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二節『魔法の力』

【0】



「「「「「うぉぉぉぉぉっっっ!!」」」」」


 戦場で数多の兵士が激突する。

 ある者は剣に切り裂かれ、ある者は魔術で爆ぜ、ある者は槍をくらい死んでいく。


 この兵士達は隣国のちょうど、中心に位置する世界樹を狙ってきていた。

 そして兵士達は世界樹を傷付け始める。武器を振り下ろして、世界樹は強大な魔力を秘めているため幹一つでも強力な武器になってしまう。


 そのため武器で世界樹を傷付ける。それどころか、自ら世界樹を独占するために互いに戦争をしているのだ。


『やめて……私を傷つけないで……』


 世界樹に座る幼子が泣きながら呟く。


『痛い、痛いよ、誰か助けて!』


「その願い、聞いてやる!」


 幼子が叫んだ時だった。突如、世界樹に大きなドーム状の結界が張られる。

 それにより、世界樹を切っていた兵士は軒並み弾き飛ばされた。



【0】



「な、なんだ! 何が起こった」


「これは結界! これほど大規模なものを一瞬で!?」


「馬鹿な、ありえない!」


「敵国の大魔術か?」


「しかし、それならば何故、敵兵(ヤツラ)も結界に弾き飛ばされる!?」


「分かりません。一体何が!」


「俺が知るかよ!」


 両国の兵士は、驚きを隠せず、混乱している。

 しかし、その中でも冷静なものがいた。


「謎の結界から離れ、距離を取れ! そして結界に向かって砲撃準備!」


 指揮官のような男が兵士達に命じる。


「「「「「はっ!」」」」」


 兵士達はそれに従い魔術を発動する。


「放て!」


 指揮官の言葉と共に、一斉に大量の火球が結界を襲う。


「どうだ!」


 しかし結界には傷一つ付いていなかった。


「何が起こっている!?」


 その結界に対し、指揮官はとうとう混乱した。



【0】



「大丈夫か?」


 幼子が顔を上げるとそこにはボロ布を纏った少年が一人立っていた。風で靡くボロ布の下から薄汚れたズボンと、上半身は服を着ず、胸には大きな傷跡が見えた。


『ふぇ。大丈夫……』


 涙をためた幼子の頭に手を置き、少年は不器用に笑う。


「そっか、なら大丈夫だ。後は俺に任せな。怪我は直してやるし、お前は俺が守ってやる」


 少年はそう言うと、空を駆けた。



【0】



 少年は両軍の間に、高速で着地する。


「な、なんだ?」


 一人の兵士がそう呟いた時には遅かった。


「両軍に告げる。死にたくないなら、この樹を傷付けるな」


 少年がそう呟くと、次の瞬間、少年の前に巨大な五色の巨人が現れる。

 火、水、土、風、雷のそれぞれの力を持った巨人は、両軍に猛威を振るった。


 その光景を、見た指揮官が呟く。


「この力は、まさか【ゼロ】が完成していたのか?」


 その言葉に少年は不快感を覚えた。


「お前は消えろ」


 少年の言葉と共に巨人の無慈悲な鉄槌が下った。



【0】


《よくわかる『ただ一人の【ゼロ】』用語その二》


 世界樹……

 世界が出来た時から存在したされる大樹。

 世界の魔力を循環しているとされており、大いなる存在である。実際、濃縮された魔力を保持しており、世界樹そのものに、選ばれた者しか、入る事を許されない結界が、張られている。

 世界の神とも見られており、宗教団体も存在する。

意思を持っており、ゼロスティル学園創設以降時折、人と交流する姿が世界樹の麓付近で、確認されている。

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