を持っていた。そして水瀬と保見は階段を下りていきながらゾンビを倒していった……
「私達もいくよ!」
染井は名畑と加宮にそう言うと剣を持って行ってしまった。そう言われた名畑は急いでランチャーを背負うと加宮と共に階段を駆け下りた……
秋葉原駅前……
「思った以上に凄いことになってるな……」
そう言ったのは有川だった。有川班は御茶ノ水駅で待機だったが、染井班がピンチということで秋葉原駅に駆けつけていたのだ。
「サクッと片付けるぞ!」
「了解!」
そう言うと有川の部下達は武器を取り出した。そして近くにいるゾンビから順に倒していった。有川班は班よりも強い実力者が集まっている。何故なら宮島、布田、有川、宗、倉科、水瀬は自分の班、部隊のメンバーを自由に決めることが出来た。しかも宮島、布田、有川の三人は特別ゾンビ対策官としての役割…… 対策官の育成もあった。なので有川班には若くて強い対策官が集まっていたのだ。
「有川特官!自分は駅を見てきます!」
「分かった。駅は佐瀬に任せる」
佐瀬はそれを聴くと駅に向かって走り出した。と言っても駅の周りにもゾンビはいた。なので佐瀬は邪魔なゾンビだけ倒して進んでいた……
「誰かいるか?」
佐瀬は駅につくとそう言った。すると佐瀬の所に一人の男性が近付いて来た……
「駅の中は全て殺った。あとは外だけ」
そう言ったのは桜庭だった。そして桜庭の後ろには染井達もいた。
「名畑!一発撃ち込んで!」
「は、はい!」
名畑はそう指示されるとランチャーを下ろした。そしてゾンビに標準を合わせると弾を発射した…… が名畑の撃った弾はゾンビの方ではなく、ゾンビと戦っていた秋津の方へと飛んでいってしまった……
「避けろ!」
佐瀬はそう叫んだ。しかしそう簡単に避けれるはすがなかった
ドンッ!
弾が当たるとそんな音がした。皆はその弾のあたったら所を見た。しかしそこには有川が鉄の板を広げていた
「こっちに向けないでくれ。下手すると死ぬから……」
有川はそう言うとその板を縮めると箱の中に入ってしまった。そしてその箱をしまった
「ごめんごめん!」
染井は有川と秋津に向かってそう叫んだ。有川は撃たれたことは全く気にしていなかったが、染井に何と言ったら分からず困っていた……
有川栄光
特別ゾンビ対策官
武器……大鎌
緊急防御箱
拳銃




