モテる為に魂を売れ
どうしてこうなった。
俺は、曾野 臣は絶望していた。
数時間前は期待を膨らませてまるで子犬のように尻尾を…いや、例えるのハズイからやめておこう。
あの悪魔、次あったら絶対ボコしてやる…
俺が今こうなっているのは数時間前前のことだ。
あまりにリア充したくて…あ、ここリアルじゃねーや。
あまりにモテたくて図書館にあった悪魔召喚の本を借りたんだ。そもそもなんで悪魔召喚の本あるんだとか今やっと突っ込めた。
お俺は適当に悪魔を召喚したんだが…美人でボンッキュッボンなお姉さんを期待してた俺がアホだった。
出てきたのは俺から見れば羨ましい通り越して殺意が芽生えてくるほどの美青年。うん、殴りたい。
しかもその悪魔の第一声が
「は?きゃー!可愛い!アタシの好み!!」
オカマ。オカマだ。
なんか異様に紳士的な容姿で長い金髪をなびかせてるこのイケメンはオカマだ。
可愛いってなんだ。お姉さん居ないのか。
「あー…お前、何でも願い叶えてくれんの?」
俺がそう言うと悪魔は目を輝かせて
「勿論よ!あ、アタシはレーダ!よろしくねバニーちゃん!」
バニー…
バニーには結構突っ込みたいがそれよりコイツとの会話はなるべく早く終わらせたい。用件だけ言うか…。
「なら早速で悪いが、俺をモテモテにしてくれないか?」
硬直。
直球すぎたんだろう、だが遠まわしに言おうがモテたいんだからいいだろ別に
「えーっと…悪いけど、アタシが相手の望みを叶える対価は貴方の現実の魂なの。だから、この世界でモテるのは難しいわね…」
「…は?」
撃沈。俺の一日はオカマのイケメン悪魔と話すことで終わった。
そういや暫く日記つけてなかったな…[オカマ悪魔と喋った]とかでも書いとくか…
「あ!でもね、異世界とかなら出来るわよ!現実じゃないから!」
…
「マジで?」
「マジよ!」
希望の光が…
俺はこう見えてRPGゲーマーだ。異世界行けるならRPGでお姫様助けたりパーティーの美少女達イチャつきたいとか思う。
「じゃあ、それで頼む!モテモテにしてくれ!」
「いいわよ!バニーちゃん!いきなりモテモテとかはびっくりしたけどね!」
そう言うとレーダとかいうオカマは何やら変な呪文を唱え始めた。視界が真っ白になって意識が遠のいてー…
目が覚めたら目の前には美少女…じゃなくて一人の男…見た目的に剣士だな。
「あ…あの…」
男が何か言おうとしてる。どうした?何やら顔も赤い…。
…待てよ、そういえば俺モテたいって言って…
…
まさかな、嘘だろ。嘘だと言ってくれ
「ひ、一目惚れしたんだ!付き合ってくれ!」
直球!!
というより…俺、男にモテてるのか!?
あの悪魔…オカマ…合わせてオカクマ…
「あんのオカクマ許さねー!!!」
第一目的はあのオカクマを殴ることだな。