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無空間、有空間  作者: Capso
6/11

地下の城

「それじゃ、さっきの話の続ききかせてよ、ザク」

コーラも残り半分になった頃、ミドウが話をきりだした。

「ん?あぁ~ザクちゃんののお目目が~兄貴に縫い付けられた、てはなし?」

「そうそ。やっぱ興味そそられるし」

マーチのボトルはすでに2本目に達していた。

ボトルからあんなにがぶ飲みしてたら、そりゃあ、なくなるのも早いだろう。

「ああ。わかった、話すよ」

オレはコーラを少し飲んでから話し始めた。

「まぁとにかく、オレには、見えないはずの建物が見えた。小せぇ頃はそれが建物だとはわからなかった。ただでたらめに青い線がひいてあるんだと思ってな。ある時オレは、その線を紙に書いてみようと思った。つなげてみたらどうなるんだろうって」

オレはコーラをもう1度飲んで息を吐いた。

「オレは町を歩き回って、線を書き続けた。そうしていくうちにわかった。この町の地下には、でかい地下室があるんだと」

「それはまた、壮大な話だね。でも地下室なんてどこにでもあるよね?ほら、B1階、2階とか。地下の駐車場とかさ?」

ミドウは酒をつぎ足し、オレにも飲むかとボトルを差し出してくる。

オレは断り、話を続けた。

「それより、もっと深く。到底人間が掘れるとは思えないほど深くまで建物は続いている。どうやってその建物を造ったのか全くわからない、そもそもそんな場所に人間が住めるのかどうかもかわらない」

「ぷはっ、あ~飲んだ飲んだ!でもそれってただのザクの妄想だろ?そんなものがあるなんて証拠もないわけだし~?」

2本目を飲み終えたらしいマーチは、テーブルに突っ伏して手をひらひらふる。

「オレも、そう思ってた。今日まではな」

「今日まで?てどういうことだ?」

オレは残り少ないコーラを喉に流し込んだ。

「つまりオレ達ほ今、その青線の中にいるってことだ」

「ん・・・?何だって?」

2人とも、何言ってんだコイツ?という顔をしている。約1名、何考えてるかわからないヤツがいるが。

「だから、ここがすでに青線のなかなんだよ。オレもまさかこんな簡単に入れるなんて思ってなかったけどな。いくつか地上に入口があるとは思ってたが」

「またまた~!コーラにアルコール入ってたのか?ここはどう見ても普通の地下室だ?普通の!」

そう言ってソファ席に乱入してきたマーチが、バンバンとオレの背中を叩く。

「そうだね。ここは別に特別な場所じゃない」

ミドウも同意する。

「このバーのどこかに、さらに下へと続く入口があるはずなんだ」

オレはまわりを見回し、入口の様なものを探すが、それらしきものは、見つからなかった。

すると、ミドウは、何かを考えるように、じっとオレの顔を見る。

「もしかして・・・カネドウ ミナトと何か関係があるのかい?」

「っ!そうだ!ミナトの事、何か知ってるのか?」

オレは、ミナトの名前が出てきた事に驚いてミドウを見返すが、ミドウは首をふった。

「いいや、全然。ただ、あのメールの送り主がカネドウ ミナトだったて事を思い出してさ」

「カネドウ?誰だ~?ソイツ」

どうやらマーチは何らないようだ。

「カネドウ ミナトは、世界的に有名な建築家だ。ミナトの設計した建物は、他に類を見ない不思議なものばかりで、賛否両論分かれる代物だが、数々の有名な賞をさらっている天才だ。しかし、それだけ有名にも関わらず、本人の情報が少なく、本当は実在しないんじゃないかとまで言われている」

「・・は実在する」

「えっ?」

それまでずっと黙っていたハックが突然つぶやいた。

相変わらず表情が見えず、何を考えているのかわからないが、確かに今、実在する、て言ったよな?

「ハックはミナトのことを知っているのか?」

無言。

「なんだぁ?知らないのオレだけかよ。んで、ソイツと、ここが秘密の地下室だって事と何の関係がるんだよ?」

マーチはイラついたように言う。

「ミナトのサイトには、彼が設計した建物の数々の図面が載せられている。その中の1つにこんなものがある」

オレは携帯を開き、ミナトのサイトを開いてテーブルに置いた。

そのままスクロールして1つの図面を拡大する。

「そして、コレが、オレのかいた青い線」

ポケットから紙を取り出し、広げる。

ミドウとマーチは、携帯と紙を覗き込んだ。ハックは動かず、腕を組んだままじっとしていた。

「コレって・・・」

ミドウは紙を手に取り、目を見開く。

「そっくりだな。この下の方のやつと」

マーチが両方を見比べ、つぶやいた。

携帯の画面には、奇妙な絵のようなものがうつっていた。

真ん中に直線が1本あり、直線から上側には、この町の建物がかかれている。そして、直線の反対側には、まるで迷路のような地下の城が広がっていた。

オレのかいた紙には、直線の反対側の建物がそっくりにかいてある。

「それは、オレがかいた、この町の地下の城」

「コレ、お前1人でかいたのか?すごいな。でも、どうやってこんな細かいものをかいたんだ?」

ミドウが紙をじっと見つめながら聞いてきた。

「日がたつにつれて、この目で、見える範囲が広がっていった。見えるっていっても、頭の中に、図面が広がっていくかんじで」

この図面を完成させるために、町を動き回り、多大な労力を使わされた。

「でもよ~、何でザクがかいたその紙と同じものが、ここに載ってるんだ?このミナト、て奴と知り合いなのか?」

オレの携帯をくるくる回して、マーチが言った。

「いいや。会ったことはないし、話したこともない。だから、その図面を初めて見た時には心底驚いた。そして、思った。この地下の城は、ミナトがつくったものなんだってな」

「・・・ミナトに会う気か?」

ハクが、またもや突然、ミナトの話題に食いついてきた。

やっぱり、コイツ、ミナトの事を何か知っているのか?

「ああ。会って、聞きたい事が山ほどある。この地下の城は一体何なのか?造ったのは本当にミナトなのか?」

「・・・アイツは、・・ない」

「ん?なんて言ったんだ?」

「なんだぁ~?やっぱ、ハッちゃん、コイツの事知ってんのか?どういう関係?」

マーチがハクの肩を抱き、顔を覗き込む。

パシッ

質問には答えず、ハクが手をふりはらった。

「ちっ。酷ぇな~相変わらず。無視かよ無視!」

マーチは気を悪くしたらしく、そのままソファに寝転がった。

「あ~なんかオレ眠くなってきた。ちょい寝るわ~」

「お前は飲みすぎだよ」

ミドウは呆れたようにため息をつく。

「でも実は、オレもなんか眠い」

確かに、なんか眠いような・・・

思わず、テーブルに突っ伏してしまう。

「・・・そういえば、何でその目が縫い付けられたのか、まだ聞いてなかったね・・・」

ふぁあっと欠伸混じりのミドウの声が聞こえる。

「・・・ああ・・それに、お前とハックがここに来た・・・理由もな」

やばい。だんだん目が閉じていく。

「ん?・・ああそうだね・・・オレは・・」

ミドウが何か言っているような気がしたが、はっきり聞こえなかった。

そこでオレの意識は途切れたからだ。










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