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一節『【ゼロ】の誕生』

【0】



「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁああああああああああああぁぁぁぁぁっっっっっ!!」


「いやぁぁぁああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁっっっっっ!!」


「や、やめてく……あああああああああああああぁぁぁぁぁ! かぁっ…………!」


 薄暗い施設に、幼い子供達の絶叫が響き渡る。

 その光景を、白衣を着た研究者達が、無機質な表情で見る。

 そこへ一人の豪華な服に身を包んだ男が、入ってくる。


「博士、どうだ? 実験は」


「未だに失敗作はありますが、成功例がありません。それ以前に【ゼロ】を封じ込めた魔石に、実験体(モルモット)達が耐えられていません」


 豪華な服を着た男が、研究者に尋ね、その問いに研究者が答える。


「ならば成功するまで実験を行え。何、実験動物なら、いくらでも用意できる。我々は勝たなければならない。そのためにはどれほど犠牲が出ても構わない」


「かしこまりました」


 ガハハハハと、豪華な服を着ている男は立ち去る。

 その非道な会話を聞いていた少年がいた。少年は今、実験を行われていた少年だった。鎖で縛り付けられ、体に魔石を埋め込まれて、挙句に強大な魔力を注がれ続けられていた。

 研究者と男の会話を聞いて、少年は激怒していた。


(こんな奴らのせいで、俺達は……)


 施設に連れられ魔石を埋め込まれ、実験されて苦しみ死んでいった子供達の事を思った時、少年の中で何かが壊れた。


「…………ふざ、けん、な!」


 その時、少年の体に埋め込まれた魔石が、激しく輝き出す。


「この現象は一体!? データの記録を忘れるな!」


 研究者達が驚愕する中、少年は憎しみを糧に力を手に入れる。


「がっ! はぁはぁ…………、お、まえ、ら、みた、い、な、やつ、が! いる、からぁぁぁっっっっっ!」


 鎖から注がれていた魔力供給装置から、魔力がすっからかんになる。魔石が一層輝きを増し、徐々に罅が入る。


「あああああああああああぁぁぁぁぁっっっっっ!!」


(俺はコイツらを……)



「殺すっ!!」



少年が叫んだ瞬間、体に埋め込まれた魔石が砕け散る。その現象を引き金に、少年ただ一人を残し、施設は跡形も無く、吹き飛ばされた。


「うがあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっっっっ!!」


 これが世界に生まれた【ゼロ】と呼ばれる唯一の魔法使いの誕生であった。



【0】


《よくわかる『ただ一人の【ゼロ】』用語その一》


 魔石……

 魔力や魔力を持った何かしらの生物、現象を封じ込める特殊な石。

 封じられた魔力は別の行為や、動力などに使用が可能である。

 人体に移植する事で無尽蔵の魔力を持ち、既存の魔術に捉われない魔法を行使できる人間【魔法使い創造計画】なども行われていたらしいが……。

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