PROLOGUE:1999
∀・)久しぶり。いでっち戻ってきたぜ。伊達賢一とともに――
昨日誕生日を迎えた。34歳になった。その翌日の今日の事。
俺は通勤する途中で女性が飛び降り自殺する光景をみた。
グシャアって音がするのと同時に人だかりが。
気持ち悪くなった俺はそのままそこを離れた――
23歳で大学を卒業して、広島じゃあ割と大手のスーパーマーケットに就職。でも半年経たずに解雇通達されて、今じゃあ近所のコンビニ店員になっている。人生なんて現実なんてそんなもの。
「仕事ができないね」
まえの職場でも今の職場でも懲りずに言われる。
俺の目の前で死んだあのお姉さんもそんな不都合な現実に苛まれ飛び降りたのだろう。溜息をついて商品を棚に陳列する。また上司にセンスが悪いだの何だの言われるのだろうな……そう思って溜息をつく。
仕事が終わり、スマホをみると着信があった。見覚えのない番号だ。
『もしもし。江川悟の母です。息子がお世話になっております』
「はぁ、どうも」
『あの、実は息子が交通事故を起こして……』
「え?」
それから暫く電話越しに彼女がすすり泣く声ばかりが聴こえた。
俺が彼と3日振りに会ったのは彼が棺の中に入った時だった。
何年振りだろうなぁ。泣かないぞと思っていたのに泣いてしまった。アイツにとっての親友は俺ぐらいだし、俺にとっての友人はアイツぐらいだ。俺は本当に何もかもを失った感覚に襲われた――
俺は悟の葬儀の後、独りベンチに座って真夜中に浮かぶ星を眺めた。
幸い明日は休みだけど……明後日も休みたいな。仕事なんてやめようか。
俺は自宅のすぐ近くにある実家に電話した。
もうそこしか俺にはない――
∀・)これはまだPROLOGUE。毎週土曜日19時~更新していきます。宜しくお願いします!!!
*´∀`)七海糸さまより素敵なバナーを頂きました♪♪♪本作に未来永劫残します☆☆☆彡