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夏の雨 三首

作者: qmmkruz
掲載日:2026/06/13

夏の雨をめぐる、三つの短歌です。

夕立のあと、台所の迷い、入道雲と特売日の攻防。

暮らしの中の小さな風景を切り取りました。


テーマ 夏、雨


<1>

かみなり

驟雨しゅううんだ

やしろ

ビビるはおい

きじ


【解説】

雷を伴う、雹混じりの夕立が止んだ。

様子見がてら、幼い甥を連れて、川沿いの神社へ散歩に行った。

神社の敷地は広く、参道を外れれば野原も同然、草刈などはされていない。

これも避難していたのだろう、10mほど先の叢から数羽の雉が土手の方へ飛び立っていった。

甥は雉を初めて見たらしく、ビビって及び腰になった姿がとても可笑しかった。

そんな想い出。



<2>

あめがり

さらしてまよ

饂飩うどん

やしにするや

カレーにするや


【解説】

暑かった日中、夕食は冷やしうどんと決めていた。

しかし、夕方のにわか雨で昼間の熱気はどこへやら。

茹でたうどんを水で洗いながら考える。

冷やしうどんにしたら体を冷やしすぎるかも。

かといって、カレーうどんにしたら汗にまみれるかも。

結局、半分ずつにして両方とも食べた、という夕べのお話。



<3>

んだくも

和牛わぎゅうもと

はやあし

チラシのなか

きみる。


【解説】

近所のスーパー、今日は黒毛和牛の特売日だ。

だが、だんだんと大きくなっていく入道雲。

自転車での買い物だから、帰り道の雨には不安がある。

そんな不安を抱えながらも、スーパーのチラシの中で手を振る“黒毛和牛4割引”への期待が、自然と足を速めさせる。

結局は途中で降られたのだけれど、“チラシの君”には“振られ”なかったよ。


読んでくださり、ありがとうございました。

三首とも、夏の空と雨の気配をテーマにしています。

最後の一首では、空には“降られ”、チラシの“君”には“振られ”ずに済みました。

そんな夕暮れの一場面です。


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