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すとっぷばいざげえむ  作者: ジョブレスマン
39/39

焦げたカレー

 すとんと足下がなくなるような感覚。落ちる。目の前が真っ暗になる。


ーーーーーー


「は?え?リン、ジェイル!?」


 ツクツクボウシが鳴いている。

 ひんやりとした風が入ってくる。

 焦げ臭い匂い。

 そうだ、カレーを作っていたんだ、となおは立ち上がった。

 急いで鍋をかき混ぜる。

 涙が目に浮かんで、なおの視界はぼんやりとしいていた。


「ただいまー、って、あんた、カレー焦がしたでしょ!」


 母の声がすると、なおは涙を拭った。


「なに泣いてんの」


「泣いてねえよ」


「それに、変な紐腕につけて」


「へ?」


「その、ピンクの紐」


「あ?ああああああ!?何番だっけ、リンは、二番、二番だよな?!」


「どうしたの、って、あんたどこいくの!?ちゃんと仕事探したの!?」


「まだ!」


「今日一日なにしてたの!?」


「すとっぷばいざげ〜む」


「はあ!?」


 怒る母を背に、なおは玄関を出ようとした。が、立ち止まると、再びリビングへと戻った。


「ごめん、母さん、仕事、本気で探すよ」


「また急にどうして。嬉しいけど」


「こっちでもジョブレスマンだとまずいかなと」


 にやにやと笑うなおに、母は「ゲームと現実の区別ぐらいつけなさいよ」とため息をついた。


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