にこにこ
「これニコニコマークなのか! がはははっ! おしるこか雑煮の絵かとおもったぜ! がはははは!」
「ウフフ」
「がははははっ!」
「ウフフフ」
「ふはははははっ!」
「ウフフフフ」
何かよくわからないけど2人とも笑いが止まらなくなってしまった。
「がははははは! なんで笑ってんだ、がはははは! ところで、おまえ誰だよ」
「ウフフフ、わたし? わたしは九条紬って言うの」
「クジョー? なんかどこかで聞いた事あるような気がする」
「地球と生きる。チェンジズフォーザネクスト。クジョー」
「ん?」
「聞いた事ない?」
「ない」
「君、テレビとか観ないの? コマーシャルでよくやっているでしょう?」
「テレビはよくみるぜ! ガリレオが来た! とか、かずこの部屋とか」
「まあいいわ。それより私は君に頼みごとがあってきたの」
「なんだ?」
クジョ―は突然立ち上がり、オレの腹の上をまたいで仁王立ちになったかと思うと鋭い目つきでギロリと見下ろし、人差し指を付きつけてきて「私の研究に協力しなさい!」と言ってきた。
クジョーの背後に太陽があったのもあいまってまぶしくて彼女が凄く神々しく見えた。
そのとき強い風が吹いた。
彼女の制服のスカートがふわりと舞ってパンツが丸見えになった。
白い布地にかわいくないハムスターがキャベツを食べている画像がプリントされたやつだった。
彼女は恥ずかしそうにして両手ですばやくお股を押さえて隠したが今度はバンッ!とボールがぶつかる音がして「キャア!」と彼女がオレのほうに倒れてきた。
女の人がオレの上に重なってオレの胸に顔をうずめている。
女が上に乗るのは初めての経験で緊張して固まってしまった。
彼女が顔を起こして目があった。
「なに鼻血だしてんのよっ! エッチ!!」
バチンッ!
思いっきりビンタされてしまった。
「おーい! すまん、ここにボールが飛んでこなかったか」
男の声がしてオレとクジョーは振り向いた。
グラウンドでドッジボールをしていた知らない先輩だった。
「九条!? お、お前……何してんだ!?」
「え……。私は、別に……」
「おーーーいみんなああああああ!! 九条のやつがこんな所で後輩を襲ってるぞおおおお!!」
彼の呼びかけにグラウンドにいた先輩方がなんだ、なんなんだと集まって来ようとしている。
クジョーは「詳しい話はまたあとでっ」とオレに言いうと走ってどこかへ行ってしまった。
「まてー! 九条ー! にげんなよー! なんだよあいつ~。邪魔して悪かったな一年生、うわっ!? お前すげー血だらけじゃん!?」
男に指摘され鼻の下をこすってみると指にべっとりと赤い血が付いていておどろいた。
ふと胸元を見ると制服の白いシャツが真っ赤になっていてまたおどろいた。
「どうした!? 九条に何されたんだよ!? 大丈夫か? 立てるか? 保健室に行くか!?」
ドッジボールの男が心配そうな顔をして手を指し伸ばしてきたがオレは「大丈夫です! 失礼しますっ!」と自分でシュッと立ち上がり全力で走って教室に向かった。
今日の5時限目はオレの大好きな数学の授業だ、イェーイ!




