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地獄の業火で焼かれ続けた少年。最強の炎使いとなって復活する。  作者: さとう
第五章・砂漠の王国と双子天使

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レッドルビー王国城下町

 レッドルビー王国への入口。デカい門の前には大勢の人が並んでいた。

 どうも、入国審査があるようだ。兵士っぽいのと冒険者っぽいのがいっぱいいる。しかもなんかおかしい……どうも殺気立ってるような、何かを探しているような。

 ちょっと気になるな。それに、入場のために並ぶ列……こんなの並んでたら日が暮れるぞ。

 俺はラキューダに乗ったまま、遠くから列を眺めていた。


「面倒くさい列だな……なぁ、王国に入るのってこんなに面倒なのか?」

「いえ。ブルーサファイア王国と比べるとかなり厳重ですね。ブルーサファイア王国の入国は身分証と軽い荷物検査……あぁぁっ!!」

「うおっ、びっくりした……どうした?」


 いきなりニーアが叫んだので驚いた。

 すると、炎天下なのに蒼い顔で言う。


「ぼ、ボクたち……身分証がありません。このままじゃ入国できないですよ」

「え、なんで?」

「ぼ、ボクとフレアさんの身分証、レイチェルが持ってるんです。身分が証明できないとレッドルビー王国に入ることできないです……」

「んー、冒険者ギルドの証じゃ駄目か?」

「たぶん、大丈夫だと思いますけど……ボクは入れないですぅ」

「そっか。じゃあ……お、そうだ。ちょっとズルしちゃうか」

「…………え?」

「ふふふ。まぁ任せろって」


 せっかく新しい『炎』を手に入れたんだ。使ってみるか。


 ◇◇◇◇◇◇


「次!!」


 兵士がそう叫ぶと、商人と荷車を引くラキューダが前に出た。

 兵士が商人に尋問、冒険者が荷物を徹底的に調べる。入国審査は冒険者の仕事ではないが、レッドルビー王国第二皇子にして『レッドルビー・冒険者ギルド』のギルド長であるカガリビの命令だった。

 『入国者を徹底的に調べろ。そしてニーアという少年を見つけたら連れてこい』と。


 冒険者たちは、周囲を徹底的に監視する。

 列に並ぶ人たちを見て、小さな子供を連れた家族を見つけた。

 冒険者の一人が、男の子の両親に聞く。


「おい、このガキの名前は」

「え……な、何を」

「いいから答えろ」

「わ、ワウルです」


 冒険者は睨みを利かせる。子供は怯え、父親と思わしき男に抱き着いていた。

 冒険者は舌打ちし、仲間の下へ。


「どうだ?」

「違うな。護衛にしちゃただの睨みでビビりすぎだ。肉付きも悪いしただの一般人だろう」

「チッ……仕方ねぇ、次行くぞ」

「おう」


 冒険者のグループは、子連れを徹底的に尋問する。

 カガリビの命令だから探しているだけではない。


「見つけた奴には白金貨五十枚……へへ、美味しい仕事だぜ」

「おう。へへへ、他の連中に負けねぇようにしねぇとな」


 レッドルビー王国の冒険者たちが、ニーアを捜索していた。

 冒険者たちが次なる子連れの下へ向かおうと歩きだし────。


「…………ん?」

「おい、どうした?」

「……いや、気のせいか」


 何かが、足下を横切った気がした。


 ◇◇◇◇◇◇


「よし、この辺りかな……」


 現在、俺たちは地中を移動していた。

 レッドルビー王国城下町。入ってすぐにある建物の裏手辺りまで地中を移動、誰もいないことを確認して浮上する。

 浮上したのは、砂でできた球体だ。俺が第三地獄炎で作りだした物で、この中に俺とニーア、シラヌイとラキューダは入っていた。

 

「第三地獄炎、『潜地航行』だ。大地の一部を乗り物に変え、ある程度の距離を移動することができる。これなら見つからずに移動できるってわけだ」

「ぷはぁ……地面の下を移動したの、初めてです」

「俺もだ。けっこう気持ち悪いな」

「あ、あはは……」

『ブルルル……』

『わぅーん』


 ラキューダもシラヌイも気持ち悪そうにしていた。確かにこれは気持ち悪い……あんまり多用しないでおこうかな。

 さて、とりあえずレッドルビー王国に入ることができた。ちょっと卑怯な方法だが、あの長蛇の列に並ぶなんて御免だからな。


「さーて。まずは……どうする?」

「えーっと、拠点となる宿を取って、資金を得るために道具屋で鉱石を換金しましょう」

「わかった。メシは?」

「そ、その後で。換金したらご飯にしましょうか」

「お、いいね!」


 腹減ったし、さっさと行きますか!

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お読みいただき有難うございます!
脇役剣聖のそこそこ平穏な日常。たまに冒険、そして英雄譚。
連載中です!
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