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2種類のステータスを持つ世界最強のおっさんが、愛娘と楽しく冒険をするそうです  作者: ケンノジ


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中級職とパーティランク8


 糸の残骸をあちこちにつけたエリーがやってきた。

 巣に触れるとくっつくので、岩を利用しながら移動している。


「そっちも無事だったみたいだな」

「一体、何がどうなったの?」


 俺とシャルに起きた出来事をかいつまんで説明した。


「で、シャルがいなくなって、ここまで探しに来たんだ」

「……そう……」


 それだけ言って、エリーは上を見上げた。

 俺がブレスでブチ抜いたせいで、吹き抜けのようになっていて、第一階層の天井が遠くに見える。


「前から……ああだったかしら?」


 またエリーが吹き抜けになった高い天井を見上げた。


 俺は慌てて話題を変えた。


「エリーやシャルは、そこらへんにある繭になってたんだ」

「前はこんな手強い魔物はいなかったんだけど、巣を作ってたのね……」

「他の繭を調べよう。捕まってる人を解放しないと」

「そうね」


 俺とエリーは、まだいくつも転がっている繭の中を手分けして確認していく。

 俺のほうもエリーのほうも、例外なく中は冒険者で、例外なく手遅れだった。


「あの中、呼吸はできるけど何かを口にできる状態じゃなかったから……」


 冒険者の自伝か何かで読んだ。

 ニンゲンってのは、水がないと簡単に死ぬそうだ。

 何も飲まず食わずの状態が五日ほど続けば、死んでしまうらしい。


 確認した遺体の冒険証を回収しておく。

 どれも俺より冒険ランクは高い。

 Cランクもいれば、エリーと同じBランクもいる。


「あとでカティアさんに報告しておこう」

「そうね。冒険者ギルドに言って、この件を情報共有してもらわないと」

「一応、ここが最下層らしい。泉の場所を探そう」


 巣が張り巡らされたフロアの隅に、元々通路だったらしい空洞を見つけて、俺たちはそこへ入った。


「ヨルさん、女王アラクネいなかった?」

「女王? いや、それらしきやつはいなかったぞ」

「アラクネがああして大きな巣を作るときは、たいていどこかに女王がいるみたいなの」


 もう面倒事は勘弁してほしい。

 会わないことを祈ろう。


 通路を奥へ進んでいくと『決意の泉』を見つけた。

 水が淡く光っているから、すぐにそうだとわかった。


 そこでようやくシャルが目を覚ます。


「あれ……? おとーさん……」

「お? 起きたか」


 今度はしくしく、と泣き出した。


「ひぐ、ふえ、ふええ、ごわがっだぁぁぁぁぁあああんっ」

「よしよし」


 急に襲われて身動きが取れなくなれば、シャルでなくても恐怖を感じただろう。


 ギャン泣きするシャルをあやすように、体を揺らしてあげる。


「……わ、私も……ちょっとくらいは怖かったのよ……?」

「あ、そう」

「くう……扱いの差……っ」


 エリーは、意外と怖がりなのか?


「よく頑張ったな」

「……」


 頭を撫でると何も言わなくなった。

 そっぽをむいた。耳まで赤いのがわかる。


 シャルが二度と離すまいとして、俺の首にぎゅっとしがみつく。


 水分補給と軽い食事をして、いよいよ本題のジョブチェンジに入る。


 泉の水をひと口飲む。冒険証が反応すると、頭の中に声が聞こえた。


――――――――――

冒険者よ。

貴方の道をいずれかから選び、示しなさい。

【重騎士】【守護騎士】

――――――――――


 選択肢がすくないのは、エリーに聞いていた通りだった。

 ずっと前衛防御職特化だったからな。

 初級職にもなれるんだろうが、それはまた初級ダンジョンに行く必要があるらしい。


 エリーいわく、ずっと同系統の上位互換職に変えていると、あれこれ系統を変えている人には覚えられないスキルもあるんだとか。


 前衛防御職の固有スキルってやつだ。


 だからというわけじゃないけど、今回も選んだのは【守護騎士】

 これも【重装兵】の上位互換職。

 攻撃スキルはほとんど覚えない前衛の壁役だ。

 反対に【重騎士】のほうは、防御系スキルと攻撃スキルをバランスよく覚えられるんだろう。


 ふっとステータスが泉の水面に浮かび上がる。


――――――――――

種族:人間 ヨル・ガンド(状態:変身中)(光)

職業:守護騎士

Lv:44

スキル:劣化版ブレス・大盾の心得・フィジカルアップ・スタンドアローン・挑発・囮の名手・大盾の怒り・シールドラッシュ

リフレッシュ(異常状態を治す)

――――――――――


 レベル的には格上のシースネークと戦った影響だろう。レベルがすこし上がり、『リフレッシュ』のスキルを覚えていた。

 防御系の職業でも、この手の支援スキルを覚えるみたいだ。


 エリーも自分のステータスを確認していた。


――――――――――

種族:人間 エリザベート・ルブラン(火)

職業:ソードマスター

Lv:39

スキル:筋力アップ・ファストエッジ・回避の心得・三連牙・ジゲンリュウカイデン

疾きこと風の如し(一定時間攻撃速度上昇(小))

――――――――――


「や、やったっ! 新しいスキル覚えてる!」


 その場でぴょんぴょん、と可愛く小さくジャンプした。


「……」

「……」


 俺とシャルの視線に耐えかねてエリーは話を変えた。


「お、おほん……シャルはどう?」

「わたしは、【ダークメイジ】にチェーンジ!」


――――――――――

種族:人間 シャルロット・ガンド(闇)

職業:ダークメイジ

Lv:41

スキル:イッシンジョーのツゴー・下級格闘術・ダークフレイム・シャドウスラッシュ・スモッグ・ブラッディサークル

魔法ブースト(一撃のみ魔法攻撃力増大、魔力消費量増大)

――――――――――


 浮かび上がったステータスにはそうあった。

【ブースト】か……後衛の魔法攻撃特化職らしい、ここぞというときのスキルだな。


 よし。

 目的も達成したし帰ろう。

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