魔法が存在しない≪ ランビュサダレ大陸 ≫では、魔法力の代わりに “ マーナ ” と呼ばれている素質が存在する。
≪ ガルメア小国 ≫では、〈 大陸りく仰こう神しん神しんランビュサダレ 〉に祝しゅく福ふくされた者ものだけに授さずけられるマーナは、5歳さいの誕たん生じょう日びを迎むかえた子こ供どもが《 マーナ神しん殿でん 》で祝しゅく福ふくを受うける。
祝しゅく福ふくを受うけ、マーナを授さずかれた子こ供どもは “ 選えらばれた子こ ” として〈 マナ 〉と呼よばれ、尊とうとばれていた。
祝しゅく福ふくを受うけてもマーナを授さずかれなかった子こ供どもは “ 選えらばれなかった子こ ” として〈 ノマ 〉と呼よばれ、生しょう涯がい一いっ般ぱん的てきな生せい活かつを送おくる事ことになる。
〈 マナ 〉となった5歳さい児じは直すぐに親おや元もとから離はなされ、≪ 王おう都とネスレアジディ ≫にある全ぜん寮りょう制せいの “ マーナ学がく院いん ” へ連つれて行いかれる。
マーナ学がく院いんに入にゅう学がくした〈 マナ 〉の子こ供ども達たちは、教きょう養よう,礼れい儀ぎ作さ法ほう,学がく問もん,運うん動どう能のう力りょくの他ほかに、覚かく醒せい前まえにマーナについての正ただしいを知ち識しきを学まなび、覚かく醒せい後ごにはマーナの正ただしい扱あつかい方かたを学まなぶ。
マーナのコントロールの仕し方かた,マーナの高たかめ方かた,武ぶ器きや防ぼう具ぐへの纏まとわせ方かた,武ぶ器きや防ぼう具ぐへの一いっ体たい化か,最さい終しゅう的てきにはマーナの具ぐ現げん化か等など々などを教おしえ、学まなばせ、実じっ戦せんで役やくに立たてる様ように鍛きたえられる。
マーナ学がく院いんに入にゅう学がく出で来きる事ことは、とてつもなく名めい誉よな事ことであり、エリート中ちゅうのエリートの真まっ只ただ中なかを進すすむ出しゅっ世せコースである。
マーナ騎き士し団だんは優ゆう秀しゅう,有ゆう能のう,天てん才さいと称しょうされる〈 マナ 〉の中なかからしか選えらばれないない。
限かぎられた者ものの入にゅう団だんしか許ゆるされないマーナ騎き士し団だんは〈 マナ 〉が憧あこがれを抱いだく存そん在ざいである。
あらゆる危き機きから自じ国こくガルメアを守まもるマーナ騎き士し団だんの候こう補ほ者しゃの卵たまごとなれるのだから、名めい誉よな事ことであるし、誰だれもが羨うらやむ輝かがやかしい出しゅっ世せコースまっしぐらであるが、5歳さい児じが問もん答どう無む用ようで家か族ぞくから引ひき離はなされ、強きょう制せい的てきにマーナ学がく院いんへ入にゅう学がくさせられてしまう事こともあり、我わが子こが〈 マナ 〉にならない事ことを願ねがう両りょう親しんの数かずは少すくなくない。
貴き族ぞく以い外がいの子こ供どもは、15歳さいにならなければ実じっ家かへ帰き省せいする事ことも許ゆるされず、家か族ぞくと手て紙がみのやり取とりすら許きょ可かされない。
世せ俗ぞくとの繋つながりを一いっ切さい絶たたれ、マーナ学がく院いんで10年ねん間かんを過すごす事ことになるのだ。
マーナ学がく院いんへ入にゅう学がくしてしまえば、貴き族ぞく以い外がいの生せい徒とのみに限かぎり、一いっ切さいの学がく費ひ,寮りょ費ひ等など諸もろ々もろの必ひつ要よう経けい費ひの全すべてが免めん除じょされ、家か族ぞくには毎まい月つき10日かに10万まんRrラリラ── 日に本ほん円えんで約やく10万まん円えん ──が支し給きゅうされる事ことになっている。
愛いとしの我わが子こと10年ねん間かん離はなれ離ばなれとなる家か族ぞくに対たいしての手て厚あつい保ほ証しょうではあるものの、其それでも「 我わが子こにマーナを授さずけられたくない!! 」と望のぞむ親おやは居いる訳わけで、5歳さいの誕たん生じょう日びを迎むかえても《 マーナ神しん殿でん 》へ子こ供どもを連つれて来こない親おやが居いるのも事じ実じつだ。
其その為ため、《 マーナ神しん殿でん 》に対たい象しょう年ねん齢れいを迎むかえた子こ供どもを連つれて来くるのは親おやの義ぎ務むとされ、此これに反はんした親おやは捕とらえられ処しょ罰ばつを受うける事ことになる。
マーナ騎き士し団だんの主おもな役やく割わりは自じ国こくガルメアを守まもる為ためにマーナを駆く使しして、魔ま獣じゅうを倒たおす事ことだ。
負ふの障しょう気きから生うまれる魔ま獣じゅうは強きょう敵てきで、マーナ騎き士し団だんは常つねに生せいと死しの狭はざ間まで生いきている。
領りょう土どへ魔ま獣じゅうが侵しん入にゅうして来こない様ように境きょう界かい線せんにて、隣りん国ごくのマーナ騎き士し団だんと共ともに協きょう同どうし、魔ま獣じゅう退たい治じに明あけ暮くれる毎まい日にちを送おくっている。
此この魔ま獣じゅうの存そん在ざいが国くに同どう士しの戦せん争そうを休きゅう戦せん状じょう態たいにさせており、協きょう力りょく関かん係けいを結むすばざるを得えない状じょう況きょうを作つくっていた。
国くに同どう士しは友ゆう好こうではないものの、共きょう通つうの敵てきに対たいしては、互たがいの背せ中なかを任まかせられる程ほどには間ま違ちがいなく同どう志しであった。
──*──*──*── 王都・ネスレアジディ
──*──*──*── マーナ学院
マーナ学がく院いんには優ゆう秀しゅう,有ゆう能のうな生せい徒とが多おおく居いるが、勿もち論ろん “ 落おちこぼれ ” と呼よばれる劣れっ等とう生せいも居いた。
劣れっ等とう生せいは〈 マナ 〉でありながら未いまだにマーナを覚かく醒せいさせれていない生せい徒との事ことだ。
彼かれ等らは “ 覚かく醒せいオチ ” と呼よばれており、クラスに必かならず1人りか2人りは居いた。
“ 覚かく醒せいオチ ” はクラスのカースト制度スクールカーストの下か位い層そう階かい級きゅうだ。