倉庫の影
オレとヨシオが先頭に立って倉庫に近づいた。
慎重に、ちょっとずつだ。
そしたら
ガサガサガサッ!
倉庫の中でまた影が動いた。
ビビりの耳川は鈴木の後ろに隠れてべったりとくっついていた。
倉庫の前までたどり着いて引き戸に手をかけた。
オレたちの濡れた服や髪からぽたぽたと水滴が落ちる音が聞こえそうなほど静かだった。
緊張の一瞬。
オレが皆に目で合図を送るとみんなはコクリと頷いた。
ガラガラガラガラ!
思い切り引き戸を引いた。
光が差して明るくなった倉庫の中に姿を現したのは。
「「ヒツジ!?」」
そこにいたのは目つきの悪い薄汚れた大きなヒツジだった。しかもあまりかわいくない。
だけど耳川は。
「はわわ!! かわうぃ~」
とひとり目を輝かせた。
彼女には可愛く見えるらしい。
「ひつじさ~ん!」
耳川が嬉しそうにヒツジに近づいた。
「やめろバカっ! なんかそいつヤバそうだぞ!」と注意をしたが遅かった。
バンッ!!
ヒツジにタックルをされて彼女はズザザーーッとグラウンドを転げ回った。
「みみかわーーーーっ!!」




