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みんなああああああーーッ!!ありがとうー!!大好きー!!あいしてるー!!いいよ!もう何でもいい!全部イイっ!!全部OK!無限の無限のすべてよ!ありがとうー!!大好きだー!!あいしてるーーー!!!笑  作者: 大好き!愛してる!
第2章 ひさしぶりの部活(平岡大志)

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初めての親友

 部活が終わり、部室でボールやバットの片づけをしていたら窓の外はすっかり暗くなっていた。

 先輩方はみんな先に帰ったので残っているのはオレとオウシロウしかいない、あ! そうだあいつ倒れたままだった。起こしにいかないと。


 オレは走ってグラウンドに出て、ひとりさみしくライトに照らされているうつ伏せ状態の坊主頭のところへ駆け寄った。

 

「オウシロウ起きろ! もう部活は終わったぞ! みんな帰ったぞ! おい、起きろ! オウシロウ!」


「……ん……おかあさん……」


「お母さんじゃねえよ! 早く起きろ!」


「……ア…‥だ、誰……?」


「オレだ。平岡だ。帰るぞ」


「あぁ……ひらおか……。ひらおかっ!? おお! 平岡! 帰ってきたのか!?」


「そうだ」

「うおおおお平岡が帰ってきたああー!! ワーイ! ワーイ! 平岡が帰って来たー!! ワーイ!」

 さっきまで気を失っていたのが嘘みたいに立ち上がり、ぴょんぴょんと飛び跳ねて喜ぶオウシロウ。


 そこまで喜んでもらえるとは。

 なんか照れる。


 


 大城旺士朗(オオシロオウシロウ)は同じ1年で野救(やきゅう)唯一(ゆいいつ)の同期でオレに初めてできた大親友でもある。


 友達なんていらないと思っていたオレに何でいきなり大親友が出来たのかと言うと、彼に「今日からおまえは俺の大親友だ」と言われたからだ。



 彼と初めて会ったのは高校に入学してすぐ、部活体験でボール拾いをさせられていた時だった。


 同じくボール拾いをしている1年の中にひとりだけ青白い頭皮がみえるくらいの坊主頭がいて長身で目立っていた。それがオウシロウだった。

 マッチ棒の先くらい頭が小さくて整った顔立ちでスタイルもいい、イケメンだが目つきは悪い。

 目が合うと睨んでくるのでなるべく見ないようにして近づかないようにもしていた。


 部活体験最後の日。

 入部希望の1年生は監督に呼び出されてひとつの教室に集められた。


 教壇の真ん中で腕組みして立つ監督。


 それぞれの机には紙と鉛筆と朱肉が用意されていた。


「よし、みんな席についたな。それじゃあ机の上に伏せてある用紙を裏返して良く読め」


 紙を裏返すとびっしりと文字が書かれていた。


 難しそうな文章だったので所々しか読まなかったけど、死んでも誰も責任は取りませんとか、何があっても私は絶対に誰も訴えませんとか、部活動中は人権はないですとかだいたいそんな事が書いてあった気がする。


野救(やきゅう)部に入部したければこの契約書にサインを書け。それから朱肉に親指をつけ判を押せ。それが出来ないやつは今すぐこの教室から出ていけ」 


 オレは野救がやりたかったので即サインをし親指で印を押した。


 教室からは次々と生徒たちがいなくなり残ったのはオレとオウシロウだけだった。



 次の日、監督からもらったユニフォームを着てグラウンドのそばの雑草を引きぬいていたらオウシロウが近づいてきてオレの前に立ち「おい、ゴミ以下。俺の大親友になれ」と言ったのだ。


 誰に言っているのかと思って後ろを振り返って確認したが誰もいなかった。


 顔を前に戻しオウシロウを見上げたら、彼はオレをゴミ以下を見るような蔑んだ目で見下ろしていて、瞬きもせずに「おまえだ」と言ってきた。


 意味が分からなかったので「は?」と間の抜けた声で返したら。


「俺はおまえに大親友になれと言っている」とどこか高圧的な感じが嫌だったので「いやだ」と即答した。

 

 そして無視して黙々と雑草取りを続けた。


 大親友とかめんどくせえし、バカみたいだし、いらねえし、くだらねえ。そもそも大親友てなんだよ意味わからねえ。


 でもオウシロウは諦めなかった。


「ゴミ以下の意見はきいていない。今日からおまえは俺の大親友だ」


 そこまで言われて黙っていられるほどオレはお人好しではない。


 草を引き抜く手を止めてオウシロウを見上げてギラッと睨みつけて言ってやった。


「嫌だと言っているだろ! オレは親友とか友達なんてクソみたいなものは信じないしだいっ嫌いなんだ! そんなのってくだらねえ! 考えただけで吐き気がする! くたばれ!」


 そうしたらオウシロウは落ち着いた声で言った。


「ゴミ以下の意見はきいていないと言わなかったか?」


「は?」


「わかった、いいだろう。だったら俺のゴミクズ以下の奴隷になれ」


「はあ?」


「今日からおまえは俺のゴミクズ以下の奴隷だ。だからゴミクズ以下の物として扱う」


 何言ってんだコイツ。頭おかしいんじゃねえのか。


「意味が分からねえ。もしオレがおまえのゴミクズ以下の奴隷になったとして、オレには何の得があるんだよ」


「代わりにおまえも俺の事を好きに扱えばいい。それでおあいこだろ」


 代わりにおまえも俺の事を好きに扱っていいだと?


 好きに扱っていい。


 なんていい響きなんだろうと思った。


 これまで生きてきたなかで人間を好きに扱っていいなんて言われた事がなかったから嬉しくてつい「わかった。それだったらいいぜ」と言ってしまった。


 すぐに後悔したがオウシロウは「決まりだな」と少しだけ表情をゆるめ嬉しそうな感じだったのでオレは困惑したまま「おぅ……」と返して再び雑草を抜いた。


 こんな変なやつとはできるだけかかわりたくないから雑草取りに集中しようとしたんだ。


 そしたら

 

「おいゴミクズ以下」


 また話しかけてきやがった。


「なんだよ」


「今日からおまえは俺の大親友だ」


「なんでそうなるっ! オレはそういうのは嫌いだってさっき言っただろ―――」

「ふふっ……」


 オウシロウは気味悪く笑った。


「なんだよ……。何がおかしいんだよ」


「ゴミクズ以下が何か言ってやがる、ふっふっふっふっ……」


「なんだとおっ!!!」


「ゴミクズ以下が発するゴミみたいな意見が聞き入れられると思っているのか? 笑わせてくれるぜ、がぁあはっはっはっはっはっは~!」


 オウシロウは腹を抱えて爆笑した。


 大きく開けた口から鋭い犬歯が覗いて、まるで魔獣みたいだ。


「ぎゃああはっはっはっはっはっはっはああ~! おまえおもしれーヤツだな、ぎゃっはっはっはっはぁ~!!」



 そういうことでオレはこいつの大親友にならざるを得なかった。


 しかしだ、こいつのゴミクズ以下の奴隷になったからといってこいつの好き勝手にされてばかりではない。オレにだってこいつを好き勝手に扱える権利がある。


 だから―――


「おい、聞けよご主人様」


「ぎゃはははは~! なんだよっ、ぎゃははは! あは、あは、あっはっはっはっはああああ~!!」


「今日からおまえは、オレのゴミクズ以下のさらにもっと下の何の価値もない奴隷以下のゴミクソ野郎だ!」


 

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