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地獄の業火で焼かれ続けた少年。最強の炎使いとなって復活する。  作者: さとう
第五章・砂漠の王国と双子天使

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砂の王国レッドルビー

「まっすぐ、まっすぐ……」

「まっすぐ、まっすぐぅ……あちゅい」

「おいニーア、しっかりしろ。もうちょいで到着するぞ」

『わんわん!!』

『ブルッヒィィンン!!』


 俺とニーアは、レッドルビー王国に向かって進んでいた。

 ジャランダーラから聞いた『まっすぐ進めばレッドルビー王国』って適当だなーと思ったけど、人がよく通るのか、岩や魔獣の骨で道が作られていた。

 途中、オアシスもあり喉の渇きは潤せたけど、ニーアにとって砂漠が暑いことに変わりない。汗だくでぐったりしていた。

 ラキューダは暑さに強く、シラヌイは火を司る霊獣なので熱に強い。ラキューダの前を歩き、警戒しながら進んでくれた。

 シラヌイのおかげでいろいろ助かることがある。


『グルル……わんわん、わんわん!!』

「ん、魔獣か?」

「ひっ……」


 シラヌイが吠えた。

 すると、離れた場所の砂中に三角形のヒレがいくつか飛び出し、こちらにむかって進んできた。

 あ、これもしかして……砂豚か!!


「シラヌイ、一匹やれ。俺は残りを始末する」

『ガァァッ!!』

「喜べニーア。今夜は砂豚の丸焼きだ♪」

「は、はい」


 俺はラキューダに乗ったまま、右手を人差し指を突き出す。

 右手に炎が集まり、まるで銃弾のように炎が発射された。


「第一地獄、呪炎弾」


 炎は砂中のすな砂豚に直撃、跡形もなく砂中で燃え尽きる。

 シラヌイが残りの一匹に向かって進みヒレに噛み付いて砂の中から砂豚を引きずり出した。

 そのまま砂豚の喉に噛み付き食いちぎると、砂豚の血が噴水のように噴き出す。どうやら血抜きをしてくれたようだ。


「シラヌイ、慣れてきたな」

「そりゃぁ、ここ毎日魔獣狩りしてますから……」

「お前も魔獣出ても驚かなくなったな」

「は、はい。フレアさんがいますし、それに……なんか慣れちゃいました」

「ははは。そうかそうか」

『わんわん!!』

「おっと、砂豚を回収してさっさと行くか。砂豚の血の匂いで魔獣が集まってくる」

「は、はいぃっ!!」


 こんな感じで、俺とニーアの旅は続いていた。


 ◇◇◇◇◇◇


 俺とニーアは、砂豚の丸焼きを完食した。ラキューダもシラヌイもよく食べる。もちろん俺もニーアもだ。カグヤとレイチェルがいたら砂豚一匹じゃ足りなかっただろうな。

 メシも食ったし、ニーアとシラヌイは先に寝かせて、俺は一人で野営って感じかな。


「ニーア、ゆっくり寝ろよ」

「…………」

「ニーア?」

「あ、あの!! さ、作戦会議しましょう!!」

「……はい?」


 ニーアが妙なことを言いだした……作戦会議?

 テントに入らず、焚火を挟んで俺の正面に座るニーア。その隣にシラヌイが座った

 ラキューダはメシ食ったらグーグー寝始めた。こいつはかなり図太くなったよな。


「で、作戦会議って?」

「えっと、レイチェルとカグヤさんを助けるためにどうするかを……」

「簡単だろ。レッドルビー王国軍だっけ? そいつらがいるところに行けばいいじゃん」

「で、でも、それだとフレアさん……ヘタすれば捕まっちゃうんじゃ」

「そうか?」

「そ、そうですよぉ。レッドルビー王国軍はピリピリしてるって言ってたじゃないですかぁ」

「そうだっけ……?」


 そういえば、ニーアはジャランダーラの長からいろいろ聞いてたな。


「じゃあどうすんだ?」

「と、とりあえず。レッドルビー王国軍の詰め所で聞くのが一番かと……さすがに国民の窓口である王国軍詰め所でなら少しは話を聞けると思います」

「よし、じゃあそこに行くか」

「はい。あと、詰め所でも情報が得られないときは……」

「殴り込みか。過激だなニーア」

「ち、違いますぅ!! えっと、冒険者ギルドで【情報屋?】にお話を聞くのがいいかと」

「情報屋? なんだそれ?」

「えーっと……」


 ニーアはメモ用紙を取り出した。どうやらジャランダーラの長から聞いた話をメモっていたようだ。

 

「えーっと、王国軍と冒険者ギルドは仲が悪い。ですので王国軍関係、冒険者関係の情報は高値で取引されている……そうです」

「ふーん。金あんの?」

「はい。ジャランダーラの長から鉱石をいくつかもらいました。これを換金すればお金になるって」


 ニーアは、カバンからキラキラした石を取り出した。

 俺にはよくわからん。水色っぽいキラキラした石にしか見えないけど、こんなの売れるのか?


「ミスリル鉱石っていうそうです。レッドルビー王国では高級品みたいですよ」

「へぇ~……よくくれたな」

「ジャランダーラの森にはいっぱい落ちてるみたいです」


 とりあえず、お金には困らなそうだ。

 さすがニーア……というか、金のこと全く考えてなかった。

 今更だが、年上の俺がしっかりするべきじゃないのかな。こう見えて俺、千と十六歳だし。まだ六歳のニーアのがしっかりしてる……。


「と、とにかく方針は決まったな。ささ、寝ろ寝ろ。明日も暑いぞ」

「はい。じゃあおやすみなさい。シラヌイ、いこう」

『くぅん』


 ニーアはシラヌイを連れてテントに入った。

 さて、俺は頑張って野営するかな。


 ◇◇◇◇◇◇


 それから数日。ようやく見えてきた……。


「お、見ろニーア……あれ」

「え……わぁ~……あれが」

「ああ。レッドルビー王国だ……でっかいなぁ」


 砂漠の中央に、巨大な都市があった。

 大きな壁があり、いくつもの門が見える。でもジャランダーラの森みたいな樹木はまったくない。話によると王国内に大オアシスがあるって話だけど。

 そして、遠目でもわかるのが……巨大な宮殿だ。いや城か。


「あそこにカグヤとレイチェル、あとニーアの爺ちゃんがいるのか」

「…………」

「ニーア? 爺ちゃんがいるんだぞ爺ちゃん」

「…………は、はい」

「不安か?」

「……はい」

「ま、大丈夫だって。爺ちゃんが嫌ならレイチェルと暮らせばいいじゃん。あいつお前にベタ惚れだし、結婚しようって言ったら喜ぶんじゃね?」

「え……えぇぇぇっ!?」


 驚くニーア。そんなに変なこと言ったか俺?

 ま、とにかく。ようやくレッドルビー王国に到着した。

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お読みいただき有難うございます!
脇役剣聖のそこそこ平穏な日常。たまに冒険、そして英雄譚。
連載中です!
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