ペロペロ(郷田智)
『どうだぁあっ! 参ったかクソ坊主!! もう負けを認めて謝れよぉぉ!!』
大城のアンダーシャツの中で頭を前後に動かしながら飯田は叫んだ。
「ぜっっだああいいああまらああえええあああああああおおおおおああああああえええええ!!!!!!!」
何かを大声で叫ぶ大城。
すると飯田はスポンッとアンダーシャツの中から顔を出した。
そして何がおかしいのか「ヘッヘッヘッヘッへ。ヒッヒッヒッヒ」と肩を震わせて笑いながらボサボサになった自身の髪の毛を手櫛でテキトーに整えて「ヒッヒッヒッ……。だったらぺろぺろしてあげるねぇ~ヒッヒッヒッヒッヒッヒ」と大城のおへそのまわりをペロペロとなめだした。
「ひっひっひっひっひっペロペロペロペロ、ひっひっひっひっひっぺろぺろぺろ」
嬉しそうに笑いながらペロペロする飯田。
「くっ……、あっ……、たっ……、ああっ……! うっ……」
大城は地面の土を握りしめ歯を食いしばってくすぐったいのを耐えていた。
飯田は身体を起こして、大城の腹の上に座りなおした。
そして大城の左腕をガシッと掴むとアンダーシャツの袖をまくって前腕をペロペロしだした。
「うひひひっひひっひひっぺろぺろぺろぺろ」
飯田は肩を震わせて笑ってはいるが目は笑っていなかった。
怒りすぎたせいで気が触れたのだろうか。
「ほら、嗅いでみろ」
飯田はペロぺロした腕を大城の鼻に近づけて匂いを嗅がせるようにした。
しかし大城はヴヴゥゥゥと柴犬が怒りを溜めたような反応しか見せなかったためキレて「私がペロペロした所を嗅げっ!!」と怒鳴った。
ひどすぎる……。
周りに集まったやつらも全員がほほを赤らめて心配そうに2人を見守っていた。
そろそろ俺が止めてやらねば……。
「飯田、もういいだろ! いくらなんでもやりすぎだっ」
「部外者は黙ってて!」
「飯田っ!」
「やめさせたいんだったら郷田くんも参加して力ずくで止めてみれば? 別にわたしは男二人が相手でもかまわないけど?」
「く……」
「ふっ……やっぱりね。どうせそんな気概も勇気も最初からないんでしょ? だったらおとなしく指をくわえて見とけよっ!!!」
くそっ、悔しいが何も言い返せなかった……。
「ほらオウシロウ! 嗅いでみろ!!」
飯田は再び大城の鼻に彼自身の腕を近づけた。
大城は怒りを溜めながらも目をつぶって鼻を近づけてクンクンと匂いを嗅いだ。
「どうだ! くっせえだろ!? あひっひひっひひっひっ」
それでもまだ嗅ぎ続ける大城。
「どうだ!?」
まだ嗅ぎ続ける大城。
「おいっ! いつまでも嗅いでないで何とか言えよっ!!」
「……いい匂い」
「何だって!?」
「いい匂いがする……」
「はぁ!?」
飯田はそんなはずはないとでも言うように大城の腕を自分の鼻に近づけて匂いを嗅いだ。
そして「くさっ!!」と驚いた。
「コイツっ!! 引っかけたなあ!!!?」
大城を睨みつける飯田。
大城は怒りをためた柴犬のような表情で飯田を睨み返していた。
「なんだその顔はああ!! それはこっちの顔だろうがあああ!!!」
キレた飯田は大城の腕を放ると再び大城に抱き着き、彼の首筋をむさぼるようにペロペロしだした。
「ハァハァ、ふざけるなっ……、ペロペロ、女を……、ペロペロ、舐めるのも……、ハァハァ、ペロペロ、いい加減に、ペロペロ、しろよぉぉ……ペロペロペロペロペロ」
大城は地面の土をぐっと掴んで、幸せそうに口元を緩め涎を垂らし、目をつぶってじっと耐えていた。
飯田はそんなのおかまいなしに大城の耳やそのまわりをもペロペロしだした。
「ハァハァ、お前のような、ペロペロ、クソヤロウは、ペロペロ、いっぺんペロペロ、ハァハァ、天国へペロペロ、のぼれっ! ペロペロ」
はげしいペロペロ攻撃。
「ハァハァ、しょっぺえ、ぺろぺろぺろぺろ、うっ、くせえ、ぺろぺろぺろぺろ、しょっぺえペロペロ」
そうしているうちに大城の顔からはだんだんと表情が薄れていき、しまいには完全に力が抜けリラックスしたような状態になってしまった。
気の触れた飯田は首まわりをペロペロするだけじゃ飽き足りなかったのか今度は後ろ向きに座りなおして荒々しく大城の右足のトレーニングシューズを脱がした。
そしてストッキングとソックスも脱がそうとしているが飯田は野救のソックスを初めて見たのか脱がすのに苦労しているようだった。
「ああんっ! どうなってんのよ!!! なによこれ!? どんだけ長いのよこの靴下は!!! あんっ!!」
ヒステリックになりながらもなんとかストッキングとソックスも脱がして、ユニフォームパンツの裾を膝上までまくるとふくらはぎや足指や足首のマッサージをしながらペロペロしだした。
「ハァハァ、コイツだけはペロペロ、絶対に……ペロペロ、ゆるさない……ぺろぺろぺろ、ハァハァ、生きれええええええええええ!! ぺろぺろぺろぺろ」




