ちょっと揶揄っただけ
ナレーション(その日、鈴木は初めて本物のちんちんを見た。本物のちんちんと言っても鈴木がこれまでにエロ動画で見ていたものとは色も形も大きさもずいぶんと違う非常に微笑ましいものではあったがそれでも父親のものでさえも生で見たことがなかった思春期の乙女にとっては同世代のちんちんというだけでじゅうぶんすぎるほどに衝撃的な出来事で、彼女の中に甘酸っぱいような、くすぐったいような、恥ずかしいような、わくわくするような何とも言えない感情を芽生えさせた)
口をあけ目を丸くしてちんちんをガン見したまま固まっていた鈴木、「逃げるわよ!」という九条の声で我に返った。
「は、はいっ!」
九条はシフトレバーをDに入れてアクセルを踏み込んだ。
車は急発進!
後ろの方から「おいっ!」とオウシロウの声が聞こえて九条は「きゃはははは!」と笑った。
駐車場から出てすぐに左に曲がるとまっすぐな1本道にでた。
周りは畑やビニールハウスなどがある田舎道で、晴れた青空に風も吹いて開放感があって気持ちがいい。
九条の車はスピードを上げオウシロウとの距離はどんどん離れていった。
オウシロウは「おいっ!! 待てえ!!」と叫ぶが九条は後ろも振り向こうともせずにケタケタと笑いながら左手をあげて「バイバ~イ!!」と手を振った。
鈴木はオウシロウがかわいそうだと思って少し引いてはいたが、すごく楽しそうに笑う九条を見ていたら自分もなんだか可笑しくなってきて一緒にケタケタと笑ってしまった。
「俺も乗せろ!! うおおおおおおおおおおおおあああああああああああああ!!!」
オウシロウの咆哮を聞いてまたケタケタケタと楽しそうに笑う九条たち。
「きゃはははは。先輩。ちょっと、かわいそうですよぉ~。きゃははははは」と鈴木が言うので九条は笑いすぎて苦しそうにしながらもバックミラーでオウシロウの様子をチラッと確認し、アクセルを踏む力を弱めて速度を落とした。
鈴木は後ろを振り返って「がんばれ~! きゃははは~!」と鼻血を垂らしながら声援をおくった。
「ぬおおおおおおあああああああああああああああ!!!!!!」
オウシロウはどんどん距離を詰めて車のすぐ近くまでやってきた。
しかし九条は絶妙に速度を上げてオウシロウはそのまま車と並走することになってしまった。
「おいっ! 待てと言ってるだろっ! 車を止めろ!」
「きゃははは! すみまてぇ~ん。露出狂の変態の方はこの車には乗せられまてぇ~ン。きゃはははは!」
「なんだとこのクソあまあ!!!」
「パトカーに捕まる前に刑務所へ戻って自首してくださぁ~い。きゃはははは~」
「ふざけやがってえええええええええ!! うあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
「「きゃああああああああああああああああああ!!!」」
ケタケタと笑いながらふざける女たちにぶちギレたオウシロウは命の限りバカ力を振り絞ってダッシュした!
オウシロウの気迫に驚いた九条はついスピードを上げてしまったが、オウシロウはいっきに距離を縮めて車の横につけると両手を上に伸ばして「デェあ゛!!」と走り高跳びをするようにジャンプして後部座席へ乗り込んでしまった。
「きゃあ! あぶない!」と叫ぶ九条。
その時だ! ちょっとした奇跡が起こった。
頭から飛び込んだオウシロウが前席の背もたれと後部座席のシートの間の狭い隙間に三点倒立をする形ですっぽりとはまったのだ!
それだけじゃない、九条の運転する車はちょうど高速へ入り、速度をさらに上げたせいで強い風を受けたオウシロウの小さなオウシロウが風力発電のプロペラのようにプルプルプルプルと高速で回転しだしたのだ。
「うわああああああああああー!!」オウシロウは何が起こっているのかわからず、ただただ股間に感じる謎の振動とちんこがもげそうなほどの痛みに叫んだ。
「きゃははははははは!!」それを見て爆笑する九条。
「きゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああー!!!!!」
ブシャアアアアアアアアアーー!!!
鈴木は鼻血を噴出して自身の服とシートの背もたれを赤く染めてしまった。
「きゃああ! どうしたの!?」びっくりする九条。
「ごめんなさいっ! なんでもないですっ! すぐに拭きとりますっ!」
鈴木はすぐにポケットから汚れたハンカチを取り出してシートの背もたれについた鼻血を拭いたが、すでに汚れきったハンカチで拭いてもよけいに汚れた範囲を広げている感じで全然きれいにはならなくて焦ってしまう。
「オウシロウ! ちゃんと座れ!!」
運転しながら怒鳴る九条!
「うあ! あ! ああ! あ、あ、あ、あ!!! 動け、ねえんだよ……、あ!」
三点倒立をしたオウシロウの肘が前席の背もたれと後部座席のシートの間にちょうどつっかえるようにはまって身動きが取れないのだ。
鈴木は着ているTシャツのあまり汚れていない袖の部分で鼻血を拭きとろうとしたがそれでも袖はすぐに真っ赤に染まってダメだった。
「すみません! 後でちゃんとふき取ります!」
「今はそんな事はどうでもいいの! 最初からもう汚れてるし! それよりさっきから元気に回り続けているそのお粗末なプロペラを何とかして!! みんなが見てる!」
九条にそう言われて再びプロペラに目をやった鈴木。
ブシャアアアアアアアアアアアーーーー!!!
また鼻血を噴出させてしまった。
「きゃあ! あなたの体はいったいどうなってんの!?」
「すみません!!」
「大丈夫なの!?」
「はい!」
鈴木はとっさにハンカチで鼻を押さえたが真っ赤に染まりきったハンカチからはぽたぽたと血が垂れた。
ふと、足元を見たら刑務所でもらったヒーポ君のかぶり物があったので拾い上げた。
「あ! これで隠しましょう!」
「やって!」
鈴木はプロペラを直視するとまた鼻血がでそうだったので、出来るだけ見ないようにしながら「えいっ!」とオウシロウのプロペラにヒーポ君を被せた。
「ナイス!」と九条が言った。




